トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。
マーケットはリスクオフ一色
トランプ大統領の対中関税発言を受けてマーケットはリスクオフ一色となっており、ドル円も1カ月半ぶりに110円を割れる展開です。注目の米中通商協議は明日9日(木)からワシントンで閣僚級協議が行われ、中国側は劉副首相が対中関税の撤回に向けて交渉に臨みます。しかし、トランプ大統領は、米中通商協議が合意に至らなかった場合、10日(金)に2000億ドルの輸入品に対して対中制裁関税を10%から25%に引き上げると警告しています。関税引き上げの期限までの交渉時間は限られており、予断を許さない状況です。
また、トルコではイスタンブール市長選のやり直しが決まったことで先行きへの不透明感が高まっています。トルコリラ円は18円の大台を割れて今年1月3日のフラッシュクラッシュ後安値を更新するなどトルコ発のリスクオフにも警戒しておきたいところです。
トランプ大統領はどこまで本気なのか
トランプ大統領の対中関税発言がどこまで本気なのか全くわからないだけに、マーケットはどうしても最悪のシナリオを織り込みにいかなくてはなりません。発言後はVIX恐怖指数も急上昇しており、節目の20に接近するなど、リスク資産が安全な通貨に向かいやすく、やはり円高に警戒しておく必要がありそうです。
テクニカルな観点から考えても一目均衡表の雲下限を割れたことで地合いは弱く、あしもとでは3月25日の安値109.71円がターゲットとなるでしょう。仮に同水準を割り込むと節目の109円まで大きなサポートが見当たらないだけに注意しておきましょう。
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