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Q15. 債券市場は為替相場と関係あるの?
A. 債券市場と為替市場には密接な関係があります。その関係を理解することで、より深い相場分析が可能となります
債券市場とは
債券市場というと、国債、地方債、政保債、社債などを取引している市場のことを指しますが、一般的に債券市場では国債を中心に取引が行われており、FXのトレードに活用するという意味でも各国が発行する国債に注目してください。
国債は発行する国にもよりますが、国家がつぶれない限り金額が保障されますので安全性がとても高く、銀行預金と同じような性格を持った金融商品になります。ただし安全性の高い商品ですから大きなリターンは見込めません。
例えば、ある国が好景気で債券利回り(金利)が上昇すると、保有する国債を売って他の利回りの高い金融商品に乗り換える動きが出てきます。そのため、債券の価格は下がります。一方、不景気で債券利回り(金利)が下落すると、利回りの低くなった金融商品を売って安全な国債を買う動きが出てきます。そのため、債券の価格は上がります。このように、債券市場は、利回り(金利)の動向によって動いていくというポイントをまずは押さえておきましょう。
債券市場と為替市場の関連性
ここからは債券市場と為替市場の関係性について米国債を例に挙げて深掘りしていきたいと思います。
・米国債利回り(金利)が上昇した場合ドルはどう動くでしょうか?
米国債利回りが上昇しているということは、米国経済が好景気で投資家は積極的になってリスクを選好していきます。その結果、安全な米国債を売って金利の高いドルが買われていきます。
・米国債利回り(金利)が低下した場合ドルはどう動くでしょうか?
米国債利回りが低下しているということは、米国経済が不景気で投資家は消極的になってリスクを回避していきます。その結果、安全な米国債を買って金利の低いドルが売られていきます。
つまり国債は、為替のファンダメンタルズで重要な利回りや景気動向、リスク許容度までを一目で確認することができる優れものなのです。そして、為替市場にとって最も影響力が高い国債が「米国10年債利回り」です。
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米国10年債利回り主導のマーケット
10年債はどこの国でも発行しておりますが、この米国10年債利回りは別格です。全ての金融商品の中で見ても最大級の取引量があり、世界中の資金が集まるため、米国10年債を見れば世界のお金の流れをつかむことができます。
また、米国10年債は米金融政策の先行指標としても使われていることから為替との相関性も高く、モメンタムやリスク許容度を測る上ではとても便利な指標です。実際に今のマーケットを動かしているのは米国10年債利回りだといわれており、その理由は下にある米国10年債とドル円のチャートを見てもらえれば一目瞭然です。
非常に相関性が高いことが分かりますが、このチャートの主導権は米国10年債が握っています。米国10年債が動いた後にドル円がその動きについて行くことが多く、今や為替ディーラーで米国10年債を見ていない人はいないほどです。
債券市場は間違いが少ないからこそ有効なベンチマークに
債券市場の大きな特徴として、銀行や機関投資家などの金融機関が参加するマーケットであることが挙げられます。株やFXと比べると個人投資家の占める割合も低く、取引参加者は金融のプロが多いため、価格にミスリードが発生しにくいともいわれております。つまり、ダマシの少ない信頼できるベンチマークとして為替に利用することができるのです。
また、債券利回りは動き出すときれいなトレンドになりやすい傾向にあり、株や為替でいうポジション調整という値動きがあまりありません。ですから、もし米国10年債利回りが上昇しているにもかかわらずドル円が下落しているのであれば、投機筋の仕掛けやポジション調整が入ったのでは?と為替市場を先に疑った方が良いでしょう。
少し乱暴な言い方をすると、お金の流れは利回り(金利)によって決まります。その利回りによって変動する債券市場を見ることによって、通貨の流れを見通すことができるのです。
※この記事は、FX攻略.com2018年2月号の記事を転載・再編集したものです
第1回:気にした方がいい経済指標は?/FX会社のニュースとの付き合い方は?
第2回:プロトレーダーの取引環境を知りたい!/スマホだけでも勝てますか?
第3回:コツコツドカンの克服方法を教えて!/相場を一瞬で大きく動かすのは誰?
第4回:FXでお勧めの情報源は?/アノマリーをどう思いますか?
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