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3大通貨の未来を予測するテクノ&ファンダ分析

外為オンライン・佐藤正和の実戦取引術|3大通貨の未来を予測するテクノ&ファンダ分析【今月のテーマ|年末に向け上昇が多発、今年も!?秋の為替相場のアノマリー】

外為オンライン・佐藤正和の実戦取引術|3大通貨の未来を予測するテクノ&ファンダ分析【今月のテーマ|年末に向け上昇が多発、今年も!?秋の為替相場のアノマリー】

新型コロナウイルスの感染拡大は終息するのか、米国大統領に就任するのは誰か、などイベント満載の秋相場がやってきました。例年、年末に向けた為替相場では、9月以降、上昇トレンドが加速する展開が多くなっています。ここ10年近い秋相場の展開を各通貨ペアの過去の値動きをもとに検証。今年のFX取引に役立てましょう。

常識外の「リスクオフの円安」は続くのか?ドル円の歴代秋相場は上昇トレンドが多い! 

 前回の連載では、106円台~110円台でレンジ相場の続くドル円を「上がったら売って、下がったら買う」逆張り戦略について解説しました。確かにドル円は非常に狭い値幅で上下動しているので、その戦略は有効です。しかし、コロナショック以降、従来のドル円の「常識」が大きく変わりつつあるのも事実です。

 日本が世界一の対外債権国だということもあり、従来、ドル円は金融不安や政治危機などリスクが台頭すると売られ、世界経済が順風満帆なときは買われる傾向が非常に強く、「リスクオフ(危機回避)=円高、リスクオン=円安」という図式がかなりの確率で当てはまりました。

 しかし、2~3月に為替市場を襲ったコロナショックでは当初、金融不安によるドル資金ショートの思惑からドルが買われ、「常識外」の1ドル112円台の高値をつけました。その後、米国が欧州からの入国制限に踏み切り、原油価格が暴落した3月には、教科書通りのリスクオフで一時的に1ドル101円台まで円高が進みましたが、それ以降も株価が急落するとリスク回避のドル高が進み、それが対円にも波及する「リスクオフでもドル高円安」という常識外の展開が何度も出現しています。

 では、仮に今後、米国株など世界同時株安が発生した際、その法則に従って、素直にドルを買っていいものか? 私は確信が持てません。リスクオフが急速に高まれば、やはり円が買われ円高が進行するといった従来のイメージを払拭できないからです。

 ドル円の値動きを完全なレンジ相場と割り切れば、「比較的見通しがつきやすい相場展開」と見なすことができます。にもかかわらず、予想が難しいのはそのせいです。

 6~7月にかけて米国で発表された経済データはおおむね市場予想を上回り、それが世界的な株高とドル円の安定、すなわち膠着相場につながってきました。しかし、7月第3週発表の米国失業保険申請件数は130万件と市場予想よりも悪化しており、依然高水準で推移しています。

 経済活動は再開されたものの、労働市場の回復が思ったほど進んでいないことを示す証左と見られます。これらのデータを踏まえ、米連邦準備制度理事会(FRB)メンバーの幾人かは景気の先行きに慎重な見方を示しています。

 一方、2か月半先に迫った11月3日の米大統領選では、トランプ氏再選の可能性は徐々に低下しています。とはいえ、「窮鼠猫を嚙む」という言葉もあります。米大統領選勝利に向け、トランプ氏がどのように最終的な仕掛けを打ってくるか? こちらにも注意を払うべき時期になっていると思います。

 そんな中、為替市場は年末年始に向けて力強いトレンドが出やすい9月の秋相場に突入しようとしています。今年は新型コロナウイルスや米大統領選も控え、波乱の秋になりそうです。そんなときは温故知新。ここ10年間の秋相場の展開を見て、今後の売買戦略の参考にするのがいいでしょう。

チャート①ドル円月足チャート ドル円月足と8月底・9月以降上昇のアノマリー

 チャート①は、2010年からのドル円の月足チャートです。8月から12月の4か月間に赤い帯を敷き、8月終値から12月終値までの変動幅を記録しました。

 チャートを見てもわかるように、アベノミクスが始動した2012年の年末相場以降、ドル円の秋相場は年末に向けて新たな上昇トレンドが生まれることが非常に多くなっています。アベノミクス相場に沸いた2012年、2013年は7円以上も上昇。2014年10月末には黒田日銀の量的緩和策第2弾がビッグサプライズとなり、3か月で15円も上昇しました。2016年は大方の予想に反してトランプ氏が大統領に選出されたことで、14円以上も上昇。米大統領選直後に一瞬101円まで急落したことを考えると、11月から12月のたった2か月で18円近く急騰しました。

「8月にドル円を買って年末に売る」戦略が当たってきたドル円。大波乱の今年は? 

 コロナ渦で一進一退の続くドル円ですが、ワクチン開発や感染拡大の終息、さらに米大統領選の結果次第では、従来型のリスクオンによるドル円上昇が、この秋口から始まる可能性もないとはいえません。

チャート②ドル円週足チャート ドル円週足とトランプ選出以降の秋相場

 チャート②は、トランプ大統領が選出されてからのドル円週足チャート。赤い帯の部分が9~12月の値動きになります。トランプ大統領選出以降のドル円を見ると、ある意味、選出当初の期待感で118円台まで上げた「貯金」を就任後の4年間で使い果たすように、ずるずると下落しています。

 秋相場に注目すると、秋口に上昇に転じたあと、年末年始に急落というパターンがここ4年、ほぼ同じように繰り返されている点は注目しておいたほうがいいでしょう。より詳細に見ると、2017年は9月、10月に上昇したあと年始に急落。2018年は9月上昇後に横ばいで推移したあと、年始を待ちきれず、12月に急落しています。昨年2019年は一貫してジリ高の展開が続きましたが、2~3月のコロナショックで激しく乱高下する展開になりました。

 4年すべてに言えるのは「8月までは下落相場が続き、8月中に大底をつけて9月から反転上昇に転じている」点です。このアノマリーが今年も続くようなら、「8月にドル円を買って、年末に売る」という戦略がかなりの確率で成功しそうに見えます。

 米大統領選挙については、前回トランプ氏が大統領になれば、株もドル円も暴落と思われていたところ、一転、急騰相場になった経緯があります。現状、バイデン氏が大統領になった場合、法人税の引き上げなど株価にとっては不利という予想が出ています。しかし、トランプ氏に比べると対中国でより強硬な姿勢を見せる可能性は少なく、なにより、その行動がまったく予測不能だったトランプ大統領時代を脱することが好感されれば、案外、2016年同様、ドル円が118円越えを目指して急騰する展開がないとも限りません。むろん、秋口になってもコロナ感染症の第2波、第3波が世界を襲い、米国経済が再び低迷する場合はこれまで通りのレンジ相場か急速な円高でしょう。

 ちょうど米大統領選があった2008年9月のリーマンショックのような「破局的な年末相場」になる可能性も否定はできません。すでに世界の実体経済はリーマンショック以上の落ち込みを示しているわけですから、そんな実体を無視して上昇してきた株価の「コロナバブル」が崩壊するなら、教科書通りの1ドル100円前後までの円高も覚悟しないといけないでしょう。

チャート③ユーロ円週足チャート ユーロ円週足と2016年以降の秋相場

 コロナ以前はともにマイナス金利政策で「弱い者比べの通貨ペア」といえたユーロ円はどうでしょうか? チャート③は、②と同じ2016年からのユーロ円週足チャートです。長期的に見て下降トレンドが続くユーロ円ですが、ここ4年間の秋相場は3勝1敗。下落した2018年も、9月は一時的に反転上昇しています。

 2020年のユーロ円は5月に114円台のコロナ後最安値をつけて以降、6月に124円台に達するなど、急速な反転上昇局面にあります。ここ4年の傾向を見ると、その反発上昇が少なくとも9月まで続く可能性は高いのかもしれません。6月の上昇は124円台で推移する200週移動平均線に阻まれましたが、上値に位置する200週線越えを達成すれば、年末に向けて130円近辺まで上昇するかもしれません。

 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない米国に比べ、ユーロ圏はコロナ禍からいち早く立ち直ったように見えます。それが対円でも上昇要因になっているようです。

コロナ禍からいち早く脱却したかに見えるユーロ、豪ドルの強さは続くのか?

チャート④ユーロドル週足チャート ユーロドル週足と2016年以降の秋相場

 チャート④は、FXの本家本元といえるユーロドルの2016年からの週足チャートです。ユーロドルはドル円に比べると、秋相場以外の年始や4月の春相場で大きな値動きが起こることが多く、2016年のトランプ大統領選出によるドル高(=ユーロドル急落)以外は、上昇も下落も比較的落ち着いたものにとどまっています。

 3月に1.06ドル台の安値をつけたユーロドルは、7月中旬に1.14ドル台まで上昇しています。欧州連合(EU)首脳会議における、7500億ユーロ(約91兆円)の復興基金を巡る議論の進展がユーロ買いにつながりました。ドイツを中心に景気が底を打ったと見られる経済データも散見され、底値からは約800ポイントも上昇。月足チャートでも、MACDが上昇傾向を示しています。

 3月初旬のユーロ急騰局面でも抜けなかった1.15ドル近辺が目先の上値メドですが、すでに200週移動平均線を上抜きつつあり、コロナ禍からユーロ経済が世界で最初に回復する状況が鮮明になれば、年末に1.20ドル台乗せもありえます。

 いずれにせよ、今秋の為替市場の一番のテーマは、当然ながら「コロナからの経済回復」です。どの国や地域が新型コロナウイルスをある程度、抑え込み、力強い経済回復を最初に達成するか? それが為替の力関係にも大きな影響を及ぼすのは間違いないところです。

チャート⑤豪ドル円月足チャート 豪ドル円の月足と2012年以降の秋相場

 最後に豪ドル円の2012年からの秋相場の月足の値動き(チャート⑤)を見てみましょう。8月から12月に赤い帯を敷きましたが、この8年間は上昇もしくは横ばいが続き、大きな下落はありません。ドル円同様に、豪ドル円も秋相場は強含む傾向が強く、下降トレンド入りした2015年以降でも、秋相場は横ばいか多少上昇して終わっています。

 新型コロナウイルスの発生源でありながら、いち早く回復に転じた中国経済が本格的に立ち直ってくれば、最悪期にある豪州経済が底打ち反転する支援材料となるでしょう。3月のコロナショックで70円台を一瞬、割り込んだ豪ドル円の回復はユーロ円、ポンド円などに比べると少し弱いです。しかし、9月に強くなるアノマリーから考えると、週足の200週線が位置する80円台ちょうどあたりまで上昇する可能性はあります。

 ドル円、クロス円ともに、秋相場は上昇傾向というのが、過去の値動きから見た「教え」です。当然、今年は「例外」で、新型コロナウイルスの第2波、第3波の襲来や米大統領選の行方次第では、乱高下も予想されます。

 繰り返しになりますが、すべては「コロナ次第」といってもいいかもしれません。しかし、全世界的に見ると感染症の拡大がいまだ増加している中、すでにユーロ円、ボンド円などは底値から、かなり反転上昇しています。そう考えると、「これ以上、悪くならない」というコンセンサスが形成されれば、各国中央銀行による「なりふり構わぬ量的金融緩和策」もあって、世界的な株高とそれにともなう円安トレンドが鮮明になる可能性は高いといえるかもしれません。

 気になる米大統領選は? コロナ蔓延以降は、「殿、ご乱心気味」としか見えないトランプ大統領再選が、果たして株や為替市場にポジティブなものになるのか、それともネガティブに転じるのか。こればかりは蓋を開けてみないとわからない面があります。それが、上昇トレンドが生まれやすい秋相場を不透明にしている一因といえるでしょう。

※この記事は、FX攻略.com2020年10月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。


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