MAGAが米国株のトレンドを示す
新型コロナウイルスの影響により、原油安、金高、金利低下(債券高)と、他のアセットクラスは“素直に”リスクオフの動きを示したものの、米国株だけは堅調な動きが続いていたが、2月24日、ついにダウは1031.61ドル、率にして3.6%の下落となった。
18年以降、3%を超える急落となったのは3回目(3期間)であるが、17年のゴルディロックス相場が終わった18年2月5日に4.6%も急落した際は、その3日後の2月8日に、再度4.2%の大きな下落を記録している。また、米国10年債利回りが3.2%を超える水準にまで上昇したことを材料として3.2%の急落を演じた18年10月10日の後も、13営業日でダウは累計で4.5%も下落している。このように、大きな「本震」は「余震」を伴うことから、当面不安定な相場状態が続くことを覚悟しなくてはならない。
米国株が再度浮上するかどうかは、一部のハイテク株の動き次第と考えている。図①は、18年8月末からの累計騰落率ギャップを表している。マイクロソフトは昨年3月以降、アップルも昨年10月以降、累計パフォーマンスでダウを上回って推移したものの、直近、腰折れしていることが分かる。これは、プレジデントデーで米国が休場だった2月17日に、アップルが初めて新型コロナウイルスの影響についてコメントを発表し、「1-3月期の売上が、予想に届かない」と認めたことがキッカケである。それからの下落率は、ダウが4.9%であるのに対して、アップルは8.2%、マイクロソフトは7.8%となっている。今年に入ってからのダウの上昇幅の50%近くが両銘柄の寄与であったことの反動が出た形だ。
2月11日、トランプ大統領はこの2銘柄にグーグル(アルファベット)、アマゾン・ドット・コムを加えた時価総額が1兆ドルを突破した4銘柄を「MAGAと呼ぼう」と訴えた。これは、自らのスローガンである「Make America Great Again」になぞっただけなのだが、市場の“Great Again”も、これら4銘柄にかかっている(2020年2月25日寄稿)。
今月のピックアップ銘柄
福井コンピュータHD 東証1部(9790)
- 33位/3,408社中
- 株価:2,592円
- 最低投資金額:259,200円
- PER:16.7倍
- PBR:4.32倍
- 予想配当利回り:1.54%
(2020年3月6日時点)
測量等CADで高シェアを誇る
建設業向けCADのソフトウェアメーカーとして40年以上の歴史を有し、測量、土木(道路、河川などのインフラ)、ビル、住宅・リフォームの設計・製図を可能とするソフトウェアで知られる。利益率が極めて高く、総合順位は過去最高を更新中。
日本エス・エイチ・エル ジャスダック・スタンダード(4327)
- 37位/3,408社中
- 株価:2,032円
- 最低投資金額:203,200円
- PER:14.1倍
- PBR:2.65倍
- 予想配当利回り:3.54%
(2020年3月6日時点)
適性テストで企業をサポート
英国SHLグループとライセンス契約を結び、適性テスト、職種別適性測定テスト、人事担当研修などを行い、企業の採用、昇進、能力開発、組織開発などにソリューションを提供している。利益率、株主還元が高く、総合順位は安定的に上位を継続している。
「今月のピックアップ銘柄」は「個別株投資は“語れる銘柄”が多い方が有利」の観点から、井上氏が代表を務めるスプリングキャピタル社作成の「経営指標ランキング」から上位社をピックアップしてご紹介するものであり、投資の推奨を行うものではありません。
「経営指標ランキング」は、東証33業種のうち、金融4業種を除いた29業種の銘柄で4期以上有価証券報告書を提出している企業を対象に、四半期毎に全社、および所属業種内ランキングを作成するもので、年度の確定順位は5月基準(例:2019年度確定順位は2020年5月基準)で決まります。経営指標ランキングは企業が発表する決算を基に、「成長性」「資本利益率」「売上高利益率」「健全配当性向」に統計的な処理を行うことにより作成され、10年以上の長きにわたり、ヘッジファンド等に提供されています。また、多くの対象企業のホームページでも公開されています。
※この記事は、FX攻略.com2020年5月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
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