トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。
月末、期末、年度末フローを意識しながら
本日東京時間の仲値でドル円は月末、期末、年度末要因から実需勢のドル買いが優勢となったほか、ドルショートカバーも散見し110.73円まで上昇しました。仲値トレードとしては教科書通りの展開です。ドル円は仲値後も上値を拡大しており、111円台が視野に入る展開になっています。
そうしたなか、今夜24時にもロンドンフィックスを控えており、月末のドル需要がある一方、月末のリバランスを考えるとドル売りフローも十分考えられます。実需筋や機関投資家、短期勢の思惑が混在しており、大口の駆け込みフローに振らされる展開が予想されます。
材料豊富な1日
月末、期末、年度末フローも注意ですが、そのほかにも本日は欧消費者物価指数(速報値)、米ADP全国雇用者数、米中古住宅販売保留と複数の経済指標が予定されています。特に米ADP全国雇用者数が良い結果となれば、米景気回復期待の高まりから長期金利が再び上昇し一段とドル高が進む可能性が考えられます。
また、今夜はバイデン大統領がインフラ再構築計画を発表する予定もあります。今回の発表内容は経済再建のために総額4兆ドル規模ともいわれており、こちらも米長期金利が上昇しやすい材料と言えるでしょう。加えて米アルケゴスファンドのデフォルトによる影響もいまだ全貌が明らかになっていないだけにヘッドラインには引き続き注意が必要です。
ドルは強気スタンスも、、、
マーケットの材料を整理するとドル円は強気スタンスを維持するべきに思いますが、本日の正午時点で110.90円付近まで上昇しており、ここから上へ突っ込むには少し躊躇してしまいます。中期的なバイホールドであれば賢明にも見えますが、短期であれば111円をブレイクする展開があるならついて行きますが、それ以外は押し目を待ちたいです。また、本日は材料が豊富で動きやすい地合いとなっていますので、突然のボラティリティ上昇に自らのトレードスタイルを崩さないよう注意したいところです。
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