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インヴァスト証券サンドウィッチ間瀬が即解決!気になるFX Q&A|第6回 知ったかぶり卒業宣言シリーズPart3「量的・質的金融緩和」とは? その②

インヴァスト証券サンドウィッチ間瀬が即解決!気になるFX Q&A|第6回 知ったかぶり卒業宣言シリーズPart3「量的・質的金融緩和」とは? その②

ミノリ ここまで日銀の金融政策について教えてもらったけど、そもそも「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」ってどんな政策なの?

間瀬 「イールドカーブ・コントロール」という概念を組み入れた金融政策だよ! まずは前回のおさらいをしよう。日銀の金融政策の目標はなんだったっけ?

ミノリ えーっと、「物価上昇率を安定的に2%を超える水準にすること」だったね!

間瀬 その通り、2%の物価上昇率とは、経済の好循環を促すちょうど良い水準としてグローバルスタンダードとされているものだったね。

ただ、日銀は強力な金融緩和を続けてきたんだけど「2%の物価目標」の達成には至らなかったんだ。その理由は、経済の外的な要因と、日本人の「デフレマインド」を払しょくできなかったことだと考えられているよ。

ミノリ 現在の状況や過去の経験から、「デフレ」が日本人の身に沁みついていて、将来のマインドが明るくなり難いってことだったよね。

間瀬 そうだね。そもそも予想物価上昇率は「①フォワード・ルッキングな期待形成」と「②適合的な期待形成」の二つで決定されるよ。

ざっくり説明すると①は将来に向けての期待値、未来は明るいか?みたいなイメージで良いかな。②は、現状や過去の経験則みたいなものとしておこう。

ミノリ つまり、予想物価上昇率を高めるためには、将来への期待を持ってもらうことと、粘り強く金融緩和を続けることで、人々のデフレマインドを払しょくさせる必要があるということだね。

間瀬 そうだね、そこで日銀は、「オーバーシュート型コミットメント」と、粘り強く金融緩和を続けるための「イールドカーブ・コントロール」を金融政策に導入したよ。これが2020年6月現在まで続く長短金利操作付き量的・質的金融緩和だね。

ミノリ まず、オーバーシュート型コミットメントってなんなの? 

従来の金融政策のイメージ図とオーバーシュート型コミットメントのイメージ図

間瀬 図①の上側を見てね。これは、従来の金融政策のイメージ図だよ。「2%の物価目標を達成すると、金融緩和は終了してしまう」と考える人もいるよね。つまり、金融緩和はゴールしたら終了してしまうという観測、それによってフォワード・ルッキングな期待形成の向上が阻害されてしまうかもしれない。そこで日銀は、金融緩和が早期で終了する観測を抑え込み、人々の期待形成を向上させることを目標に、「2%の物価目標を安定的に超える水準で推移するまで強力な金融緩和を続けますよ」ということをコミットメント(約束)したんだ。それがオーバーシュート型コミットメントで、図の下側がそのイメージだね。

ミノリ なるほど。金融緩和の先行きを示して、人々を安心させるような意味もあるのね。じゃあ、もう一つのイールドカーブ・コントロールってのはなんなの?

間瀬 「イールドカーブ」とは、「利回り曲線」のことを指すよ。図②を見てね。左側は、あるべき姿のイールドカーブだよ。

イールドカーブ

残存期間が短い国債利回りが低く、残存期間の長い国債利回りが高い、それを図にすると、右肩上がりの曲線になるんだ。ただ、日銀の強力な金融緩和により、残存期間の長い超長期国債の利回り低下が顕著に現れて、図の右側のようにイールドカーブがフラット化してしまったんだ。

これで悪影響を被るのが銀行や保険会社などの金融機関だね。銀行は、預金者に支払う預金金利はマイナスにできない反面、貸出金利が過度に低下してしまうと、利ざやが圧縮されてしまうよね。保険会社は、超長期国債で保険金を運用する場合が多いけれど、超長期国債の利回りが低下すると、運用難に陥ってしまう。

ミノリ 経済を活発化させるために金利を下げてるのに、金融機関がつぶれてしまったら経済にもマイナスの影響を与えてしまうよね…。

間瀬 粘り強く長期にわたって金融緩和を続ける必要があると共に、金融機関をつぶすわけにもいかない。

そこで日銀は、短期金利は低位に押さえつけて、長期金利を立たせる。つまりイールドカーブを立たせることを目指して、イールドカーブ・コントロールを金融政策の枠組みに取り入れたんだ。

ミノリ どうやってイールドカーブを立たせるの?

間瀬 まず、短期金利をマイナス0.1%に誘導し10年物国債の金利は0%前後に誘導する。そのようなイールドカーブ形成を促すことで、短期と長期の金利差をある程度担保させて、金融機関の過度な収益悪化を抑制することを期待したんだね。

ミノリ あくまで低金利環境は維持するけど、金融機関の過度な収益悪化を避けるために、日銀が金利をコントロールするってことね!

間瀬 そうだね! だけど金融機関の収益がキツいのは変わらないんだ。

銀行の貸出金利の多くは、長期金利ではなくて10年未満の短期金利、LIBORと呼ばれる金利を基に設定される場合が多くて、長期金利が一定水準で推移しても、短期金利が依然低位であるならば、銀行収益は悪化するからね。

イールドカーブ・コントロールは金融機関の倒れるスピードを「ちょっと緩めた」だけに留まるのかもしれないと個人的には思ってるよ。

ミノリ 長短金利操作付き量的・質的金融緩和のことがよく分かりました! ありがとうサンドウィッチ間瀬!

※この記事は、FX攻略.com2020年9月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。


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