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FOMCは25bp利下げがメインシナリオに GAFA決算、参院選結果に注意[雨夜恒一郎]

FX攻略.com ズバリ!今週の為替相場動向 2019年7月22日号

先週のドル円相場

先週のドル円相場は、FRBの利下げ幅をめぐる思惑を背景に上下動した。木曜日には、ウィリアムスNY連銀総裁の発言「経済悪化の最初の兆候が顕在化した時点で迅速に行動すべき」を受けて50bp利下げの観測が強まると、一時107.21円まで下落。しかし翌金曜日には、匿名のFRB高官の発言「7月FOMCでは25bpの利下げにとどめ、追加利下げの可能性を示唆する」が伝わると、107.98円まで反発した。

やはり25bp利下げがメインシナリオ

FF金利先物はウィリアムス総裁の発言を受けて50bp利下げを一時60%まで織り込んだが、さすがにこれは行き過ぎ。翌日にはNY連銀の報道官から「総裁の発言は20年の研究に基づいた学術的なもの。今月のFOMCでの政策行動の可能性に関するものでない」とコメントが入ったとたん、50bp利下げの確率は22.5%まで急低下した。市場がウィリアムス総裁の発言を深読みしすぎたため、当局が慌てて火消しに回ったものと思われる。上記の匿名高官の発言や、ブラード・セントルイス連銀の発言「25bpの利下げでも先手の行動になる」も勘案すれば、もはや25bp利下げがメインシナリオであることに疑いの余地はないだろう。

FF金利先物が織り込む利下げ確率 出所:CME

明日からはFOMCメンバーが金融政策について発言することができない「ブラックアウト期間」に入るため、当局からのシグナル発信はほぼ終了した。市場予想が25bp利下げに着地したことで、FRBの市場との対話は成功したといえるだろう。となると、先週の木曜日に50bp利下げを過度に織り込んだ際に付けた安値107.21円が当面の安値と考えられ(もちろん突発要因などが出れば話は別だが)、市場の見方が1週間前の状態に戻ったと考えれば、ドル円の適切な水準は108円台ミドル~後半あたりとなろう。また来週のFOMC以降は、予想通りの25bp利下げで材料出尽くしのドル買いというシナリオが描けることから、それを先取りしたドル買いが始まる可能性もある。

その他の材料

今週金曜日には、利下げ幅をめぐる最後の材料となる米第2四半期GDPが発表される。前回の+3.1%(前期比年率)から+1.8%へ減速が見込まれているが、これを下回らなければ、25bp利下げのゴーサインと受け止められ、ドル買いの口火を切る可能性がある。ただし、今週はアマゾン・ドットコム、アルファベット、フェイスブックなど米ハイテク大手の決算発表がピークを迎えるため、最高値圏にある米国株の動向が波乱要因となる可能性があり、注意を払う必要があるだろう。

なお本稿執筆時点(20日午前)では参院選の結果は不明だが、与党自民党と公明党が予想通り手堅い結果を出すとすれば、政権安定を好感した株高・円安という追い風になるだろう。

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