キャンペーンについて考える[中里エリカ]

 FXがスタートして間もなくの2000年ごろ、業者の悩みは二つあった。一つは、FXを日本で誰もが知っている金融商品にするためにどのように育てるのか。もう一つは、一部のFX会社によって作られた「FX=悪いもの」というイメージをどのようにクリーンなものにしていくかであった。

 そのころは、何らかのキャンペーンを通じて口座開設をしていただき、FXの透明性や利便性などを投資家に知ってもらうことが、FXをより身近なものに感じてもらう一つの方法であった。当時在籍していたFX会社では、金融業者としてのイメージを高めつつ、FXという新たな商品に親しんでもらうという観点から、さまざまなイベントやセミナー、キャンペーンといったアイデアを次々に実行に移し投資家へアピールしていた。

 当時、私が提案したのはキャッシュにも変えられるポイント制の導入だ。取引をすることによってポイントが貯まり、そのポイントを使うと現金やグルメなどに交換できるので、FXが身近になる。このアイデアは当時、画期的で多くの口座開設に結びついた。しかし、今はインターネット環境や取引システム、情報量が大きく改善している。加えて、日本の投資家は勉強好きで洗練されており、より狭いスプレッドや有利なスワップポイントを求めている状況にある。

 一方で、相場が動かなければ取引高が減少しFX会社はなかなか利益を得ることができない。それでもインフラを整え、狭いスプレッドを提示し、投資家に振り向いてもらえるようなキャンペーンを続けていく必要がある。FX会社にとってキャンペーンは、お客さまの口座開設を後押しする施策である。キャンペーンをきっかけに口座開設&取引してもらい、自身の投資スタイルに合っているかをお客さまに確かめてほしいという意図がある。

 したがって、投資家の方々にはキャンペーンを比較する以外に、「口座開設前の事前交付書面をよく見る」「会場型セミナーに行って実際にFX会社の社員と話す」「FX会社に電話やメールなどで質問してみる」を試してもらい、その会社との相性を考えて選んでいただきたい。

 キャンペーンは投資家にとって魅力的な要素の一つだが、それと同時に会社の信頼や実績、FXや金融商品に対する考え方、取引ツールの使いやすさなどにも目を向け、長く付き合っていけるFX会社を見極めていく時代になってきているのではないだろうか。

※この記事は、FX攻略.com2020年3月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。

※当コラムは執筆者の個人的見解に基づいて書かれたものであり、証券会社の考えを反映するものではございません。

中里エリカの写真

中里エリカ(なかざとえりか)

セントラル短資FX カスタマー部。大学卒業後、カナダ系銀行やスイス系為替ブローカーで外国為替およびデリバティブのインターバンクでのディーリング業務に従事。勤務していた会社が子会社としてFX会社を設立したのをきっかけに、以来FX取引に携わっている。大手証券会社や外資系証券、外資系FX会社などを経て現職。

公式サイト:セントラル短資FX

YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/user/ctfxmovie

FX力を鍛える有名人コラム | 中里エリカの最新記事
眞壁憲治郎のFX長者列伝<第二章> 第6回
専業FXトレーダーの私が参考にしている情報源[岡ちゃんマン]
止まらないコロナバブル[井口喜雄]
川崎ドルえもん流 時間統計論|第4回 月足予測4月編[川崎ドルえもん]
金融リテラシーが身につく YEN蔵の投資大学(アカデミア)|第4回[YEN蔵]
“需給の鬼”こと井上哲男の相場の潮流〜プロの市場分析ノウハウと注目銘柄が分かる!|第2回
FXの選択型自動売買で考えること[中里エリカ]
株価上昇は本物か、それともコロナバブルか[雨夜恒一郎]
ユーちぇるのトレードフィットネスジム|第1回 損切りを置くから負ける
インヴァスト証券ディーラーのFXコラム ディーラーは見た!ディーラーの仕事内容を紹介[間瀬健介]
外為オンライン・佐藤正和の実戦取引術|3大通貨の未来を予測するテクノ&ファンダ分析【今月のテーマ|値動き反転をドンピシャ当てる「MACD」の取引精度を上げる方法】
淳一のスキャルピング教室|第9回 スキャルピングスタイルの構築と手法①[淳一FX]
商品相場から見る新型コロナウイルス[佐藤りゅうじ]
EA開発のスペシャリストが分かりやすく丁寧に解説!ゼロからはじめる自動売買講座|第11回 EAは長期目線で運用しよう[FX貴族]
これからの外国為替場の行方 第121回(FX攻略.com2020年5月号)[田嶋智太郎]