阪谷直人

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    2017年6月30日
    1-3月期米実質GDP(確報値)は前期比年率+1.4%[阪谷直人]
    今週発表の米経済指標のうち、注目されていた1-3月期米実質GDP(確報値)は前期比年率+1.4%でした。予想は+1.2%でしたし、改定値の+1.2%からも上方修正されました。改善の要因は、個人消費と輸出が伸びた事です。 2017年1-3期 +1.4% 2016年10-12期 +2.1% 2016年7-9期 +3.5% 2016年4-6期 +1.4% 2016年1-3期 +0.8% 2015年10-12期 +0.9% 2015年7-9期 +2.0% 2015年4-6期 +2.6% 2015年1-3期 +2.0% 2014年10-12期 +2.3% 2014年7-9期 +5.0% 2014年4-6期 +4.0% 今回1-3月期米実質GDPは+1.4%と、2016年4-6期以来の弱いものでしたが、上記の過去の推移を見ればわかる通り、基本常に2.0%前後で成長して来ています。この安定した成長力は、やはり米国経済の力強さ・底硬さです。 しかも統計的な誤謬から、第1四半期は弱い数字が出やすいという傾向があり、2017年度も第2四半期以降は強含むのではないでしょうか。 今年は今後もFRBによる利上げ…
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    2017年6月29日
    テーパー・タントラム(taper tantrum)[阪谷直人]
    テーパー・タントラムとは、中央銀行の金融政策における量的金融緩和縮小テーパリング(tapering)と、かんしゃく(tantrum)を組み合わせた造語です。 2013年5月、それまで量的緩和縮小(テーパリング)の時期に関して言及してこなかった当時のバーナンキFRB議長が、「今後、債券購入のペースを減速する可能性がある」 と発言。市場はFRBが近く市場から資金を引き揚げ、金融引き締めが始まると解釈し、金融市場は大混乱になりました。このバーナンキ・ショックと言われる、量的緩和縮小(テーパリング)に対しての市場のかんしゃく(tantrum)を、テーパー・タントラムといいます。  ドラギECB総裁は27日、「デフレ圧力はリフレに変わった」と述べました。 これを受け市場は、ECBが早くて9月のECB定例理事会で、現在実施している資産購入規模の縮小(テーパリング)に動くとの見方が広がりつつあります。これに対し昨日28日ECBの関係者は、「市場は27日の刺激策に関するドラギECB総裁の発言を誤認している」と市場の暴走を示唆したものの、動き出してしまった市場は一旦持ってしまった疑念・思惑の修正が出来な…
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    2017年6月28日
    ドラギECB総裁発言を受けユーロ上昇[阪谷直人]
    昨日27日でのドラギ総裁発言、「デフレ圧力はリフレに変わった」が想像以上に影響がありました。 ドイツ10年債利回りは、0.24%から0.37%まで0.13%上昇、連れて、ユーロドルは1.1179から、昨年2016年8月以来の1.1349まで上昇。  「ユーロ圏の景気は、回復の強まりと広がりを示している」 「しかしながら、インフレ基調が持続的かつ自律的になるためには、かなりの金融緩和が依然必要だ」 と同時に述べた内容には反応しませんでした。 「リフレ」、これはデフレーションからは抜け出したものの、本格的なインフレーションには達していない状況の事です。 つまり、もはやデフレでは無い、ただ、インフレ率の目標値2%弱は達成されていない、と言っています。 だからドラギ総裁が言うようにそのインフレ率の目標値2%弱を達成する為には、インフレも上向いているものの、依然としてECBの景気支援策が必要である、という事のはずです。  では何故、昨日市場は大きく反応したのでしょう。それは26日のドラギECB総裁の発言で、「成長率が持ち直すまで低金利は低いままである必要」と述べ、ECBの金融政策に対する大規模緩…
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    2017年6月28日
    イエレン議長発言に新味なく[阪谷直人]
    東京時間の2時過ぎ、イエレン議長がロンドンでの講演で、 「段階的な利上げは適切と確信」 「われわれは物価の安定にコミット」 「多くの当局者は低失業率がインフレを押し上げると確信」 等と述べ、これまでの発言と変わりない内容でした。 昨今の弱めの米経済指標が相次ぐ中、本日イエレン議長のこの講演内容には市場が大きく期待をしていたのでそれもタカ派的な発言を期待していた向きがあったので、やや失望した売りが出て、ドル円は一時つけた本日高値112.47から112.10水準へ値を落としています。
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    2017年6月27日
    ドラギECB総裁発言を受け、ユーロ上昇[阪谷直人]
    ポルトガルのシントラで開催中のECBの年次政策フォーラムでドラギ総裁は先程、 「ユーロ圏の景気は、回復の強まりと広がりを示している。」 「デフレ圧力はリフレに変わった。」 「しかしながら、インフレ基調が持続的かつ自律的になるためには、かなりの金融緩和が依然必要だ」 と述べました。 つまり、 【1】 ユーロ圏の経済は安定的な回復のトレンドにあり、 【2】 インフレも上向いているものの、 【3】 依然としてECBの景気支援策が必要である との意味であると判断しますが、なぜかまずドイツ10年債利回りが急上昇し、それに引きずられる格好でユーロドルは一時1.1255までユーロが一段高となっています。 債券は、ユーロ圏の景気回復が強まりと広がりを示し、デフレ圧力はリフレに変わったとのポイントに反応し欧州経済に前向きな発言と解釈したのでしょう。 一方で、欧州株は下げ幅を広げていて、ドラギ総裁は今後もECBの金融緩和策政策の変更には慎重な姿勢を貫くと思われるのでこの後の上値は限定的と見ます。 CME通貨先物ポジションの最新の6月20日時点において6月13日の79053枚ロングから、44852枚ロングへ…
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    2017年6月27日
    米最高裁がトランプ大統領の入国禁止令を部分的に認めました[阪谷直人]
    ドル円は米債券利回りの伸び悩みや原油価格の弱含み、米経済指標が市場予指標想を下回り、上値の重い展開でした。NYダウが上昇する中、売買は依然として実需筋が中心ですが、111台前半でのもみ合い相場から抜け出し、112.00の上抜けを試しています。 1つには、ムニューシン米財務長官が先日、 「年内に税制改革を行い、法人税引き下げなど大規模な税制改革を計画している」 「FRBがバランスシートを縮小するのは正しい方向」 「強いドルは輸出などで不利な面もある一方で、トランプ政権への信任に繋がる」 と述べた事が、トランプ政権がドル高を容認していると市場・投資家を刺激したと見ています。 もう1つには、昨日米連邦最高裁判所が、イスラム圏6カ国からの入国を制限する米大統領令について、一部を執行することを認めるとの判断をした事です。 米最高裁は、10月以降に同大統領令の合憲性を巡る審理の最終判断を下すまで、イスラム圏6カ国から米国を訪れ、米国と強い関係を持たない人たちに対する入国禁止措置の執行を認めるとしました。 トランプ大統領が1月に署名した入国規制の大統領令の執行を、米司法が一部ながらも受け入れる格好と…
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    2017年6月26日
    上院共和党ヘルスケア案の採決に注目[阪谷直人]
    米議会におけるトランプ政権の財政出動策(大規模な税制改革案、インフラ投資、そしてその財源確保としてのオバマケア改正)の採決が、夏休み以降に先送りされる場合、米10年債利回りの低下要因となり、ドル売り圧力となると想定されます。 特に、共和党上院が提示した、「ヘルスケア法案」、正しくは医療保険制度改革(オバマケア)改廃法案の行方に注目です。 共和党のマコネル上院院内総務を中心に作成されたこの上院案は、既に可決済みの下院案と比べ、メディケイド、正しくは低所得者向け公的医療保険制度の対象の縮小を下院案よりも緩やかにしているものの、両案とも同制度での無制限の支給を打ち切るとしている点が特徴です。 トランプ政権にとっては、市場・投資家の期待に応えるためには時間的な余裕は残っていなく、マコネル上院院内総務は上院本会議での採決を今週中に実施したいとし、ホワイトハウスのスパイサー報道官は8月の休会までにオバマケア改廃に決着をつけたいとしています。 しかしこの上院案は、共和党議員2名以上が反対に投じると、可決できないのです。23日トランプ大統領は、共和党保守派4人から支持を得られず、上院通過が危ぶまれる状…
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    2017年6月23日
    安倍内閣の安定性に黄信号で、海外の目が気になります[阪谷直人]
    市場・海外の投資家にとって、本邦「安倍政権の安定性」はある種の安全ブランドになっていて、リスク・オフの際の円買いに繋がっています。 安倍首相は2018年9月に現任期の終了後も、3期目の自民党総裁に選ばれ、日本の首相在任期間の最長記録を更新し、安倍首相個人の悲願・念願とされる日本国憲法の改正を約束通り2020年に手掛けると思われていました。 ところが通常国会が閉会した18日、報道各社の世論調査が安倍内閣の支持率を30%~40%台への大幅な下落と示し、安倍内閣の安定性にほころびが広がり、恐らく安倍首相が3期目も総理を務めるとは思われますが、国会閉会前と比べると、その確率は大きく低下してしまいました。 ちなみに各紙の支持率は、 朝日新聞:41%、5月の前回調査47%から6ポイントダウン 共同通信:44.9%、5月の前回調査55.4%から10.5ポイントダウン 日経新聞:49%、不支持率は42%で5月の前回調査36%から6ポイントアップ 毎日新聞:36%、5月の前回調査46%から10ポイントダウン、不支持率は44%で5月の前回調査35%から9ポイントアップ でした。 この内閣支持率の急落の原因…
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    2017年6月23日
    エリザベス女王の演説のもつ意味は[阪谷直人]
    英議会は21日に開会し、エリザベス女王がメイ首相の施政方針を演説しました。 英国では国家元首である女王陛下が、英議会の開会に際して、閣僚がまとめた政府の施政方針を読み上げる事になっています。 今回この演説の中で、 【1】EU離脱の実現を最優先するとしたものの、 【2】メイ首相の掲げて来た強硬路線、厳しい移民制限、10万人以下に抑えるとしていた移民削減の数値目標はふれられていませんし、 【3】メイ首相の掲げて来たもう1つの強硬路線、EU単一市場や関税同盟からの撤退への言及もありませんでした。 【4】一方で、それに代わる具体的な方策にも言及がありませんでした。 女王陛下は演説で、メイ政権の優先課題は、EU離脱協議を最善の結果に導き、離脱条件において可能な限り幅広い合意を得ることだとしました。 最大多数の合意と賛成にこだわったこの女王陛下のメッセージは、政権維持継続を希望したメイ英首相を、女王陛下が公に認めた事を意味します。その意味ではメイ英首相の希望した通りなのですが、従来の掲げて来たEU単一市場からの撤退や厳しい移民制限という方針に対し転換を余儀なくされた事も意味し、従来の政策目標から大…
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    2017年6月22日
    米ジョージア州下院選共和党勝利が意味すること[阪谷直人]
    2018年の中間選挙に向け、与党・共和党の強さを図るバロメーターとして注目されていた米ジョージア州下院補欠選挙の決選投票で、共和党のハンデル候補が勝利、共和党議席を守りました。 この選挙区は40年近くにわたって共和党が議席を占めてきましたが、ロシアゲート疑惑でトランプ大統領の支持率が低下する中、予想外の接戦となっていました。もともとこの補欠選挙は、前議員がトランプ政権の厚生長官に就任した事に伴う選挙なので、本来であれば大幅な楽勝であってしかるべきものでした。 トランプ大統領が就任後に行われた補欠選挙は、 ●ジョージア州下院補欠選挙(共和党地盤) ●南部サウスカロライナ州下院補欠選挙(共和党地盤) ●カンザス州下院補欠選挙(共和党地盤) ●モンタナ州下院補欠選挙(共和党地盤) で、全て共和党の勝利となっていますが、その意味は大きく、 1.民主党が共和党支持基盤の強い地域では、共和党の地盤を覆せないことを証明した事 2.一方でこれらの共和党地盤の各州はもともと強固な盤石な共和党地盤であったにも関わらず、かなりの僅差にまで追い上げられていて、今後の政局、特に2018年の中間選挙に向け与党・共…