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FOMCは予想よりタカ派的!日米の金融政策格差広がりドル高へ[雨夜恒一郎]

FX攻略.com ズバリ!今週の為替相場動向 2018年6月18日号

先週のドル円相場

先週のドル円相場は、FOMCが予想通り0.25%の利上げを決定し、メンバーの金利予想(ドットプロットチャート)が年4回(年内あと2回)の利上げに上方修正されたことから110円台後半へ上昇。米中貿易摩擦を懸念したドル売り円買いでいったん110円割れまで売り込まれる場面もあったが、日銀が消費者物価の現状判断を引き下げたことを受けて円売りが強まり、一時110.90円まで上昇した。

FOMCは予想よりタカ派的な印象

FOMCのドットプロットチャートは、前回は年3回と年4回が6人ずつで同点だったが、今回は年4回がドット7つを集めて最多となった。これを受けてFF金利先物は9月の利上げを85%、12月の利上げを55%織り込む水準となった。また今回の声明では、これまで用いられてきた「FF金利は今後しばらく中長期的に有効となる水準を下回る可能性が高い」というフォワードガイダンスに当たる部分が削除された。パウエルFRB議長は会見で、来年1月から毎回のFOMC終了後に記者会見を行う意向を示しており(これまでは年4回)、来年は利上げペースの加速もありうることを示唆した。市場にとっても、筆者にとっても、今回のFOMCは予想よりタカ派的な印象だった。筆者は先週まで「利上げによる材料出尽くしでドルの上昇力は衰えていく可能性が高い」とみていたが、どうやらその考えを改めるべき局面に来たようだ。

いつの間にかドルは高金利通貨に

今回の利上げで米国の政策金利は1.75~2.00%となり、豪州(1.50%)、ニュージーランド(1.75%)を抜いて主要国中トップとなった。10年債利回りでみても、米国は約2.9%でニュージーランドと肩を並べる。いつの間にかドルは高金利通貨になっていた。ドルは世界の基軸通貨であり、金利も高い。そしてトランプ大統領は北朝鮮の核ミサイルの脅威をなくし、貿易赤字を力ずくで減らそうとしている。米国に積極的に投資しようとまでは思わないにしても、世界中に散らばっていた投資マネーが米国に戻ってくるには十分な材料であろう。ドルインデックスは年初来高値の95を超えていく勢いだ。

完全に取り残された日本

翻って日本はどうか。日銀は先週の金融政策決定会合で、短期金利をマイナス0.1%、長期金利をゼロ%程度に操作する現行の金融緩和政策の維持を賛成多数で決めた。消費者物価の上昇率がここにきて想定外の腰折れとなり、緩和解除の時期は再び水平線のはるか彼方に遠ざかってしまった。欧州中銀が量的緩和を終結させ、世界的にいよいよ利上げがすう勢となる中、日本だけが完全に取り残された形となった。

地政学リスクや世界同時株安といったリスクオフ要因が消えつつある現在、日米の金利差・金融政策格差に逆らってドル円を売り込む理由を見つけるのは難しくなってきた。今週は相場観をドル強気に改め、買い場を探すスタンスで臨みたい。

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