松崎美子

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    2015年4月21日
    ユーロ圏財務相会合に向けて[松崎美子]
    今週、金曜日にユーロ圏財務相会合が開催されます。今までにも何度もこの会合は開催されてきましたが、今回は今までとはまったく違った重みをもつ会合となりますので、ご注意ください。 ギリシャ支援延長を左右する4月30日 ギリシャへの金融支援は、本来であれば、昨年12月末で終了するはずでした。しかし、今年1月に前倒しでギリシャ総選挙が実施されることになったため、急遽2カ月延長し、今年2月末まで期日が延びたのです。その後、今年1月に実施された総選挙で急進左派連合(SYRIZA党)政権が誕生し、2月20日に開催されたユーロ圏財務相会合では、支援期限について協議が再開されました。 ギその会合で、ギリシャ新政権が年金改革などを含む構造改革案を提出し、EU/ECB/IMFからなるトロイカの監視を受け入れ、財政均衡に向けた努力をすることと交換条件に、2月末の期日を4カ月延長し、6月末までとすることが決定されています。 ただし、この「4カ月延長」には条件があり、4月30日までにギリシャ政府が提出した改革案内容について、ユーロ圏財務相会合で合意し、その合意した改革案を法案としてギリシャ議会で可決する必要があるの…
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    2015年4月15日
    ドラギ総裁、ドヤ顔記者会見か?[松崎美子]
    今週水曜日には、6週間ぶりに欧州中銀(ECB)金融政策会合と、ドラギ総裁定例記者会見が続きます。とくに、政策変更がない理事会となるため、マーケットの注目度が低くなるのかという質問を受けましたが、そんなことはないと思います。 最近のユーロ圏経済 最近になって、世界景気の足を引っ張っているといわれてきたユーロ圏の景気低迷にストップがかかったような兆しが見えはじめています。火曜日に国際通貨基金(IMF)が発表した、半期に一度の世界経済見通し(WEO)のなかでも、2015年のユーロ圏GDP見通しが、1.2%から1.5%まで改善されていました。そうはいっても、昨年からの原油価格下落の影響を受け、ユーロ圏ではデフレ懸念が根強いのは確かですが、最近になって「低インフレは、いったん底打ちしたのかな?」という数字が続いています。 チャート:ECBホームページ 3月31日に発表された3月分ユーロ圏消費者物価指数(HICP)は、予想通りに、前年比で-0.1%となりました。過去の数字を振り返ってみると、2014年12月 -0.2% → 2015年1月 -0.6% → 2月 -0.3% → 3月 -0.1%と、…
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    2015年4月6日
    不透明感高まるギリシャ情勢[松崎美子]
    緊張高まるギリシャのデフォルト不安 今月に入ってから、一気に高まってきたのが、ギリシャのデフォルト不安。事の発端は、今年2月末に期限を迎えたギリシャ金融支援について、ギリシャ政府と欧州委員会(EU)/国際通貨基金(IMF) の間で6月末まで4カ月延長したときに始まりました。ギリシャは金融支援金の最終残高である72億ユーロを受け取る条件として、民営化や労働市場や年金制度を含む構造改革の遂行を約束し、それに向けた具体的な改革案を提出し、EU側との交渉にあたっています。 しかし、「反緊縮財政策」を有権者に約束したギリシャ与党:SYRIZA党内部では、選挙公約破りを認めない強硬派の根強い反対もあり、EUとの合意になかなか至らないまま、無駄な月日が流れています。 それでも3月までは、IMFや短期債の償還を問題なく切り抜けてきましたが、ここにきて、財政資金枯渇という噂が流れはじめたのをきっかけにして、ギリシャの債務不履行(デフォルト)懸念や、Grexit(ギリシャのユーロ圏離脱)リスクが台頭してきたのです。 1月末の総選挙で、ユーロ加盟国でははじめての左翼色の強い政党が政権を取った時点で、Grex…
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    2015年3月25日
    「ユーロ/米ドル」の戻り[松崎美子]
    昨年秋、米連邦公開市場委員会(FOMC)がテーパリング(量的緩和策の縮小)を終了する頃から、マーケットでは、先進国で唯一利上げ姿勢が鮮明となったアメリカのドルをロングにしてきました。今年に入ってからも、欧州中銀(ECB)がQE策に踏み切ったことを受け、さらにユーロ売り/米ドル買いのポジションが膨らんでいったのは、皆さんもご存知のことでしょう。 しかし、先週実施されたFOMCでは、3カ月に一度の経済見通しで、将来の金利水準予想が大きく低下しただけでなく、イエレン議長が、「強いドルは輸出の伸び悩みの理由のひとつ」と言及したこともあり、市場参加者は、利が乗ったドル買いポジションの手仕舞いに動きました。 今週に入ってからも、ロックハート・アトランタ連銀総裁(ややハト派)、エヴァンス・シカゴ連銀総裁(もっともハト派)や、ブラード・セントルイス連銀総裁(ややタカ派)などが次から次へとドル高の米国景気への影響を懸念する発言をしています。とくに、私が気になったのは、フィッシャー副議長がここからの金融政策に関して、「たぶん年内に利上げをするだろうが、状況次第では、利下げの可能性もある」と語ったことでした…
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    2015年3月17日
    量的緩和策導入後のユーロ[松崎美子]
    今年1月の欧州中銀(ECB) 金融政策会合で国債購入を含む量的緩和策(PSPP)が発表されました。そして、先週月曜日の3月9日から、実際にECBと加盟各国の中央銀行が国債購入を実行に移しました。ブルーンバーグなどの報道を読む限り、初日の9日には、ベルギー・ドイツ・フランス・イタリア、そして、スペイン5カ国の10年物国債が購入されたようです。個々の取引規模は、せいぜい1500万〜5000万ユーロと推測されていました。 PSPPの規模 ECBの量的緩和策は、2つに分類されており、合計して月額600億ユーロの購入を、少なくとも2016年9月まで継続することになっています。2つに分類された最初のカテゴリーは、「資産担保証券(ABS)とカバードボンドの購入」となっており、600億ユーロのうちの100億ユーロ分が、毎月購入されます。2つめのカテゴリーが「国債と機関債の購入」となっており、600億ユーロのうちの500億ユーロが充てられます。この500億ユーロの12%に当たる60億ユーロは、機関債の購入となり、差し引き440億ユーロが純粋な国債購入額となります。 1カ月を20営業日として、440億ユー…
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    2015年3月4日
    欧州中銀(ECB)理事会の見所[松崎美子]
    3月5日(木曜日)に、今年に入って2回目のECB金融政策会合が開催され、ドラギ総裁の定例記者会見が実施されます。昨年までは、毎月開催されていた理事会ですが、今年に入ってからは6週間に一度となったためか、今まで以上に毎回の理事会への注目度が高まったように、私は感じます。 1月の理事会を振り返る 1月の理事会では、国債購入を含む量的緩和策(QE)が発表されました。主な内容は… 3月の理事会・ドラギ総裁記者会見での注意点 1月のQE発表を受け、今月の理事会では、QEの詳細について不透明な部分について、ECB理事達やドラギ総裁が、どのような言葉で説明してくれるのか? が焦点となりそうです。 QEのスタート時期 3月からQEが開始されることはわかっていますが、実際に「どの日」からスタートされるのかがわかりません。この疑問について、最近クーレECB理事は、「購入は、3月の最初の2週間の間に開始される」と述べています。 たぶん、5日の理事会前にはスタートしないでしょうから、早ければ、翌日の3月6日、マーケットの予想が一番高くなっているのが、来週月曜日である3月9日です。 マイナス金利の国債も購入対象…
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    2015年2月24日
    ギリシャ支援期限4ヶ月延長[松崎美子]
    1週間に3回もユーロ圏の財務相達が集まり、協議に協議を重ねたギリシャ支援期限延長問題。今回のギリシャを巡る欧州側とギリシャ側の攻防には目を見張るものがありましたが、先週金曜日には、とうとう【ギリシャ支援、4カ月延長へ】というヘッドラインが流れ、「おや!ギリシャの勝利なの?」と思わせる瞬間がありました。しかし、内容を調べるとまったく見当違いの第一印象でした。 最初に折れたのは、ギリシャ ギリシャ問題の解決の目処がつかなくなってきた先月末くらいから、ギリシャの銀行からは、毎日3億ユーロくらいの預金引き落としがあったそうです。週にして、10億ユーロくらいですね。しかし、Grexit(ギリシャのユーロ圏離脱)の可能性が高まるにつれ、先週金曜日には、一日で10億ユーロの預金引き出しとなってしまったようです。欧州中銀(ECB)はギリシャに対し、密かに「資本規制を敷くことを薦める」という伝言を送っていたといわれていますが、それだけはどうしても避けたいツィプラス首相は、やむを得ず、期限延長に合意するよう、ファルファキス財務相に伝えたようです。 今週が最初の山場 今回の「4カ月延長」に関しては、いくつか…
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    2015年2月12日
    英中銀四半期インフレーション・レポート予想[松崎美子]
    今週木曜日(ロンドン時間午前10時30分から、日本時間19時30分)には、今年はじめての英中銀・四半期インフレーション・レポート(Quarterly Inflation Rreport 以下、QIR)が発表されます。物価の安定を責務として金融政策の運営をしている英国中央銀行は、四半期ごとに発表するQIRを通して、国民に英国経済の現状や、ここからの金融政策の方向性、変更のタイミングなどを説明する非常に大事なイベントであることは、ここで説明するまでもありません。 事前予想 通常、QIRが発表される前に、報道各社や銀行などが事前予想を発表するのですが、今回に限っては、全くといってよいほど、どこも予想を出していません。それもそのはず、現在の英国経済は、良いと思う人、あまり芳しくないと感じている人、それぞれの立場により、全く違ってみえるそんな踊り場状態にあると私は感じています。ここでは、私なりの意見を書いてみましょう。 良いと思う点→利上げ時期の前倒し要因 ・原油安による減税効果 2014年11月に発表されたQIRの中で、英中銀は「最近の原油安は、英国の消費者にとっては減税効果となる」と解説し、…
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    2015年2月4日
    ギリシャ債務に関する「ここからの注意点」[松崎美子]
    ギリシャ財務相からの提案 ギリシャ新政権誕生から1週間が過ぎ、予想以上に早いスピードで、ギリシャ債務に関する情報が飛び交っています。 英FT紙のインタビュー ギリシャのファルファキス財務相は、週末日曜日にフランス、月曜日には英国・ロンドン、そして、火曜日にイタリアへ飛びました。フランス、イタリアでは、それぞれの財務相と会談し、今後のギリシャ債務問題に対して理解を求めるに終わったのですが、ロンドンではかなり大勢の人たちに逢い、インタビューにも応じるというタイト・スケジュールをこなしています。そのなかでもとくに、マーケットに衝撃を与えたのが、英FT紙とのインタビューでした。ここで、同財務は、ギリシャ債務に関する交換案を提示したのです。 債務交換案 総選挙に向けた選挙公約で、「ギリシャの既存債務の棒引き」を約束していたSYRIZA党。しかし、ファルファキス財務相がFT紙のインタビューで答えた内容には、債権者との対立解消を優先したのか、【踏み倒し/棒引き】の文字はありませんでした。その代わり、既存債務の扱い方に関して、交換案を発表しています。 1)名目経済成長率に連動する債券 過去4年に渡り金…
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    2015年1月28日
    ギリシャ新政権の誕生から予想されるシナリオ[松崎美子]
    ギリシャ・左翼政権の誕生 ギリシャ総選挙の結果、欧州でははじめて「左翼」に属する急進左派連合(SYRIZA党)が第一党となりました。同党はギリシャ議会での絶対過半数まで、わずか2議席という高い得票率を得ましたが、驚いたことに、連立相手として政治的思想としては正反対の中道右派に属する「独立ギリシャ人党」を選んだのです。 両党の政策で共通している点は、【反緊縮】。しかし、それ以外の政治思想には、共通するものがありません。そのため、果たしてこの連立政権がいつまで持つのか? すでに疑問視する声も挙がっているようです。ただし、見方によってはこれだけ政治的立場が正反対の政党同士が連立を組むと決めたからには、【反緊縮】姿勢を徹底的に貫くという意思の表示とも受け取れるでしょう。 SYRIZA新政権 ギリシャに対する2,400億ユーロ規模の金融支援の合意期限が、2月28日に迫っています。新内閣信任が確認されるとすぐに、IMF/EU/ECBからなるトロイカ調査団と、ギリシャ新政府との交渉がスタートしますが、前途多難であることは容易に想像がつきます。ギリシャに対する支援条件は、アイルランドやポルトガルのとき…