FX攻略.com ズバリ!今週の為替相場動向 2019年6月10日号
先週のドル円相場は
先週のドル円相場は、米国の利下げ観測を背景に108円台割れを試す展開となり、一時107.82円まで下押しした。その後米国株式市場が利下げ「期待」で大幅に反発したことからドル円も下げ渋り、108円台半ばまで反発。しかし金曜日に発表された米国5月の雇用統計が予想を下回る弱い結果となったことから、再度107.88円まで売り込まれ、108.20円近辺で終了した。
雇用統計は大幅に下振れ
米国雇用統計は、失業率が3.6%と前回・予想と一致したものの、非農業部門雇用者数(NFP)は+7.5万人と予想の+17.5万人、前回の+22.4万人を大幅に下回った。3月・4月分が合計で7.5万人下方修正されているため、実質的には雇用増ゼロだったことになる。また市場が注目する平均賃金は前年比+3.1%(予想+3.2%、予想+3.2%)と伸び悩んだ。NFPがあまりに予想と乖離しているため、統計上のエラーの可能性を指摘する向きもあるが、NFPの先行指標として知られるADP民間雇用統計が+2.7万人と同じく急減速していたことから、これが実態と考えたほうがよさそうだ。何らかの特殊要因があった可能性は捨てきれないものの、5月の労働市場は民間を中心に急ブレーキがかかった。
パウエル・プット
パウエルFRB議長は先週の講演で「景気拡大を維持するため適切に行動する」と発言。市場では「必要なら利下げも検討する」と受け止められた。ほかにもブラード・セントルイス連銀総裁から「近く利下げが適切になる可能性」、エバンス・シカゴ連銀総裁から「必要であれば政策を調整する用意がある」、クラリダFRB理事からも「もし成長の減速が確認できれば、適切な行動を取る」など利下げをにおわす発言が相次いだ。おそらくFRBは今回のNFPの急減速を事前にキャッチし、ヘッジをかけたのであろう。いわゆる「パウエル・プット」である。おかげで米国株は先週5連騰となり、前週と比べて1000ドル以上上昇した。
市場は年内利下げを確実視
FF金利先物はすでに9月までの利下げを9割以上、年内2回以上の利下げも8割以上織り込んでいる。来週のFOMCでの「電撃利下げ」の確率さえ3割近くあると見ている状態だ。雇用統計の大幅下振れとFRBからの利下げシグナルを受けて利下げ観測は一段と強まっており、ドルは必然的に売り圧力を受ける。
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ドル安・円安が綱引き
一方で、米国景気は減速するものの、景気後退に陥ることはないとの見方が多い。FRBの予防的利下げで景気は持ちこたえるとの楽観的見方から、株式市場はパウエル・プットに好意的だ。となると当面は、金利低下・ドル売りの流れと、株高・リスクオンの円売りの流れが同時進行することになる。先週のドル円相場が結局のところ下げ渋った理由はここにある。
今週もドル売りの方針に基本的に変わりはないが、ドルの下落はごく緩やかなものにとどまる公算が大きく、108円台後半までの反発局面を狙った戻り売りスタンスにとどめておくのが得策であろう。
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