先週の米ドル/円相場は、ドイツ銀行をめぐる懸念を背景に一時100円割れ寸前まで下落する場面があった。同行の株価は金曜日には一時10ユーロを割り込み9.90ユーロと過去最安値を更新。一部のヘッジファンドは心配のあまりドイツ銀行に預けてあった資金を引き揚げたほどだ。
ドイツ銀行に何が起きた?
ドイツ銀行といえばかつてはコメルツ、ドレスナーとともにドイツ三大銀行と呼ばれ、強固な財務基盤と優良顧客を抱える名門銀行であった。そのドイツ銀行の株価がたった10ユーロまで売り込まれてしまった理由はいったい何なのか。
ドイツ銀行は現在、米国内で住宅ローン担保証券を不正に販売した疑いで米司法省から140億ドルの制裁金を請求されており、これが経営不安につながっていた。同行幹部はひそかにドイツ政府に支援を要請したが、来年総選挙を控えているメルケル首相は公的資金による救済を否定している。米当局とは最終的には数十億ドルで和解するとの見方が多いが(先週金曜日には54億円で合意に近づいているとの報道があり株価が反発した)、今や株式の時価総額160億ユーロのドイツ銀行にとってはそれでも十分に危機的な金額だ。
LIBOR不正操作事件も
ドイツ銀行をめぐる懸念は最近になって急に噴き出してきたわけではない。米当局のレバレッジ指標によると、ドイツ銀行は世界の主要銀行の中で最もリスクが高く、6月にはFRBのストレステストに不合格となっている。同行が保有するデリバティブの想定元本は75兆ドルと天文学的な規模に達しており、金融市場の変動に対してきわめて脆弱と言われてきた。LIBOR不正操作事件をきっかけに世界中で数千件ともいわれる訴訟を起こされており、その潜在的な費用も相当な額にのぼる。各種の減損処理で直近2015年の決算は69億ユーロの損失になっている。
リーマンブラザーズの二の舞にはならないだろうが…
ドイツ銀行がリーマンブラザーズのように破綻してしまう可能性はさすがに小さい。潰すには大きすぎるし、グローバルな金融市場への影響はリーマンショックの比ではないだろう。メルケル首相は救済を否定しているが、おそらくポーズであり、その時が来たらドイツ政府はためらわず公的資金を注入するはずだ。他の金融機関(ドイツ国外も含めて)との救済合併も画策されるだろう。
今週末の米国雇用統計までドイツ銀行への注目度は高く、注意が必要
もちろん当事者たちはそうなる前に傷口が自然治癒し問題が下火になっていくことを望んでいるだろう。しかしマーケットは非情なもので、ドイツ政府が同行を救済せざるを得なくなるまで攻撃を続ける公算が大きい。株価が急落し、CDSが高騰するなか、不確実性を嫌った資金が安全資産に流れ込み、為替市場では円の独歩高が続くだろう。今週は金曜日に米国雇用統計の発表を控えているが、それまでの間、暫時ドイツ銀行の動向が最大の関心事となる可能性が高く、注意を怠れない。
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