米国の理系学部生における4年での卒業率はとても低い。そのため、卒業式での理系学生の感激は他の学部生以上である。筆者は個人的に、日本も米国のように工学部や理学部の学生は一定水準の基準を満たせなければ留年させるか他学部への転部をさせるべきだと思う。
日本PTA全国協議会は、新型コロナウイルスを契機とした「9月入学」について、学校現場や家庭などに大きな負担を与えると指摘している。しかしながら、グローバル・スタンダードという視点から見れば、9月入学は日本の学生も多くのメリットを共有できるため実施すべきである。英語の入学試験に関しても、「英検」といった世界基準として採用されていない試験は廃止し、「TOEFL」「IELTS」など世界基準として採用されている試験で英語の実力を測定すればいいと思う。
さて、読者の皆さまは「図南鵬翼(となんのほうよく)」という故事成語をご存じであろうか?「極北の海に鯤という巨大な魚が鵬という鳥に化け、大きな翼で羽ばたき九万里もの高さまで空高く舞い上がり、南の果ての空まで行こうとした」という『荘子』の故事に基づくものである。この故事成語の意味は、大きな事業を成そうとする志や計画を意味する。こういうときだからこそ、学生諸君に贈る言葉としてふさわしいと筆者は個人的に思う。
強いドルが新興国の実体経済に及ぼす影響
「ドル高(強いドル)」は、新興国にとって経済的メリットをもたらすことができると信じられてきた。それは、「輸出競争力チャンネル」を通してである。新興国の通貨が下落することは、輸出への競争力が高まることであり、輸出拡大は経済成長をもたらすと考えられていたからである。
果たして、この理論は正しいであろうか? 答えは、NOである。理由は「ドルチャンネル」について考える必要があるからである。ドルチャンネルは、銀行が企業に対して行う「信用供与」を通じて作用する。銀行と企業の資金調達にドル高がどのように作用するか考えてみよう。
2008年のリーマン・クライシス以降、米国以外の銀行のドル建て負債は約13兆ドルである。そのドル建て負債の半分以上が、国境を越えたドル建ての負債(ドルを供給した場所と調達された場所とが異なるもの)と推測されている。
ドル高になることで、銀行は国境を越えたドル建ての負債(銀行貸付)を縮小させなければならなくなる。つまり、ドル高は銀行と企業の資金調達の面から見ると、新興国への投資が減少することを意味する。
また、グローバル・バリュー・チェーン企業(例えば、部品を複数の国で生産し、それらの部品をある場所に集めて製品にする企業)は、ドル高によりドルの流動性が逼迫することで、企業のバランスシートに在庫や売掛金などの負債が生じる。そして、ある国で企業活動全体の停止を余儀なくされた場合、その企業も生産活動の中止を余儀なくされる。
問題は、銀行がドル高によりドル資金を十分に調達できるかどうかである。そのため、中央銀行による「ドルスワップ協定」はグローバル・バリュー・チェーンを維持するために意味がある政策である。新型コロナウイルスの影響により、セキュリティーの観点から自国への生産回帰について議論されているが、ビジネス活動においてグローバル・バリュー・チェーンのメリットは無視できない。
もちろん、新興国は自国からの資金流出(図①)を防ぐために自国の外貨準備高を使い、経済成長を維持する政策も行っている(図②)。こちらも、経済成長を維持する観点からグローバル・バリュー・チェーンを維持するために意味がある政策である。
オイルとドルは逆相関
4月20日、米国市場で原油先物価格がマイナスとなった。理由は、保管場所のない原油を買い手が投げ売りしたからである。日本経済新聞によれば、米中西部のオクラホマ州クッシングにある石油基地では、4月の3週時点で原油の在庫が6000万バレル弱に増えたという。この石油基地の貯蔵能力の上限とされる7600万バレルまで空きはあるが、多くが予約で埋まっていると報道されている(図③)。
国際通貨基金(IMF)による2021年の原油価格の見通しも40ドル以下である。米シェール開発企業は40ドル以下なら大半が赤字になるとされている。しかしながら、ドルスワップ協定によりこれ以上のドル高が進まず、グローバル企業の経済活動が維持され世界経済が回復するなら、ドルは緩やかに弱くなり、原油価格が上昇し40ドル以上になるのではないかと思われる。もちろん、中東産油国、ロシア、米国の間で、さらなる政治的な合意が必要である。
グローバル化が持つ意味とは
1990年代後半からオフショアリングが進み、先進国の輸出製造業は生産工程を新興国にシフトさせた。これは、輸出製造業が新興国の安い賃金を目当てにしただけでなく、ITデジタル革命により国境をまたいでアイデアを移動させるビジネスモデルを確立し、海外で生産管理を行うことを可能にしたからである。世界はつながっている、だから我々はさらなる国際協調によってセキュリティー問題を克服し「経済進化」ができることを忘れてはいけない。
※この記事は、FX攻略.com2020年8月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
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