松崎美子

  • 詳細へ
    2015年5月27日
    時限爆弾となってきたギリシャ危機[松崎美子]
    2009年にギリシャ債務危機が発覚してから、早6年。その間、ギリシャ財政を巡る「ギリシャ危機」は、出ては消え出ては消えを繰り返してきました。今年1月のギリシャ総選挙では、金融支援を受け取る交換条件として、欧州側から要求された緊縮財政策を国民に押しつけてきた2大政党が大敗し、その代わりに、反緊縮財政策を支持するSYRIZA党が与党となりました。ここから「2015年版ギリシャ危機」がスタートしてしまったのです。 Xデーは、6月5日 ギリシャ向け第2次金融支援の期限は、昨年12月末に設定されておりましたが、年明け早々に総選挙が待っていたこともあり、何度かの延長を繰り返し、今年6月30日が「本当の最終期限」に決定されました。反緊縮政権の誕生と同時に、交換条件の内容を緊縮度のやや弱いものに変更するため、内容の合意期限を4月末に設定しておりました。しかし、結局何も決定できず、ズルズルと現在に至っています。 連日ギリシャ関連の報道を目にしますので読者の皆さまもご存知でしょうが、ギリシャ政府の資金枯渇問題を受け、5月20日にギリシャ議会のフィリス議長が、「IMF向けの最初の償還金支払いが控えている6月…
  • 詳細へ
    2015年5月20日
    マーケットのテーマを探る[松崎美子]
    今年に入ってからのマーケットの主要テーマは、「アメリカの利上げ時期」、そして、「ギリシャ危機」の2つであったと私は認識しています。しかし、ここ1カ月くらいは、この2大テーマに加え、【原油価格の動向】が、大きく相場を左右するようになりました。 原油価格とドルの関係 2014年6月に高値をつけて以来、下落に下落を重ねてきた原油価格。この原油価格と正反対の動き(逆相関関係)をするドルは、原油の下落に歩調を合わすかのように、上昇につぐ上昇を重ねてきました。 原油データ:米エネルギー情報局(EIA) ホームページ ドル実効レートデータ:米FRBホームページ しかし、今年3月18日に実施された米連邦公開市場委員会(FOMC)で、「利上げ時期後退の可能性」や「ドル高の弊害に関する言及」が飛び出したことを受け、それを嫌気したマーケットでは一気にドル売りが噴出したのです。ドルの動きと逆相関関係にある原油価格は、このFOMCからの発表を受け、下落がピタッと止みジリジリ上昇に転じたのです。 原油価格に影響を与えるのは、ドルの動きだけではありません。やはり、商品価格ですので、一番影響を与えるのは需給の関係です…
  • 詳細へ
    2015年5月13日
    ギリシャ危機とマーケットの反応[松崎美子]
    今週は、月曜日にユーロ圏財務相会合が、火曜日にはEU財務相会合が続けて開催されました。そこでは、またしても「ギリシャ危機」について協議が行われましたが、これといった合意には至らなかった模様です。そもそも2009年にギリシャ債務危機が発覚して以来、マーケットは何度も「ギリシャ危機」に直面し、それなりに対応してきました。そのせいなのかわかりませんが、最近はちょっとやそっとの問題がギリシャで起きても、マーケットは反応しなくなっています。 どうして合意に、これだけ時間がかかるのか? これには数々の意見がありますが、私が考えるには、ギリシャのSYRIZA新政権が国家存続に向けた優先順位を誤ったからではないかと考えています。そこが政治の難しいところなのでしょうが、選挙公約通りに反緊縮政策への転換を優先すべきなのか、何よりもギリシャがユーロ圏に残留することが一番大事なのか、それを考えればおのずと答えは出てくると思います。 以前、著名な投資家であるバフェット氏が、「グループに所属(ユーロ圏)しているのであれば、そのグループのルールを守らなければならない」と発言していますが、本当にその通りだと思います。…
  • 詳細へ
    2015年4月21日
    ユーロ圏財務相会合に向けて[松崎美子]
    今週、金曜日にユーロ圏財務相会合が開催されます。今までにも何度もこの会合は開催されてきましたが、今回は今までとはまったく違った重みをもつ会合となりますので、ご注意ください。 ギリシャ支援延長を左右する4月30日 ギリシャへの金融支援は、本来であれば、昨年12月末で終了するはずでした。しかし、今年1月に前倒しでギリシャ総選挙が実施されることになったため、急遽2カ月延長し、今年2月末まで期日が延びたのです。その後、今年1月に実施された総選挙で急進左派連合(SYRIZA党)政権が誕生し、2月20日に開催されたユーロ圏財務相会合では、支援期限について協議が再開されました。 ギその会合で、ギリシャ新政権が年金改革などを含む構造改革案を提出し、EU/ECB/IMFからなるトロイカの監視を受け入れ、財政均衡に向けた努力をすることと交換条件に、2月末の期日を4カ月延長し、6月末までとすることが決定されています。 ただし、この「4カ月延長」には条件があり、4月30日までにギリシャ政府が提出した改革案内容について、ユーロ圏財務相会合で合意し、その合意した改革案を法案としてギリシャ議会で可決する必要があるの…
  • 詳細へ
    2015年4月15日
    ドラギ総裁、ドヤ顔記者会見か?[松崎美子]
    今週水曜日には、6週間ぶりに欧州中銀(ECB)金融政策会合と、ドラギ総裁定例記者会見が続きます。とくに、政策変更がない理事会となるため、マーケットの注目度が低くなるのかという質問を受けましたが、そんなことはないと思います。 最近のユーロ圏経済 最近になって、世界景気の足を引っ張っているといわれてきたユーロ圏の景気低迷にストップがかかったような兆しが見えはじめています。火曜日に国際通貨基金(IMF)が発表した、半期に一度の世界経済見通し(WEO)のなかでも、2015年のユーロ圏GDP見通しが、1.2%から1.5%まで改善されていました。そうはいっても、昨年からの原油価格下落の影響を受け、ユーロ圏ではデフレ懸念が根強いのは確かですが、最近になって「低インフレは、いったん底打ちしたのかな?」という数字が続いています。 チャート:ECBホームページ 3月31日に発表された3月分ユーロ圏消費者物価指数(HICP)は、予想通りに、前年比で-0.1%となりました。過去の数字を振り返ってみると、2014年12月 -0.2% → 2015年1月 -0.6% → 2月 -0.3% → 3月 -0.1%と、…
  • 詳細へ
    2015年4月6日
    不透明感高まるギリシャ情勢[松崎美子]
    緊張高まるギリシャのデフォルト不安 今月に入ってから、一気に高まってきたのが、ギリシャのデフォルト不安。事の発端は、今年2月末に期限を迎えたギリシャ金融支援について、ギリシャ政府と欧州委員会(EU)/国際通貨基金(IMF) の間で6月末まで4カ月延長したときに始まりました。ギリシャは金融支援金の最終残高である72億ユーロを受け取る条件として、民営化や労働市場や年金制度を含む構造改革の遂行を約束し、それに向けた具体的な改革案を提出し、EU側との交渉にあたっています。 しかし、「反緊縮財政策」を有権者に約束したギリシャ与党:SYRIZA党内部では、選挙公約破りを認めない強硬派の根強い反対もあり、EUとの合意になかなか至らないまま、無駄な月日が流れています。 それでも3月までは、IMFや短期債の償還を問題なく切り抜けてきましたが、ここにきて、財政資金枯渇という噂が流れはじめたのをきっかけにして、ギリシャの債務不履行(デフォルト)懸念や、Grexit(ギリシャのユーロ圏離脱)リスクが台頭してきたのです。 1月末の総選挙で、ユーロ加盟国でははじめての左翼色の強い政党が政権を取った時点で、Grex…
  • 詳細へ
    2015年3月25日
    「ユーロ/米ドル」の戻り[松崎美子]
    昨年秋、米連邦公開市場委員会(FOMC)がテーパリング(量的緩和策の縮小)を終了する頃から、マーケットでは、先進国で唯一利上げ姿勢が鮮明となったアメリカのドルをロングにしてきました。今年に入ってからも、欧州中銀(ECB)がQE策に踏み切ったことを受け、さらにユーロ売り/米ドル買いのポジションが膨らんでいったのは、皆さんもご存知のことでしょう。 しかし、先週実施されたFOMCでは、3カ月に一度の経済見通しで、将来の金利水準予想が大きく低下しただけでなく、イエレン議長が、「強いドルは輸出の伸び悩みの理由のひとつ」と言及したこともあり、市場参加者は、利が乗ったドル買いポジションの手仕舞いに動きました。 今週に入ってからも、ロックハート・アトランタ連銀総裁(ややハト派)、エヴァンス・シカゴ連銀総裁(もっともハト派)や、ブラード・セントルイス連銀総裁(ややタカ派)などが次から次へとドル高の米国景気への影響を懸念する発言をしています。とくに、私が気になったのは、フィッシャー副議長がここからの金融政策に関して、「たぶん年内に利上げをするだろうが、状況次第では、利下げの可能性もある」と語ったことでした…
  • 詳細へ
    2015年3月17日
    量的緩和策導入後のユーロ[松崎美子]
    今年1月の欧州中銀(ECB) 金融政策会合で国債購入を含む量的緩和策(PSPP)が発表されました。そして、先週月曜日の3月9日から、実際にECBと加盟各国の中央銀行が国債購入を実行に移しました。ブルーンバーグなどの報道を読む限り、初日の9日には、ベルギー・ドイツ・フランス・イタリア、そして、スペイン5カ国の10年物国債が購入されたようです。個々の取引規模は、せいぜい1500万〜5000万ユーロと推測されていました。 PSPPの規模 ECBの量的緩和策は、2つに分類されており、合計して月額600億ユーロの購入を、少なくとも2016年9月まで継続することになっています。2つに分類された最初のカテゴリーは、「資産担保証券(ABS)とカバードボンドの購入」となっており、600億ユーロのうちの100億ユーロ分が、毎月購入されます。2つめのカテゴリーが「国債と機関債の購入」となっており、600億ユーロのうちの500億ユーロが充てられます。この500億ユーロの12%に当たる60億ユーロは、機関債の購入となり、差し引き440億ユーロが純粋な国債購入額となります。 1カ月を20営業日として、440億ユー…
  • 詳細へ
    2015年3月4日
    欧州中銀(ECB)理事会の見所[松崎美子]
    3月5日(木曜日)に、今年に入って2回目のECB金融政策会合が開催され、ドラギ総裁の定例記者会見が実施されます。昨年までは、毎月開催されていた理事会ですが、今年に入ってからは6週間に一度となったためか、今まで以上に毎回の理事会への注目度が高まったように、私は感じます。 1月の理事会を振り返る 1月の理事会では、国債購入を含む量的緩和策(QE)が発表されました。主な内容は… 3月の理事会・ドラギ総裁記者会見での注意点 1月のQE発表を受け、今月の理事会では、QEの詳細について不透明な部分について、ECB理事達やドラギ総裁が、どのような言葉で説明してくれるのか? が焦点となりそうです。 QEのスタート時期 3月からQEが開始されることはわかっていますが、実際に「どの日」からスタートされるのかがわかりません。この疑問について、最近クーレECB理事は、「購入は、3月の最初の2週間の間に開始される」と述べています。 たぶん、5日の理事会前にはスタートしないでしょうから、早ければ、翌日の3月6日、マーケットの予想が一番高くなっているのが、来週月曜日である3月9日です。 マイナス金利の国債も購入対象…
  • 詳細へ
    2015年2月24日
    ギリシャ支援期限4ヶ月延長[松崎美子]
    1週間に3回もユーロ圏の財務相達が集まり、協議に協議を重ねたギリシャ支援期限延長問題。今回のギリシャを巡る欧州側とギリシャ側の攻防には目を見張るものがありましたが、先週金曜日には、とうとう【ギリシャ支援、4カ月延長へ】というヘッドラインが流れ、「おや!ギリシャの勝利なの?」と思わせる瞬間がありました。しかし、内容を調べるとまったく見当違いの第一印象でした。 最初に折れたのは、ギリシャ ギリシャ問題の解決の目処がつかなくなってきた先月末くらいから、ギリシャの銀行からは、毎日3億ユーロくらいの預金引き落としがあったそうです。週にして、10億ユーロくらいですね。しかし、Grexit(ギリシャのユーロ圏離脱)の可能性が高まるにつれ、先週金曜日には、一日で10億ユーロの預金引き出しとなってしまったようです。欧州中銀(ECB)はギリシャに対し、密かに「資本規制を敷くことを薦める」という伝言を送っていたといわれていますが、それだけはどうしても避けたいツィプラス首相は、やむを得ず、期限延長に合意するよう、ファルファキス財務相に伝えたようです。 今週が最初の山場 今回の「4カ月延長」に関しては、いくつか…