松崎美子

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    2015年2月12日
    英中銀四半期インフレーション・レポート予想[松崎美子]
    今週木曜日(ロンドン時間午前10時30分から、日本時間19時30分)には、今年はじめての英中銀・四半期インフレーション・レポート(Quarterly Inflation Rreport 以下、QIR)が発表されます。物価の安定を責務として金融政策の運営をしている英国中央銀行は、四半期ごとに発表するQIRを通して、国民に英国経済の現状や、ここからの金融政策の方向性、変更のタイミングなどを説明する非常に大事なイベントであることは、ここで説明するまでもありません。 事前予想 通常、QIRが発表される前に、報道各社や銀行などが事前予想を発表するのですが、今回に限っては、全くといってよいほど、どこも予想を出していません。それもそのはず、現在の英国経済は、良いと思う人、あまり芳しくないと感じている人、それぞれの立場により、全く違ってみえるそんな踊り場状態にあると私は感じています。ここでは、私なりの意見を書いてみましょう。 良いと思う点→利上げ時期の前倒し要因 ・原油安による減税効果 2014年11月に発表されたQIRの中で、英中銀は「最近の原油安は、英国の消費者にとっては減税効果となる」と解説し、…
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    2015年2月4日
    ギリシャ債務に関する「ここからの注意点」[松崎美子]
    ギリシャ財務相からの提案 ギリシャ新政権誕生から1週間が過ぎ、予想以上に早いスピードで、ギリシャ債務に関する情報が飛び交っています。 英FT紙のインタビュー ギリシャのファルファキス財務相は、週末日曜日にフランス、月曜日には英国・ロンドン、そして、火曜日にイタリアへ飛びました。フランス、イタリアでは、それぞれの財務相と会談し、今後のギリシャ債務問題に対して理解を求めるに終わったのですが、ロンドンではかなり大勢の人たちに逢い、インタビューにも応じるというタイト・スケジュールをこなしています。そのなかでもとくに、マーケットに衝撃を与えたのが、英FT紙とのインタビューでした。ここで、同財務は、ギリシャ債務に関する交換案を提示したのです。 債務交換案 総選挙に向けた選挙公約で、「ギリシャの既存債務の棒引き」を約束していたSYRIZA党。しかし、ファルファキス財務相がFT紙のインタビューで答えた内容には、債権者との対立解消を優先したのか、【踏み倒し/棒引き】の文字はありませんでした。その代わり、既存債務の扱い方に関して、交換案を発表しています。 1)名目経済成長率に連動する債券 過去4年に渡り金…
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    2015年1月28日
    ギリシャ新政権の誕生から予想されるシナリオ[松崎美子]
    ギリシャ・左翼政権の誕生 ギリシャ総選挙の結果、欧州でははじめて「左翼」に属する急進左派連合(SYRIZA党)が第一党となりました。同党はギリシャ議会での絶対過半数まで、わずか2議席という高い得票率を得ましたが、驚いたことに、連立相手として政治的思想としては正反対の中道右派に属する「独立ギリシャ人党」を選んだのです。 両党の政策で共通している点は、【反緊縮】。しかし、それ以外の政治思想には、共通するものがありません。そのため、果たしてこの連立政権がいつまで持つのか? すでに疑問視する声も挙がっているようです。ただし、見方によってはこれだけ政治的立場が正反対の政党同士が連立を組むと決めたからには、【反緊縮】姿勢を徹底的に貫くという意思の表示とも受け取れるでしょう。 SYRIZA新政権 ギリシャに対する2,400億ユーロ規模の金融支援の合意期限が、2月28日に迫っています。新内閣信任が確認されるとすぐに、IMF/EU/ECBからなるトロイカ調査団と、ギリシャ新政府との交渉がスタートしますが、前途多難であることは容易に想像がつきます。ギリシャに対する支援条件は、アイルランドやポルトガルのとき…
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    2015年1月15日
    【徹底解説】イタリア大統領選挙[松崎美子]
    ギリシャに続き、今度はイタリア!! 欧州連合(EU)では、加盟国が持ち回りで、半年間に渡り議長国を勤めます。昨年後半の議長国はイタリア。そのイタリアが、今年1月13日で議長国の任務を終了しました。翌日、1月14日早朝、ナポリターノ大統領が正式に辞任発表したことを受け、ギリシャに続き、今度はイタリアで大統領選が始まります。ここでは、イタリア大統領選について、知っている限りのことを書いてみたいと思います。 イタリア大統領選の仕組み まず最初に、イタリアの大統領はどのようにして選ばれるのか?それについて説明しましょう。 ・投票資格は、議会の上下両院議員に加え、各州代表者3名(ヴァッレ・ダオスタ州のみ1名)の合計:1,009人に与えられる ・第1回目から3回目までは、議決定数は、合計人数の3分の2(673票)以上が必要 ・第4回目からは、過半数(505票)以上となる ・秘密投票であるため、議長の前に設置された投票箱に自分の手で投票用紙を入れる ・投票順序は慣習に基づき、上院⇒下院⇒州代表の順 つまり、ギリシャの時のように、投票回数に制限がありません。とにかく過半数に達するまで、延々と投票が続き…
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    2015年1月7日
    「ユーロ安相場」に考える「スイス・フラン」取引を解説[松崎美子]
    私のスイス・フラン取引の考え方 皆様、新年明けましておめでとうございます。本年も一緒にマーケットについて、勉強していきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。 2014年のマーケット・テーマが「円売り」だったとすると、今年は「ユーロ売り」が主役に躍り出てきたと言えるでしょう。早ければ1月22日に実施される今年最初の欧州中銀(ECB)理事会で、国債購入を含んだ量的緩和策(QE)が発表される可能性も出てきており、全く余談を許さない状況となっています。しかし、私はこの「ユーロ安」という相場を考えるとき、必ずスイス・フランをセットとして考えています。本日のコラムでは、日本ではあまり取引回数が多くない≪ドル/スイス≫、私はどういう風に取引しているのか?について、書いてみましょう。 ユーロ/スイス フロアー制を徹底的に使いこなす 昨年ユーロ/スイスについて、このコラムでも記事を書きましたが、スイス国立銀行(中銀)は、2011年9月に、スイス高回避の目的で、対ユーロでのスイス・フランの上限(フロアー)を、1.2000に設定しました。 このニュースは、日本の個人投資家さんの間でも、よく知られている…
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    2014年12月16日
    ギリシャ総選挙の仕組みと為替への影響[松崎美子]
    ギリシャ前倒し総選挙、1回目投票迫る! 日本では衆議院総選挙が無事終了しましたが、私が住むヨーロッパのギリシャでは、現サマラス政権が、政治生命を賭けた大統領選挙を前倒し実施すると発表しました。本来であれば、アイルランドやポルトガルに続き、EU/IMF/ECBからの金融支援から卒業し、自力で財政運営をする時期に来ていたギリシャ。 しかし、これ以上の緊縮財政策の導入に首を縦に振らない野党側の反対に押し切られた現政権は、今年12月31日の支援終了に向けた財政政策内容の合意にたどり着けませんでした。それを受け、これ以上の財政の空白はユーロ圏での存続に危険信号を灯すと判断したサマラス首相は、来年2月に予定されていた大統領選挙を前倒しすることに決めたのです。 政局不安を受けた金融市場 突然の大統領選決定を受け、先週のギリシャ金融市場は大幅安となっています。 ギリシャ総合株式指数は、20.18%のマイナス、国債市場からも資金の流出が続いています。このチャートは、ギリシャ中銀ホームページから数字を取り、自分で作成した【3年と10年物国債の利回り】です。ホームページには12月8日までの数字しか載っていな…
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    2014年12月8日
    日本の格下げリスク[松崎美子]
    悪い円安になるきっかけ 先週のマーケットは、木曜日に欧州中銀(ECB)理事会とドラギ総裁記者会見が、そして翌日金曜日には毎月恒例のアメリカの雇用統計が発表されました。特に雇用統計での雇用者数の増加幅は、予想を大きく上回る、久しぶりの30万人台となり、ドル円はあれよあれよという間に121円台まで急騰し、高値引けしています。国策相場と言われて久しいドル円と日経平均株価相場ですが、10月中旬につけた安値: 105円台から、わずか2ヶ月の間に既に16円を超える円安が目の前で起きており、日本経済がこのスピードについていけるのか、心配です。 先週の本当の主役:日本の格下げ 雇用統計は特にイベント性に富んでおりましたが、先週のマーケットの出来事で、私の心を一番痛めたのは、≪日本の格下げ≫のニュースでした。念のために繰り返しお伝えしますと、格付け大手:ムーディーズは、12月1日に日本の格付けをAa3から1ノッチ格下げし、A1としました。見通しは、「安定的」です。 日銀は金融緩和策の一環として、大量の長期国債を買い入れており、10月31日にはそれまで年50兆円だった買い入れペースを年80兆円に拡大してい…
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    2014年12月2日
    欧州中銀(ECB)理事会に向けて[松崎美子]
    この週末には、「スイス国立銀行(中央銀行、SNB) の金準備積み増しを義務付ける提案」に対する国民投票がスイスで実施され、否決されました。それを受け、月曜日のアジア時間は、金価格が急落しました。先週開催されたOPEC総会では、減産合意がならず、結果として原油価格が5年来の安値を更新。年末に向けて、いきなり≪商品市場の崩れ相場≫の到来です。 この商品価格の下落は、ドル高・株安(石油関連会社の株価下落)・長期金利安を招いただけでなく、資源通貨、とくに、ロシア・ルーブルに対して、’メルトダウン’という言葉がぴったりするような急落を引き起こしています。原油価格安は、見方を変えれば【減税】と同じ効果があるため、私達消費者にとっては、嬉しい現象ですが、国を司る方々や中央銀行にとっては、【デフレの根源】となるため、戦々恐々としている筈です。 来年は、米国と英国で利上げが実施される可能性が指摘されていますが、この商品価格安が低インフレを加速するようであれば、利上げ期待が後退し、通貨安に繋がる恐れがあるかもしれません。 さて、本日はデフレ懸念が一番高いユーロ圏の中銀:ECB理事会とドラギ総裁記者会見につ…
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    2014年11月12日
    スイスでの国民投票の話題[松崎美子]
    今週に入ってから、とくに、マーケットで目につく話題としては、スイスの国民投票に関するものと、日本の早期解散総選挙の噂です。 今年は私が住む英国でも、スコットランド独立に関する国民投票が実施され、マーケットが神経質に動きました。今回のスイスの国民投票は、もっともっと、直接的に為替マーケットに影響を与えるため、本日はこれについてお伝えしたいと思います。 スイスの国民投票 スイスは他国と比較すると、国民投票が実施される頻度が高いことで有名です。そして、今月30日に予定されている国民投票は、為替市場に直接的な影響が及ぶことになるため、私達もしっかり内容を把握しておく必要があります。 国民投票内容 ・実施日: 2014年11月30日(日曜日) ・投票内容:スイス国立銀行(中央銀行、SNB)の金準備積み増しを義務付ける提案 ・国民投票実施までの道のり: 金準備積み増し法案がスイス議会で否決されたことを受け、スイス国民党が、10万人以上の国民の署名を集め、国民投票実施にこぎつけた ・可決とみなされる条件:投票者の半数以上のYESに加え、スイス26州の半数以上がYESとならなければいけない ・金の保有…
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    2014年11月5日
    黒田バズーカ砲の評価[松崎美子]
    先週私たちは、2つの大きなできごとに遭遇しました。ひとつは、米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催され、予定通りに量的緩和策第3弾(QE3)を終了したことです。そのときに公開された声明文のなかでは、フォワードガイダンス内容の文言をそのまま据え置くことにより、≪株価に対する優しい配慮≫を、そして、雇用に対する文言を強化することにより、≪強いドルをサポートすること≫に成功しています。 そして、そのわずか35時間後に日銀・黒田総裁が、追加緩和策の発表という予想外の行動に打ってでたのです。 緩和政策からの出口戦略を鮮明にしたアメリカ、それに対して、異例なタイミングでさらなる緩和策の導入に踏み切った日本。タイミングがタイミングだっただけに、マーケットではドル買い/円売りが炸裂し、日経平均株価も週明け4日には、7年ぶりに1万7000円台を回復しました。 GPIFの投資配分変更と抱き合わせでの発表 米国のQE終了決定から35時間後に発表というタイミングにも驚きましたが、それ以上に「絶妙だな!」と感じたのは、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の年金資金運用配分変更のニュースと抱き合わせで発表さ…