「トレンドに上手に乗ることがFXで利益を得るコツ」とよくいわれますが、そもそもトレンドを把握することができなければスタートラインに立てません。ここでは専業FXトレーダーの岡ちゃんマンさんに、トレンドを見つける方法について教えていただきます。
トレンドを見つけて大きく利益を獲得する
今回は、私がスイングトレードで重要視している「トレンドの見極め方と探し方」をテクニカルとファンダメンタルズの両面から紹介していきたいと思います。
テクニカル分析で使うインジケーターについて
①ベガス式移動平均線
トレンド方向やトレンドの強弱を知ることができます(チャート①)。「ベガス式」とは、ロンドンFXの松崎美子氏が使っている移動平均線の使い方で、詳細は「松崎美子のロンドンFX」で紹介されています。
私はこのベガス式移動平均線を監視用に使っています。長期移動平均線の傾きでトレンド方向を確認でき、短期移動平均線と長期移動平均線の乖離と傾きでトレンドの強さを確認できることから、多数の通貨ペアを監視する際に一目で状況を把握しやすいです。ベガス式のパラメーターは指数平滑移動平均線(EMA)を使用し、12EMA、144EMA、169EMAの3本を使います。
②Madrid Moving Average Ribbon(MMAR)18本の移動平均線
トレンドの強弱を判断します(チャート②)。MMARはエントリーや決済のために分析するときに使います。こちらも移動平均線で、5EMAから90EMAまで5ずつパラメーターを増やしていき、計18本のEMAを並べたものを使います。トレンドが強く出ているときは18本のEMAの間隔が広がり、トレンドが弱まれば18本のEMAの間隔が狭くなります。
③RSI
トレンドの始めと終わりを探るため、RSIのダイバージェンス(逆行現象)を活用しています(チャート③)。2種類の移動平均線とRSIを使い、トレンドの状況を見ていきます。ただ、これらのテクニカル分析はサポート的な役割で、メインはファンダメンタルズ分析です
ファンダメンタルズ分析の四つのポイント
①各国中銀の金融政策
各国の金融政策が「緩和政策」or「引き締め政策」のどちらに向かっているのかを分析します。
◦緩和政策→売り
◦引き締め政策→買い
ここで大事なのが、現状が緩和か引き締めかではなく、将来的にどちらに向かおうとしているかです。
②国の経済状況
国の景気が悪ければ金融政策にも影響しますし、国の信用力にも影響します。
◦景気が悪い→売り
◦景気が良い→買い
購買担当者景気指数(PMI)、国内総生産(GDP)、消費者物価指数(CPI)、雇用統計などの経済指標を基に判断しています。
③政治
最近は政治が相場を動かすことが多く、政治の重要性が高くなっているような気がしています。
◦政権は安定しているのか?
◦政権はどのような方向性を見ているのか?
◦特筆すべき人物がいないか?
政権が不安定な国は、通貨が売られやすい傾向にあります。また、政権が何を考えてどこに向かおうとしているのかも重要です。英国のように「合意なき離脱」に向かう政権であればポンド売りといったように、政権の思惑によって売り買いが決まってきます。さらに、特筆すべき人物がいる場合は注意が必要です。米国のトランプ大統領、トルコのエルドアン大統領、英国のボリス・ジョンソン首相などが良い例で、政権よりも個人の発言力や発信力で相場を動かしてしまう人たちです。その人たちの性格や思惑も合わせて読み解く必要があります。
④その他のリスク要因
戦争やデモ、災害あるいは外交的に問題がないかなどです。例を挙げると香港のデモや、ブレグジット、米中関税戦争などです。リスクがあれば、対象通貨は売られる傾向にあります。例えば、トランプ大統領が中国に対して追加で関税をかけると、中国にとってリスクが大きく、人民元が売られ、さらに中国と経済の結びつきが深い豪ドルも売られます。
以上の四つの観点からファンダメンタルズ分析をして、売られる通貨と買われる通貨のペアを探していきます。初めは難しいと思うので、私のブログ「いにしえ流FXブログ」を参考にしてみてください。このブログでは日々の重要な情報を発信しています。
ファンダメンタルズとテクニカルで優位性を
最後に、中長期のトレンドを把握するにはファンダメンタルズ分析が不可欠です。国(政権)や中央銀行は、自身の思惑に沿うように財政政策や金融政策を実施していきます。なので、中長期的には彼らの思惑にその通貨が向かっていくことが多いです。ファンダメンタルズ分析で通貨の方向性を決め、テクニカル分析でエントリーや押し目、決済ポイント、タイミングを計っていくことが優位性のある手法だと考えています。
※この記事は、FX攻略.com2019年12月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
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