皆さん、こんにちは。トレーダーのボリ平です。今回は私のFX手法「ボリ平ドラゴン式」をバイナリーオプションに応用する方法について解説します。実践トレードは急騰・急落後の逆張りです。
※この記事は、FX攻略.com2016年6月号の記事を再編集したものです
矢澤明美(ボリ平) 氏プロフィール
ボリ平の名称でお馴染みのトレーダー。FXトレーダーならではの投資法でバイナリーオプションを攻略。2013年7月、投資利益を資本金とする株式会社を設立し、専業トレーダーとなる。国内ではバイナリーオプションの第一人者として、バイナリーオプションの正しい投資法についてセミナー活動を多数行っている。趣味は釣り。
■矢澤明美(ボリ平)さんのブログ|3万円からのFX投資生活
FXの手法がバイナリーオプションに使えるわけ
そもそもバイナリーオプション(BO)は目標価格に対して、現在の価格が「上がるか・下がるか?」を予想し、それを提示しているチケット(オプションプレミアム)を購入、判定時刻(満期)に予想通りの結果になれば、ペイアウトが支払われ(利益)、予想が外れたら購入したチケット代金が「0円」になるという投資商品です。
バイナリーオプションで取引される銘柄は、FXのメジャー通貨です。(原資産が同じ。なおIG証券バイナリーのみ株価指数や商品銘柄のバイナリーがある)
バイナリーオプションとFXは「投資判断が同じで、取引方法が違う」と捉えると良いでしょう。
バイナリーオプションの取引時間は約2時間ですが、取引時間内ならいつでも自由にチケットを購入・売却できるので「最長:2時間59分59秒、最短:1分1秒」まで取引可能ということになります。
バイナリーオプションは、FXのデイトレードやスキャルピングと同様に、短期トレードの考え方で投資判断を行い、その際には『FXのチャート』を利用します。ただしこれには一つ注意すべきポイントがあります。
FXとバイナリーの提示価格の違い
FXとの違い① FXは2ウェイプライス
相対取引(あいたいとりひき)のFXの場合、取引手数料を取らない代わりに「売値」と「買値」の二つの価格からなる「2ウェイプライス」になっています(売値と買値の差=スプレッドはFX会社や銘柄によって異なる)。
なお、相対取引とは「店頭取引」ともいわれ、取引所を通さずFX会社と顧客との間で為替売買が行われる取引のこと。相対取引のFXでは2ウェイプライスを同時に提示することによって売買の透明性を向上させています。
FXとの違い② バイナリーオプションは1本値
それに対し、バイナリーオプションのレートは「提示原資産価格」ともいい、為替レートの「中間値:MIDレート」を採用しているため価格は1本しかありません。2本表示のFXと1本表示のバイナリー、二つの違いを取引画面で確認してみましょう(図1参照)。
左:MT4の提示価格は「売り:113.763円・買い:113.771円」
右:同時開催中のFXTFバイトレの提示原資産価格は「113.766円」
バイナリーオプションの投資判断にFXのチャートを用いるときは、微妙に「提示価格が異なる」ことを認識しておきましょう。なお、FXTFはMT4口座があり、バイナリーオプション口座との併用が可能。トレードチャンスによってはFXとBOの同時トレードを行うことが容易です。
FXとの違い③ 利益の出し方が違う
FXの場合「トレード時の売りと買いの価格差」により獲得利益、または損失額が決定されます。それに対しバイナリーオプションは「ある価格に対して上昇または下落を予想する取引」なので、上下の価格差が「わずか0.01円」でも有利であれば取引成功。FXのような値幅は関係ありません。
バイナリーオプションでは、FXのチャートはあくまでもトレンド判断に用い、細かい価格までは重視しません。全体の流れがつかめれば「どんなチャートを使っても構わない」ということになります。
FXとバイナリーの使い分け
もともと『ボリ平ドラゴン式』は、FXのデイトレ・スキャルピングで使う手法です。したがって私の場合、バイナリーオプションで使う場合も「短期集中トレード」が多いです。また、トレンドが長く続く相場では「時間制限のあるバイナリー」よりも、FXで順張りトレードの方が、利益を出せるケースもあります。
バイナリーオプションで短期間に結果を出す方法は「2種類の逆張り」です。
実践① 急騰・急落後の逆張り
経済指標や要人発言など、相場に大きな変化が現れたとき、その「戻り」を狙う方法です。これはFXでもバイナリーオプションでも使えます。特にボリ平ドラゴン式ではドラゴンのアタマ「遅行スパン」がカックンと曲がるので、反転ポイントが見やすいのが特徴です。
実践② レンジ相場での逆張り
この狙いは、「レンジ相場」で頻繁に訪れる逆張りパターンです。FXの場合、トレンドがないと取引しても値幅が取れないので、反転ポイントが分かってもトレードしないことがあります。それに対し、わずかな値幅でも方向性が合っていれば利益になるバイナリーオプションなら、コツコツとしかも短期間に結果を出しやすいという利点があります。
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ボリ平ドラゴン式のチャートを利用したバイナリーオプショントレードの例
図2 FXTF【MT4】「米ドル/円」1分足チャート(14:13)
ボリ平ドラゴン式の1分足チャートでボリンジャーバンドが収束から拡張し、「米ドル/円」が上昇している場面です。
ドラゴンが勢いよく上を向いているときは、このまま様子見。「平均足」が直近高値を超えず、ボリンジャーバンドが+3σから+2σまで下落してきたタイミングでトレード準備を行います。そしてドラゴンのアタマが「カックン!」と下を向き、平均足が陽線から陰線に変わる前にエントリーします。
図3 FXTF【バイトレ】取引画面(14:13)
MT4のチャートを見ながら同タイミングに、バイトレで「米/ドル円」の「LOW」エントリー。受付終了まであと5分という超短期トレードです。チケット購入金額は、ペイアウト1万円コースで「2ロット:7190円」で購入(バイトレはペイアウト1000円コースもある)。
バイナリーオプションのエントリーはFXと違い、目標レートに対して「上か下か」という選択をしてボタンを押すだけ。「利益確定・損切り」の設定をする必要がありません。
図4 FXTF【バイトレ】取引画面(14:17)
バイナリーオプションでのエントリー後、あとは判定時刻(満期)まで何もやることはありません(途中売却を除く)。取引終了(満期)が近くなると、判定価格の予測がつきやすくなります。注文受付終了1分前、購入したチケットのプレミアが上がり10000円になりました(購入時点では7190円)。
このようにチケット価格が10000円になると、取引の途中でも購入終了となります(その後の変動により再購入できることもある)。
図5 FXTF【バイトレ】取引終了画面と【MT4】1分足チャート(14:20)
満期になり取引終了。上の図のMT4は1分足チャートなので、大きく動いたように見えますが、変動幅はわずか5銭。この狭い値幅だとFXの場合、スプレッドも考慮しなければならないので利益を出しにくい。その点バイナリーオプションなら、「上か下か?」の選択なので少しでも有利な価格だったらOK。十分利益が見込めます。
チケット購入 7190円x2枚=14,380円
ペイアウト 20,000円
利益 20,000円-14,380円=5620円
逆張りは無理をしない
相場の急騰・急落に合わせた逆張りエントリーは、いつ元のトレンドに戻るか分かりません。ですから取引時間をなるべく短くし、たとえ途中で相場が反転してもアウトにならないように、満期までの『残存時間』を考慮します。
チケット購入金額も、あえて『高めのチケット=成功しやすい』ものを購入し、無理なく取引を成功させる方法もあります。
経済指標の注意点
経済指標の動意を利用した逆張りトレードも有効ですが、指標結果によっては一時的な変動だけで、すぐに元に戻ってしまうことがあるので要注意です。
図6 FXTF【バイトレ】「ユーロ/米ドル」取引画面と【MT4】「ユーロ/米ドル」1分・5分足チャート(22:15)
バイトレの満期22:20の5分前に「米経済指標:ADP雇用統計」の発表がありました。これにより「ユーロ/米ドル」が急落。この時バイトレの取引画面では「LOW」側のチケット全てが完売。私は「LOW」のポジションを持っていたので、5分後の満期まで楽勝だと思いました。
図7 FXTF【バイトレ】「ユーロ/米ドル」満期と【MT4】チャート(22:20)
しかし、5分の間に急落した「ユーロ/米ドル」が満期の間際に急反発! 危うく目標レートに到達するところでした(到達したらアウト!)。このように指標トレードは、たとえ有利なポジションを持っていたとしても、満期時刻が来るまで気が抜けません。
※2016年4月4日からFXTF【バイトレ】取引画面がバージョンアップしています。
バイナリーオプションの問題点
バイナリーオプションはチャートで今後相場が「上がるか、下がるか?」の投資判断を行います。しかしその読みが当たったとしても、それはいつまでのことなのか? 「満期時刻に到達した地点の判定価格」を予測できなければ利益につながりません。
「途中売却」という方法もありますが、判定時刻前に決済した場合は利益が少なくなります。ですから短期トレードの場合は「損切り」以外で途中売却は使いません。
このようなケースではいつでも利確・損切りできる、“時間制限のないFX”の方が良いときもありますし、「トレードチャンスにバイナリーオプションの取引時間が合わない」という場合もあります。原資産が同じ「FXとバイナリーオプション」は、そのときの相場環境によって賢く使い分けるのが得策です。
次回は、FXでは獲りにくいレンジ相場での逆張りについて解説します。
※この記事は、FX攻略.com2016年6月号の記事を再編集したものです
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取引単位 | 少額取引ができるかどうか。運用資金が少ないなら要チェック。 |
取引ツール | 提供されるPC・スマホ取引ツールの使いやすさ。MT4ができるかどうか。オリジナルの分析ツールの有無。 |
シストレ・自動売買 | 裁量取引とは別に自動売買のサービスがあるかどうか。 |
サポート体制 | サポート内容や対応可能時間の違いをチェック。 |
教育コンテンツ | 配信されるマーケット情報や投資家向けコンテンツの有無。 |
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