今やすっかりおなじみとなったFXの自動売買。その中でも、今回は選択型自動売買について考えてみたい。これまで私自身が携わってきた自動売買ツールはいくつかあるが、自分で自動売買のプログラムやインジケーターを作成でき、取引ツールそのものがカスタマイズ可能でチャートツールとして使えるものが多かった。
最近になって、例えばセントラル短資FXの「セントラルミラートレーダー」のような選択型自動売買は「自動売買が初めて」という投資家には良いのではないかと考えるようになった。理由としては、
①ストラテジー(メタトレーダーでいうEA)が既に用意されているので、初期費用がかからず簡単にスタートできる
②複数組み合わせてポートフォリオ運用ができるため、口座をいくつも作らなくても一つのアカウントで運用成績を確認できる
③パソコンの電源を切っている間も稼働しているのでVPS(Virtual Private Server)が不要
などが挙げられる。特に、気軽に始められるところが一番のポイントだと思う。決済を手動でもできる点や、リスク管理のために損失許容額を事前に入力できる点も評価できる。
ただし、ストラテジー自体のパラメーターを自分で変更するなどの最適化はできないため、
①最低一日に一回はポジションを確認する
②バックテストや事前のデモ取引でテストする
③リスク分散のため、相関性の低い通貨ペアやストラテジーを組み込む
④ストラテジーはせいぜい三~五つの自分が管理できる数に収める(ストラテジーの数が多いと、それぞれのパフォーマンスを見極めにくい)
⑤最大連続負け数が増えたり、最大ドローダウンが過去最悪になったりする場合にはストラテジーを入れ替える
といった対応が必要になる。ポートフォリオ運用である以上、長期的運用が基本となるので、短期で利益を出そうとする取引には向いていない。
自動売買には「自動的に売買されてしまって怖い」や「放っておけば利益が出る」といったイメージがあるかもしれないが、どちらも違う。同じような癖を持つストラテジーを入れると、そのときは良くても相場の流れが変わったときに損失が出てしまうかもしれない。自動売買は、ファンダメンタルズで相場が大きく動いているときに利用するより、ボックス圏となっているときの方が使いやすい傾向がある。
そのときの相場状況に合ったストラテジーやポジションを持つようにする。そして、何よりも今の相場が何で動いているかを理解するという基本的な努力なしでは、自動売買でも裁量取引でも利益を出すことは難しい。
※この記事は、FX攻略.com2020年5月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
※当コラムは執筆者の個人的見解に基づいて書かれたものであり、セントラル短資FXの考えを反映するものではございません。
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