FX攻略.com ズバリ!今週の為替相場動向 2019年2月4日号
先週のドル円相場
先週のドル円相場は、FOMCの結果が予想よりハト派的だったことから一時108.50円まで下落したものの、米国1月の雇用統計やISM製造業景気指数が強い結果となったことから109円半ばまで反発し、結局下に往って来いの展開となった。1月30・31日にワシントンで行われた米中閣僚級協議は、予想通り合意には達せず、3月1日の交渉期限も延長されなかったが、「非常に大きな進展があった」(トランプ大統領)と評価され、近く米側閣僚が中国を訪問することが示唆された。
FOMC解説
FOMC(声明全文はこちら)のどこがハト派的だったかというと、まず前回声明(全文はこちら)まで存在した「FF金利誘導目標のいくらかのさらなる緩やかな引き上げ」が経済状況と整合的、とする利上げ予告の文言がそっくり削除されたことだ。そして今後の政策金利調整の決定に際して「委員会は忍耐強くなる」との一文が新たに加えられた。この「忍耐強く」との文言は、FRB用語では「様子を見る」ということを意味する。
さらにFOMCは保有資産の縮小についても別枠の声明文を用意し、「経済活動や市場動向に応じて、バランスシートの正常化の詳細を修正する用意がある」と表明。パウエル議長は記者会見で「当初予測よりも早期に資産縮小を停止する」と明言した。つまりFOMCは、2015年から続けてきた利上げサイクルと2017年から続けてきたバランスシート正常化を同時に終了させる意向を示したのだ。
金利市場の反応は?
金利市場の反応はどうか。FOMCの結果を受けて、FF金利先物が織り込む年内の利上げ確率はほぼゼロになり、年内利上げなしの確率が80%を超えた。ただ、下のグラフを見るとわかるが、これらの確率は、FOMC前(1週間前)と比べて劇的に変化したわけではない。そして「利下げ」の確率は依然10%前後と低いままだ。金利市場はFOMC前からすでに「年内利上げなし」をメインシナリオとしており、今回のFOMCの結果はそれをいくらか補強したに過ぎないのである。したがって、「利上げ停止・資産縮小停止」を受けたドル売りの動きは長続きしない可能性が高く、むしろFOMCと市場が金利観の一致を見たことで、今後は米国金利の方向性よりも、金利差の絶対値に着目する、つまりドル買いが優勢となる可能性が出てきたのではないか。
FF金利先物が織り込む12月の金利水準 出所:CME Group
株式市場の反応は?
一方、金融引き締めの停止は株式市場にとってはこれ以上ない朗報であり、米国株式市場ではNYダウが昨年12月7日以来となる2万5千ドル台を回復した。米中協議がある程度の進展を見せ、米国1月の雇用統計で、非農業部門雇用者数が+30.4万人と予想を大幅に上回った(クドローNEC委員長の予言が的中した)ことで、景気減速懸念も幾分和らぐであろう。株式市場が年末の乱気流から抜け出したことで、リスクオフの円買いも下火となっていく。今週も引き続き株価堅調・ドル円強含みの展開を予想する。
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