トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。
トルコリラ大暴落からリスクオフへ
先週末エルドアン大統領がトルコの中央銀行総裁を電撃解任しました。トルコの政策金利である1週間物レポ金利を2%引き上げ19%に利上げしたことに対する反発と思われます。
ここで問題となるのはトルコ中央銀行が独立性のない中央銀行とみなされ、マーケットからの信頼を失うことです。マーケットから見放されれば流動性がなくなり、さらなる急落が起こります。
引き続きエルドアン大統領の行動がマーケットにとって最大のリスクとなります。今後は、エルドアン大統領や新総裁となったカブジュオール氏の考え方を確認することになるのですが、不安定な展開が続くと思いますので注意が必要です。
欧州通貨はPMIを眺めつつ
トルコリラの大暴落がマーケットを冷やす中、ドイツのロックダウン延長の発表があるなど、世界的に株価が調整されリスクオフの展開です。安全通貨のドルと円が買われるため、ドル円の値動きは乏しいですが、ユーロ、ポンドといった欧州通貨や豪ドルなどの資源国通貨の感度は悪くありません。方向感の見えないドル円はひとまず見限って、勢いのある通貨に乗り換えるのも悪くはないでしょう。
特にユーロは、本日、仏独欧英製造業サービス業PMI(速報値)を控えており、さらに動きが出てくれるかもしれません。PMIの結果を見ながらになりますが、悪い数字が出るようなら急所となる1.18ドルを目指す展開でしょう。
期末週末要因も意識しながら
ドル円はパウエルFRB議長とイエレン財務長官の公聴会証言、米5年債入札なども気になるところですが、目新しい情報が出てこなければ107.80円~109.30円のレンジで次のテーマを探る時間帯が続くと予想しています。ただ、期末(レパトリエーション)や月末(リバランス)要因を考えると若干円高を意識する必要があるでしょうか。ややダウンサイドに軸足を置くべきと思われます。
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