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達人が教えてくれる簡単ではないけれど身に付けば一生モノのスキャルピング技術|第2回 スキャルの上手な始め方[為替鬼]

スキャルピングに関して、断片的な情報があふれ返っている現状を憂慮し、体系的に学べる教科書を作ろう! ということでスタートした当企画。ナビゲーター役の為替鬼さんは、FX界きっての教え上手です。今回は、スキャルピングを始めるにあたって注意すべきポイントについて解説してもらいます。

※この記事は、FX攻略.com2016年9月号の記事を転載・再編集したものです

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スキャルピングのメリットおさらい

第一回目の記事では、FXにおいてスキャルピングとはどのような取引スタイルなのか、そのメリット、デメリットについてご説明しました。

内容をザックリとまとめると、スキャルピングには相場におけるさまざまなエッジ(優位性)があり、わずかな運用資金から始めて大きく増やせる可能性を秘めているということ。そして、トレードチャンスが圧倒的に多く、トレード完結時間がとても短いので、兼業トレーダーにはうってつけの投資手法だと述べました。

さて、今回の記事では、スキャルピングを始めるにあたって、どんな点に注意すれば良いのか、そして効率的に稼ぐにはどうしたら良いのか、このような内容についてお話しさせていただきます。

<スキャルのメリット>

・わずかな資金から始めて大きく増やせる可能性がある
・トレードチャンスが多い
・トレード時間が短い
・兼業トレーダー向き

スキャルピングを行うための前提条件 

皆さんはスキャルピングで勝つために、最も重要なことは何だと思いますか? 売買ロジックの優位性や資金管理でしょうか、それとも使いやすい取引プラットフォームやチャートソフトでしょうか。

もちろんこれらの要素も、軽視できないポイントではありますが、経験上最も重要なのはFX会社のスプレッドやスリッページだと断言できます。

私がスキャルピングを始めたのは10年ほど前にさかのぼりますが、当初はスプレッドが広く、加えて手数料もかかる時代でした。当時は「米ドル/円」のスプレッドが4銭、「ポンド/円」にいたっては8銭程度が一般的で、さらに手数料が往復で数百円かかるという、今からは考えられない取引環境だったのを覚えています。

このようなスプレッド条件の下では、超短期のスキャルピング手法では歯が立たず、デイトレードに近いスキャルピング手法を駆使して、かろうじて利益を残すのが精一杯の状況でした。

その後、2007年頃からFXがちょっとした社会的ブームとなり、FX会社が乱立したことで、スプレッド縮小の競争が激化しました。2008年にはリーマンショックなどの経済危機が発生し、それ以降FXブローカーの淘汰の時代が長く続きましたが、一度狭めたスプレッドを再び広げるのは営業上、簡単なことではありません。

そのおかげもあって、現在のようなスキャルピングには理想的なスプレッド環境が定着したのです。

<スプレッドとスリッページ>

【スプレッド】
買値と売値の価格差のこと。例えば「米ドル/円」の売値が120.55円、買値が120.56円の場合であれば、スプレッドは0.01円(1銭)。これが実質的な手数料となり、値幅が狭いほど取引は有利になります。

【スリッページ】
発注したレートと、約定するレートにずれが生じること。それが自分に有利に働くことも、不利に働くこともあります。FX会社によっては、スリッページの許容範囲を設定する機能があり、対策がとれるようになっています。

スキャルピングに適したFX会社とは

私は毎日100回前後スキャルピングを行っていますが、平均すると月に2000回ほどの取引を行っています。1回の売買ロットは10万~100万通貨程度で、月間のトータルでは数億通貨の取引量になります。

仮にスプレッド1pipの取引を5億通貨取引すると、FX会社にスプレッドを500万円支払う計算になります。これらのスプレッドを支払った上で、利益を出さなければならないので、毎月厳しい戦いを覚悟しなければなりません。別の言い方をすると、私の場合スプレッドが1pip違うだけで、月に数百万円も損益が変わるので、影響を無視できないのです。

また、実際に取引をしてみると分かりますが、FXではエントリーするとスプレッド分の損失からのスタートになるので、スプレッドが広いとそれだけ大きなプレッシャーを受けることになります。ですから、私がスキャルピングを行う前提条件として、スプレッドが一定以上狭いことが絶対に譲れないポイントなのです。

個人的な印象では、「米ドル/円」「ユーロ/米ドル」ならば1pip前後まで、「ユーロ/円」「豪ドル/円」「ポンド/米ドル」ならば2pips前後まで、「ポンド/円」ならば3pips前後までが、スキャルピングで何とか勝てるスプレッド条件といえるのではないでしょうか。

<許容できるスプレッド>

「米ドル/円」「ユーロ/米ドル」…1pip前後
「ユーロ/円」「豪ドル/円」「ポンド/米ドル」…2pips前後
「ポンド/円」…3pips前後

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スリッページにも注意

FXをある程度経験していれば、スリッページという現象にお気付きだと思います。例えば、自分ではプライスボードが110.00を表示しているときにクリックしたつもりなのに、約定履歴を確認してみると110.05で注文が通っていた……などという事例のことです。

これは為替相場が常に変動していて、自分が注文を出してから実際に約定するまでに、プライスが変動するために発生するもので、ある程度は仕方がない現象です。しかしこのような注文価格と約定価格のズレは、スキャルピングでは見逃せないデメリットなので、どの程度の頻度で、どれくらいのスリッページが発生するのかを見極める必要があります。

私の場合、「米ドル/円」ならば0.5pips程度までのスリッページを許容しますが、それを超えて不利に滑るようだと、スキャルピングには使えないと判断せざるを得ません。スキャルピングでは極めて短い時間に、わずか数pipsを狙いにいく取引スタイルなので、スプレッドとスリッページのトータルで経費が安く抑えられるFX会社が望ましいのです。

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スキャルピングに適した通貨ペアとは

FX会社のホームページを見ると、数十種類の通貨ペアを取引できるところが多いようですが、中には100種類以上の通貨ペアを扱うブローカーもあり、その数の多さに驚かされます。

ところでスキャルピングでは、どの通貨ペアを取引するのが効率的でしょうか? これを見極めるポイントは、二つあると思います。まず一つ目は、スプレッドが狭い通貨ペアであることですが、この点は前項でご説明した通りです。

続いて、適当なボラティリティ(為替相場の値動きの変動率)が見込めることが不可欠です。たとえどんなにスプレッドが狭い通貨ペアであっても、値動きが小さすぎるようでは、トレードチャンスが限定的で、利幅を取ることが難しいからです。

逆にいうと、少々スプレッドが広い通貨ペアであっても、それを十分にカバーできるだけの値動きが見込めるのであれば、腕次第で稼げる可能性があるといえます。つまり、スプレッドの狭さとボラティリティの大きさのバランスを考慮して、取引通貨ペアを選択するのが良いと思います。 

以上のことを総合的に判断すると、スキャルピング初心者に最もお勧めの通貨ペアは、「米ドル/円」になります。スプレッドという観点では、大半のFX会社で最も狭い通貨ペアであり、為替市場での流通量が多いので、為替レートが乱高下するリスクが小さいのも初心者向きだと思います。 

まずは「米ドル/円」でのスキャルピングに慣れてから、必要に応じて他通貨ペアも取引していくのが現実的だと思います。

<スキャルに適した通貨ペアは?>

【条件】
1.スプレッドが狭いこと
2.ボラティリティが見込めること

【推奨】
「米ドル/円」

スキャルピングで勝ちやすい時間帯は

スキャルピング初心者にとって最も勝ちやすい相場は、値動きが小さすぎず、大きすぎず、比較的狭い範囲を往来するレンジ相場だと思います。上級者になるにつれて、値動きの荒さ加減に応じて手法を調整して、その時々の相場の波に柔軟に対応できるようになります。

毎日為替相場の値動きを監視していると、一日の相場のボラティリティの増減には、時間帯ごとに顕著なパターンがあることに気が付きます。皆さんも夕方から為替相場が大きく動き出すというイメージをお持ちではないでしょうか。

例えばスキャルピング初心者にお勧めの「米ドル/円」の場合、日本勢が相場に参入してくる午前9時前後からの2時間が、とても大きく変動します。続いて欧州勢が参入してくる午後4時前~8時までの4時間も、そこそこ動く時間帯です。最後に米国勢が参入してくる夜9時過ぎ~深夜1時までの4時間も、ほぼ毎日のように大きく動きます。

つまり日本勢、欧州勢、そして米国勢がそれぞれ為替相場に参入してからの数時間が、スキャルピングのチャンスが多い時間帯となります。ただし上記の時間帯は、純粋にトレードチャ ンスが多くやってくるということで、常に勝ちやすい相場かというと、必ずしもそうではありません。

特に午前9時台と午後11時台は、「米ドル/円」に強いトレンドや値動きの突然の反転が生じやすく、初心者は相場の乱高下に右往左往させられる可能性が高いと思います。したがって、ある程度自信が付くまでは、夕方4時~夜10時の時間帯にスキャルピングを行うのが良いと感じます。

<勝ちやすい時間帯は?>

値動きが小さすぎず、大きすぎず、狭い範囲を往来するレンジ相場が狙い目→日本勢、欧州勢、米国勢が参入してからの数時間がチャンス

為替相場はランダムウォークしているのか

ここまで述べてきたように、スキャルピングには勝ちやすいさまざまな条件が存在します。ただしそれらは文字通り、せいぜい「勝ちやすい」というほどの意味しかなく、実際の取引で勝てるかどうかは、スキャルピングの腕次第であることはいうまでもありません。

私は日常的に為替相場の値動きを分析していますが、分析すればするほど相場の値動きのほとんどが、ランダムウォークしていることを実感します。仮に相場が完全にランダムに変動しているとしたら、どこにも収益機会が存在せず、どんな投資手法を用いても長期的に利益を出すことは不可能なはずです。

しかし世界には何十年とFXで勝ち続けている投資家が、少なからず存在しているのも事実です。このことは、相場の値動きには、ごく稀にランダムではない瞬間が存在し、相場で勝てるかどうかは結局のところ、値動きがランダムでない局面を見付けられるかどうかにかかっているのです。

次回の記事では、値動きがランダムでない局面をどのように見付け収益をあげるのか、具体的なスキャルピング手法をご紹介していきます。

※この記事は、FX攻略.com2016年9月号の記事を転載・再編集したものです

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第2回 スキャルの上手な始め方
第3回 スキャルの基本的な戦略
第4回 逆張りのスキャル手法
第5回 スキャルの実践的テクニック
最終回 スキャル上達の秘訣

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