移動平均線を理解する その3|グランビルの法則[マックス岩本]

みんなが使っているテクニカルだけれど、その真の活用方法をしっかりと理解している人はそう多くない……そんな移動平均線を、テクニカルアナリストのマックス岩本さんに深く掘り下げていただく当企画。今回はグランビルの法則をテーマに、移動平均線と実線の位置関係から売買シグナルを読み取る方法について解説してもらいます。

※この記事は、FX攻略.com2016年11月号の記事を転載・再編集したものです

グランビルの法則とは

前号では、移動平均線の単線分析と題して、具体的な売買シグナルについてお話ししました。今号も引き続き、移動平均線を取り上げ、さらに踏み込んだ部分について解説していきたいと思います。今回取り上げていくのは「グランビルの法則」です。

グランビルの法則とは、今から50年以上前に米国の証券アナリストJ・Eグランビル氏によって提唱された、200日移動平均線と価格の位置関係から売買タイミングやトレンドを捉えていく分析手法です。今でこそ、200というパラメーターが当たり前になりましたが、この頃はとても斬新な値であったのではないでしょうか。

グランビル氏は、200日移動平均線を対象にこの手法を考案されましたが、何も200という値を採用しなければ活用できない手法ではありません。どのパラメーター、どの時間軸であっても基本的な考え方は一緒です。

グランビルの法則における売買シグナルとは

グランビルの法則には、買いと売りそれぞれ四つのパターンがあり、合計八つのパターンから成り立っています(図1、2参照)。どれも移動平均線の特性を生かした売買シグナルではありますが、中には注意すべき点もありますので、一つずつ詳しく解説していきたいと思います。

買いシグナル①

一つ目は買いシグナル①です。これは移動平均線が一定期間にわたって下落した後に横ばいに転じるか、または穏やかながら上昇に転じたときに価格が移動平均線を下から上抜けたときを買いシグナルとするものです。

これが典型的な買いシグナルです。移動平均線が一定期間にわたって下落した後にトレンド転換を示唆するシグナルとなりますので、注目度は高いといえるでしょう。

買いシグナル②

次に買いシグナル②。これは、上昇を続ける移動平均線に対して、価格が一時的に上から下抜けしたときを買いシグナルとします。一見、デッドクロスにも見えますが、この局面では移動平均線が上昇を続けている中で確認されているため、いまだ買いの勢いが強いことを示唆します。

見方を変えれば、このデッドクロスはダマシであり、移動平均線の傾きから再び上昇に転じると予測した上での買いのシグナルになります。ただし、移動平均線を割り込んだことに変わりはなく、そのまま下落してしまうケースもあることから、弱い買いシグナルと理解しておく必要があるでしょう。

買いシグナル③

続いて、買いシグナル③です。これは、価格が上昇基調の移動平均線の上を推移する中、その後、移動平均線に向かって下落したものの、移動平均線を割り込むことなく、再度上昇を始めたときを買いシグナルとするものです。先ほどの買いシグナル㈪と比べると、移動平均線での下値支持を確認した後の押し目買いシグナルとなることから、トレンドの信憑性は高いと捉えることができるでしょう。

買いシグナル④

続いて、買いシグナル④です。これは、価格が下落基調の移動平均線の下で推移する中、さらに移動平均線から大きく下方乖離したときを買いシグナルとするものです。価格の方向性こそ下落トレンドですが、移動平均線には価格が一定以上離れるとその後、価格が移動平均線に向けて戻ってくるという特徴があり、その性質を利用した売買シグナルとなります。

ただし、この売買シグナルは急落局面に対する一時的な戻りを狙うもののため、あくまで下落トレンドの最中で確認される買いシグナルであるということを念頭においておく必要があるでしょう。

また、移動平均線から大きく乖離した局面といっても、通貨ペアや採用する時間軸によって有用な乖離率は異なることから、安易な逆張りは禁物であることはいうまでもなく、しっかりと検証を重ねた上で採用していくことが大切です。

そして、このような価格と移動平均線の特徴からエントリーポイントを見いだそうとするテクニカル指標に、エンベロープというものがあります。乖離率の観点から各通貨ペアの傾向を捉えるには最適なインジケーターになりますので、興味のある方は活用してみてください。

売りシグナルは買いシグナルの反対 

さて、これまで四つの買いシグナルを見てまいりましたが、売りシグナル四つはその反対になります。売りシグナル⑤が典型的であり、売りシグナル⑥は移動平均線の上方突破を根拠としたもの。そして、売りシグナル⑦は戻り売り、売りシグナル⑧は移動平均線からの乖離局面を対象としたものです。

八つのシグナルにはそれぞれに特徴がありますが、パターンとして一面的に捉えるのではなく、そこに至るまでの値動きの経過をイメージすることを忘れてはいけません。

最後に、各売買シグナルが確認されたチャートで特徴をおさらいしつつ、値動きをイメージしながらご覧いただければと思います(図3参照)。 

※この記事は、FX攻略.com2016年11月号の記事を転載・再編集したものです

【移動平均線を理解する[マックス岩本]】
その1|パラメーターの種類について
その2|単線分析について
その3|グランビルの法則

マックス岩本の写真

マックス岩本(まっくすいわもと)

「中卒認定テクニカルアナリスト」という異名の通り、アナリスト業界ではまれに見るノー学歴。学歴社会が色濃く残る昨今でも、そんなことがいっさい関係しないFX市場を相手に日々奮闘中。「誰もが気軽にFXを始められる今だからこそ、しっかり勝ち続けられる技術を身につけて欲しい」という気持ちで、連載やセミナー講師を務めています。

公式サイト:マックス岩本公式サイト

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