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FX力を鍛える有名人コラム

9月利上げに赤信号!ドル高エンジンは停止![井口喜雄]

トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。

9月の早期利上げに関しては様々な意見が聞こえてきます。先週の米雇用統計が15万人増と9月利上げを確信づけるほどの内容ではなかった一方で、直近の3カ月平均では23万人を超えていることが利上げを正当化することもできるため見方は分かれています。

9月利上げは困難な状況に

いろいろな思惑がありますが、私は下記に挙げている理由から9月利上げはないと考えております。

① 米インフレ圧力がない
② 米大統領選を11月に控えるなか9月というタイミングは得策ではない
③ 直近の米経済指標がよくない
④ マーケットが9月利上げを織り込んでいない

特に③に関しては、昨日ISM非製造業が2010年2月以来の悪化となったほか、先週のISM製造業の数字も好悪の基準となる50を下回るなど米経済は思っているより深刻なのかもしれません。

また、④に関しても9月の米利上げ確率が20%前後とマーケットに織り込まれていません。仮にこのまま利上げした場合、サプライズとなりボラティリティ拡大というリスクを伴うこととなります。

FOMCメンバーによる発言に注視

ただし、9月利上げ可能性がゼロかと言えばそうではありません。イエレン議長をはじめ、ハト派色の強かったメンバーがここにきてタカ派へとスタンスを変えていることは間違いありません。

直近の発言を整理すると「数ヶ月以内」「論拠が強まった」といった内容は明らかに9月を意識していて、米景気後退局面に備えて今のうちに利上げしておきたいというのが本音なのだと思います。

もしFRBが本気で9月利上げをする気であれば今週から来週にかけて複数予定されている連銀総裁の発言は相当タカ派的なコメントになると思います。この発言内容を精査する事がここから先のポイントとなりそうです。

FOMC前に予定されている要人発言

7日 23:00 ラッカー・リッチモンド連銀総裁(タカ派)
7日 23:00 ジョージ・カンサスシティ連銀総裁(タカ派)※投票権あり
9日 20:45 ローゼングレン・ボストン連銀総裁(タカ派)※投票権あり

9日 22:30 カプラン・ダラス連銀総裁(中立)
12日 21:05 ロックハート・アトランタ連銀総裁(中立)
13日 ブラックアウト期間入(ブラックアウト期間を過ぎるとFOMCメンバーは発言ができなくなります)

このFOMCメンバーのなかで特に重要なのが今年の投票権を持っているジョージ総裁とローゼングレン総裁になります。彼らが9月利上げをなにがなんでも強引に織り込ませようとしてくれば、利上げの確率は上がってきます。

ただし、「データ次第」などいままでと変わらない内容となれば、やはり9月の利上げは難しいと判断せざるを得ません。予想としては後者になるように思います。

日銀金融政策は万策尽きたか

黒田日銀総裁は講演にて、9月20から21日にかけて開かれる日銀金融政策決定会合で行う金融緩和の総括的な検証について「量、質、金利のいずれも追加緩和の余地は十分にある」というスタンスに変わりがありませんでしたが、マイナス金利などの現状の金融政策の副作用やコストについて詳細に触れたことから追加緩和観測は後退しています。

おそらく金融政策は限界なのでしょう。ETF増額の影響から、日経平均が下げるべき時に下げ渋るなど弊害も確認でき、追加緩和余地も限られるなか、マイナス金利深掘りもできないのであれば、万策尽きているのではないでしょうか。

米早期利上げの後退と日銀追加緩和期待の剥落によって米ドル/円は値崩れを起こす可能性は高いと考えており、100円を視野に入れつつ弱気バイアスをもって臨むつもりです。

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テクニカル面でも下落トレンドを確認

米ドル/円チャートを見ても日足のトレンドライン、一目均衡表の雲下限、75日移動平均線とメジャーなレジスタンスできれいに反落しており、わかりやすい展開になっています。

これらのレジスタンスポイントを突破する力が今の米ドル/円にあるとは考えづらく、上値への道のりは険しいと言えます。下値も一目均衡表基準線のさしかかる101.90円をあっさり下抜けており、ここからは100円台まで大きなサポートが見当たりません。

売買比率ではドル円の約8割がロングポジションですが…

参加者のバーゲン・ハント的な買いや、押し目での買い意欲は強く約80%がロングポジションと偏っています。

しかし、IMMの円建てポジションを見ると円買いの枚数が増加しており、投機筋は米早期利上げはないとみて円買いに強気です。この状況でリバウンドを期待するにはリスクが高く、ミセスワタナベのロングポジションが狙われるリスクのほうが高いと考えるべきかと思います。

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