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テールリスクがくすぶる米為替報告書[井口喜雄]

トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。

VIX指数が上昇してマーケットに緊張が走るなか、為替もNYダウの顔色を窺う展開です。また、今週中にも発表される米財務省の為替報告書も引き続き材料視されており、アメリカが中国を為替操作国と認定するのかが焦点となっています。

その他、本日からEU首脳会議が始まり、ブレグジット関連のヘッドラインにポンドは乱高下が予想されますので要警戒です。

株価急落の調整局面は終了か

米長期金利上昇や米中貿易戦争、さらには中東情勢も絡んでNYダウは軟調になりやすいものの、米ファンダメンタルに変化があったわけではないため、このまま下降トレンドになるとは考えにくいです。NYダウ上昇トレンドのなか、それなりの調整が入ったと考えれば、このあたりで下げ止まったと考えてもいいでしょう。ドル円にしても一目均衡表雲上限の差し掛かる111円ミドルでしっかりサポートされており、111円台後半でも参加者の買い意欲が高いです。

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テールリスクがくすぶる為替政策報告

とはいえ、米財務省が議会に提出する為替報告書がドル円の上値を重くしています。ポイントはアメリカが中国を為替操作国と認定するのかです。来月のG20で米中首脳会談を検討していることからこのタイミングで中国を為替操作国と認定することはないのではとの声が多いですが、これはトランプ大統領の選挙公約でもあり、可能性はゼロではありませんので楽観視はできません。

また、前週末にムニューシン米財務長官が為替条項に言及したことで日本に対しても為替条項に変更の可能性があります。麻生大臣は「為替に関する議論が行われていない」と発言していますが、こちらも可能性がゼロではないだけに上値はどうしても重くなります。ドル円は明確な方向感出せず111.50円から節目の113.00円あたりでのレンジ相場が続くと予想します。

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