独特の放置スタイルで、淡々とFXトレードを続ける木里ゆうさんに、好きな注文方法としてのOCO注文について語っていただきました。OCO注文を使った最新のトレード手法の解説もあります。
決済を完全自動化兼業に優しい
今回は、私が好きなOCO注文について書いていきたいと思います。OCO注文は、指値注文と逆指値注文を組み合わせた注文方法で、どちらかが有効になれば、もう片方は取り消されます。既に保有しているポジションの決済に使われることが多く、指値(利益確定)と逆指値(損切り)を同時に設定することができます。もちろん利食いになれば損切りになりませんし、損切りになれば利食いにはなりませんよね。
OCO注文にはいくつかメリットがあります。まず一つ目は、一度設定をしたらそれ以降相場を見張っていなくても良いこと。FXの基本中の基本として、新規建てされたポジションは、いつか必ず決済されなければいけません。
そして、決済時にプラス収支なら勝ちトレード、マイナス収支なら負けトレードとなるわけですから、本来ならいつ、いくらで決済するかは重要です。でもこれを自動化してしまうのがOCO注文。希望した価格になれば利食い、ここまでは損失を受け入れようという価格になれば損切りになるので、設定が済めば完全に放置できます。特にずっと相場を見ていられない兼業トレーダー(私もそうです)にとってはありがたい仕組みだと思います。
リスクリワードレシオ完全固定の意味
もう一つのメリットは、リスクリワードレシオが固定されることです。リスクリワードレシオとは、「勝ちトレードの平均÷負けトレードの平均」で計算できる、利益と損失のバランスのこと。例えば、勝つ場合には+100pips、負ける場合には−50pipsのトレードなら、リスクリワードレシオは100÷50で2になります。
リスクリワードレシオは非常に大切で、これと勝率を組み合わせて考えることで、トレードの性質が決まるといえます。というのも、リスクリワードレシオと勝率は、基本的にトレードオフの関係にあり、どちらかが良ければ、もう一方は悪化します。両方とも圧倒的に良いことは、基本的にはありません(両方とも圧倒的に悪いことはあり得ます)。
例えば、リスクリワードレシオが高いものの、勝率が低いトレードは、小さく損切りしながらチャンスで大きく増やすタイプのトレードです。
反対に、リスクリワードレシオが低くて勝率が高ければ、高勝率でコツコツ増やすトレードです。なお、これが極端になると、勝率が良くて少しずつ増やすものの、一度の負けで資産の大半を失ってしまう、コツコツドカンになります。
つまり、リスクリワードレシオと勝率は、常にセットで考えなければいけません。そこで、利食い価格、損切り価格を事前に予約できるOCO注文を駆使することで、その片方を完全に固定できます。勝つ場合の値幅、負ける場合の値幅が自分の決めた通りになるため、リスクリワードレシオが事前に分かった状態で、トレードに取り組めます。
OCO注文が軸の二つの取引手法
私が現在メインで取り組んでいるトレード手法は三種類あるのですが、そのうち二種類の決済はOCO注文におまかせです。
一つ目は「コイントストレード」。通貨ペアはポンド円で、毎日午後の時間帯にコインを投げて(実際はコイントスアプリを使用)、表が出たら買い、裏が出たら売ります。インジケーターはおろか、チャートも見ません。上がるか下がるかは、基本的にランダムであるという考え方に基づいています。
ただしOCO注文を使い、利益確定が+60pips、損切りが−50pipsと、勝つときの値幅が10pipsだけ多くなっています。ですので、勝率が50%ならこの分がプラスになりますよね。
2019年9月30日時点では、148回トレードをして、73勝75敗の+630pipsです。勝率がほぼ50%になっているので、リスクリワードレシオが少しだけ良い分が儲けになっています。
もう一つは、「23時平均足トレード」。こちらはユーロドルでやります。毎日23時に1時間足の平均足を開き、22時の1時間足が21時の平均足に対して反転していたらエントリーします。陰線から陽線なら買い、陽線から陰線なら売り、OCO注文で利食いを+100pips、損切りを−50pipsにします。
こちらはリスクリワードレシオが2もあるため、勝率が50%をある程度下回っても全然OK。現時点で10勝15敗と負け越していますが、+250pipsになっています。
このように、自分が好きな注文方法を中心にしたトレード手法なので、無理なく実行できるのがポイントだと思っています。少ない回数のトレードで一気に資産を増やすのではなく、勝ったり負けたりしながら統計でお金を増やすやり方ですので、長く続けることがとにかく大切。
皆さんも、まずは自分が好きな注文方法をこれと決めた上で、自分だけの手法構築にチャレンジしてみてください。
※この記事は、FX攻略.com2019年12月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
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