佐藤りゅうじ

  • 詳細へ
    2020年6月26日
    原油相場が暴落 サウジVSロシア[佐藤りゅうじ]
    2002年以来の安値  新型コロナウイルスの感染拡大の影響から、金融市場は大荒れとなっています。ダウ平均株価は、1日で2000ドル超の値動きを見せ、異様ともいえる展開となっています。この金融市場の大混乱を助長したのが、原油価格の暴落と考えられます。今回は、19年ぶりの安値まで暴落した原油相場の行方を考えていきたいと思います。  3月6日、石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアをはじめとする非加盟国(いわゆるOPECプラス)の閣僚会議で、OPECによる追加減産と減産延長に関する提案をロシアが拒否しました。これにより、2016年12月に合意したサウジアラビア主導のOPECプラスの協調減産が終わりを告げ、一転して価格競争へと突入しました。  NY原油は、協調減産体制の崩壊を受け、3月6日に約10%下落し、41.28ドルで引けると、週明けの9日は米国株の暴落もあり、場中に27.34ドルまで下落。そして、20日に2002年2月以来の安値となる19.46ドルまで一時下落しました(チャート①参照)。 各国増産体制へ  暴落の背景には、産油国が増産体制にかじを切ったことが挙げられます。協調減産の崩壊…
  • 詳細へ
    2020年5月28日
    商品相場から見る新型コロナウイルス[佐藤りゅうじ]
    新型肺炎の影響  新型コロナウイルスが年初から猛威を振るっています。厚生労働省によると、2月23日現在、国内感染者は132名(患者113名、無症状病原体保有者16名、陽性確定3名)だそうです。感染経路が不明のケースも見られるようになっています。中国では、感染拡大ペースは減速してきたとの話も聞かれますが、日本での感染拡大はこれからのようです。今回は、商品相場から見えるコロナウイルスの災禍とお金の流れについて見てみたいと思います。 金(ゴールド)が上伸  まずは、チャート①をご覧ください。これは主要商品、主要株価指数、米10年債の年初から2月21日までの騰落率(終値ベース)を示したものです。年初から比べて上昇しているものが、ドル建て金(ゴールド)、米10年債(利回り低下、価格は上昇)、S&P500、ダウ平均株価です。一方、下落しているものは日経平均株価、シカゴ大豆、LME銅、そしてNY原油となっています。  特に金の上昇が目立っています。年初から8.33%の上昇となっており、価格的には1517ドルから1648ドル(日中足)まで水準を引き上げました。これは、2013年2月以来、7年ぶりの高値…
  • 詳細へ
    2020年5月5日
    パラジウム異次元へ[佐藤りゅうじ]
    短期的には上昇の最終局面入りか  パラジウムの爆騰が止まりません。今年に入ってわずか10営業日超ですが、年初から既に26%上昇しています。ドル建て現物価格は一時2543ドルまで上昇し、先物の貴金属市場(金、銀、プラチナ、パラジウム)では、史上最高値をつけています。2020年1月号では、長期的に2000ドルを目指すと書きましたが、まさか4月号の執筆時点で2500ドルを超えるとは予想していませんでした。今回は、爆謄を続けるパラジウムの現状、そして今後の動きを考えていきましょう。  まず、チャート①をご覧ください。今年1月からのパラジウムの価格上昇のすさまじさがご理解いただけると思います。昨年12月31日以降、1月17日まで陰線はありません。昨年末は1942ドルだったものが、1月17日には2543ドルまで水準を引き上げました。約31%の上昇です。今年に入ってからの値幅を見ると、一日の平均が75ドル、特に1月16日は113ドル、17日は220ドルと歴史的な上昇を演じました。  これほどの爆謄となると、ファンダメンタルズうんぬんの話だけではありません。今年に入り、とりわけ1月13日以降に起きてい…
  • 詳細へ
    2020年3月31日
    2019年商品相場総括[佐藤りゅうじ]
    騒乱と新秩序の元年  2019年、米中貿易摩擦、英国のブレグジットをめぐる混乱、香港問題、ラガルド欧州中央銀行(ECB)新総裁の誕生など、さまざまな出来事が起こりました。後世の歴史家たちは、この年を騒乱と新秩序の元年と考えるかもしれません。  相場として見ると、政治家などの要人発言や政局にずいぶん振り回された一年であったように思います。株式相場では、米国の主要株価指数が史上最高値を更新するなど非常に好調でした。一方、為替相場はドル円、ユーロドルが過去最少の年間変動率(2019年12月13日現在)となっています。相場によって全く違う顔を見せた2019年ですが、今号では商品相場の2019年を振り返ってみたいと思います。 パラジウム最強時代  まず、今年の主要商品の騰落チャート(2019年12月13日現在、チャート①)をご覧ください。きれいな右肩上がりで、しかも年間50%以上の上昇となっている緑色の線がパラジウムになります。  1月号でパラジウムについて述べましたが、そのときは1700ドル台後半であり、長期的には2000ドルが視野に入るとしました。しかし、なんと12月13日には1981ドルま…
  • 詳細へ
    2020年3月16日
    天然ゴム、年初来高値更新を目指す[佐藤りゅうじ]
    年初来高値を越える210円を目指すか?  2019年12月号で、当先のサヤ関係が上昇を示唆していると述べた天然ゴム相場ですが、その後に23%超も上昇しています。需給関係にも変化の兆しがあり、ここから一段高の可能性もありそうです。今号では、年初来高値を試す勢いをもって上昇しているゴム相場の今後を占っていきたいと思います。  まず、2019年の天然ゴム相場の大きな流れを東京ゴム先限の日足チャート(呼び値1キログラム)を見ながら簡単に振り返りましょう(チャート①参照)。一見して分かることは、3月4日の209.5円(年初来高値)と6月7日の高値207.9円でダブルトップが形成されていることです。3月4日までの上昇の背景には、天然ゴムの価格低迷対策として昨年11月に生産国の輸出削減が決定されたことがあります。実際に輸出削減が始まったのは今年4月からですが、このときには既に織り込まれ下落していました。その後、エルニーニョ現象による減産の懸念から6月に再度地合いを引き締めましたが、その後は生産が回復したことからジリジリと値を削りました。また、米中貿易摩擦の影響から自動車タイヤを筆頭に天然ゴム需要が減…
  • 詳細へ
    2020年2月28日
    パラジウムが歴史的高値圏で推移[佐藤りゅうじ]
    現在も供給不足が深刻  2019年3月号で、16年ぶりにパラジウムがゴールドの価格を上抜いたことをお伝えしました。その際、パラジウムは1300ドル台に乗せる可能性は十分にあるとしました。しかし、その後のパラジウムの上昇は予想をはるかに上回り、2019年10月17日には1782ドルまで上昇しています(チャート①参照)。そして、プラチナとの価格差は倍まで膨らんでいます。今回は、上昇を続けるパラジウムの今後を占っていきましょう。  最初に、パラジウムについて簡単に説明をしたいと思います。パラジウムは、金、銀、プラチナと同様に貴金属と呼ばれ、その主な用途はガソリン車の自動車触媒です(ディーゼル車はプラチナを主な触媒とします)。調査会社のGFMSのデータ(表①参照)によると2018年は総需要334.7トンに対し、自動車触媒需要は268.1トンと総需要の約80%にあたります。その他には電子材料、歯科用材、宝飾品用材などの用途に使われます。  一方、主産地は同データによると、2018年は南アフリカとロシアの二国で鉱山生産の約77%を占め、これに北米を加えると総生産の9割を超えます。毎年210トン前後…
  • 詳細へ
    2018年7月15日
    天候相場を迎えるトウモロコシ[佐藤りゅうじ]
    今年は32年ぶりに3月の東京に大雪警報が発令されました。この原稿を書いているとき、外の気温は2度。つい先日、桜の開花宣言があり、気温も18度前後まで上昇し、コートをクリーニングに出そうか迷ったほどでした。寒暖の差が激しいですが、堪えるのは人間だけでなく穀物も同じです。今回は、いよいよ天候相場に入るトウモロコシ相場を見ていきます。 ※この記事は、FX攻略.com2018年6月号の記事を転載・再編集したものです トウモロコシの一年 まず、トウモロコシの一年を見てみましょう。大きく分けて、4月~9月は「天候相場期」、10月~3月は「需要相場期」と呼ばれます。作付けに適した時期は産地ごとに異なりますが、米国中西部では4月~5月、南半球の産地では10月~11月とされています。作付け期が好天に恵まれ、作付けが早く終われば終わるほど夏の高温期に入る前に受粉期となり、干ばつによる被害の可能性が低下します。 夏(7月~8月)は「受粉期」といわれ、天候相場期のトウモロコシにとって最も重要な季節です。この時期、最も多くの水分を必要とします。相場は、産地の降雨や気温の変化に対して非常に神経質な動きを見せます。…
  • 詳細へ
    2018年5月26日
    底割れのゴム相場[佐藤りゅうじ]
    昨年12月号で「荒れるゴム相場」と題し、天然ゴムの先物市場について述べました。その際、ファンダメンタルズ要因ではなく、天然ゴムのプライスリーダーである上海ゴム相場が仕掛け的な動きに左右されていると紹介しました。あれから約半年を経て、少し状況に変化もみられてきたので、今回はゴム相場にスポットを当ててみたいと思います。 ※この記事は、FX攻略.com2018年5月号の記事を転載・再編集したものです 【関連記事】 ・荒れるゴム相場[佐藤りゅうじ] 半値水準の落ち込み まず、昨年の値動きを確認し、今の天然ゴムの値位置をみてみましょう。チャート①は、東京ゴム先限の週足チャート(呼び値1キログラム)です。昨年1月の急騰が目に付きます。この背景には、産地の天候不順、天然ゴム最大の消費国である中国の公共事業の増加、そして米国でトランプ氏が大統領選に勝利したことに端を発した、株高・商品高があります。2016年11月の始値が183.0円ですので、1月31日の高値366.7円というのは、わずか3か月で価格が2倍以上になったわけです。 しかしその後、トランプラリーが終了し、ゴム相場の熱気も一気に冷め、急落を開…
  • 詳細へ
    2018年4月27日
    原油価格はピークが近いか、米国の生産拡大[佐藤りゅうじ]
    2016年12月、15年ぶりとなる石油輸出国機構(OPEC)と非加盟国による協調減産が実現し、2017年5月、同年11月と2度にわたり協調減産の期間が延期されました。現在は2018年12月末まで協調減産が実施される予定となっています。 協調減産決定後、その効果に対して懐疑的な見方から、原油価格は一時42ドル台まで下落。しかし、今年1月には2014年12月以来の高値となる66ドル台まで上昇しました。ここまで原油価格が上昇すると、シェールオイルの増産も気になるところです。今回は、今後の原油価格の行方を占っていきましょう。 ※この記事は、FX攻略.com2018年4月号の記事を転載・再編集したものです 在庫減少から4年ぶりの高値へ まずは、昨年からの値動きを簡単に振り返ってみましょう(図①参照)。上記したように2016年12月10日、OPECとロシアなどのOPEC非加盟の主要産油国が15年ぶりに協調減産で合意したことを背景に、昨年1月には55.24ドルまで上昇します。 ただ、これを高値に、その後は協調減産の実効性や高い原油在庫の水準を背景に、じり安調の展開となり、6月には42.05ドルまで水…
  • 詳細へ
    2018年4月15日
    コーン相場5年連続の豊作なるか[佐藤りゅうじ]
    穀物相場の代表選手といえば、コーンです。その中でも、米国産コーンは、4年連続の豊作を記録し、シカゴの先物市場では、安値低迷が続いています。2017年の米国の天候は、夏場に高温乾燥に見舞われるなど、コーンにとっては悪条件でした。今回は、それでも豊作を記録した米国産コーンの現状をみていきましょう。 ※この記事は、FX攻略.com2018年3月号の記事を転載・再編集したものです 供給過剰 まず簡単にコーンの世界需給をみていきましょう。コーンは、広く世界中で生産されています。米農務省(USDA)が昨年12月に発表した資料によると、2016−17年度の世界全体の生産量は10億7555万トンでした。このうち米国は全体の約35.8%となる3億8478万トンを生産し、世界最大の生産国です。米国に次ぐ生産国・地域は中国の2億1955万トン(約20.4%)、3位はブラジルの9850万トン(約9.1%)でした。 一方、2016−17年度の消費は全世界で10億6312万トンでした。最大の消費国は米国で3億1381万トン(シェア29.5%)、次いで中国の2億3200万トン(同21.8%)、EUの7370万トン(…