FXにおいて時間的要素を重要視している川崎ドルえもんさんの当連載。「為替天気予報」として、統計的アプローチからの具体的なトレード戦略を教えていただきます。
年末に向けてNZドル高になりやすい?
こんにちは、川崎ドルえもんです。今回は、過去の相場から11月の傾向を解説していきます。
表①は月足の陽線と陰線の数を過去20年分数えたものになります。11月の欄を見ると、ユーロ円と豪ドル円とNZドル円の陽線回数が14回と多くなっています。確率にすると、70%の確率で陽線がついていたということになります。
さらに12月の欄を見ると、NZドル円の陽線になった回数が17回とかなり多くなっています。これは85%もの確率で陽線がついていたことになります。私は全30通貨ペアの月足統計を取っていますが、85%ほどの偏った傾向が出ているのは4回だけと、かなり少ないです。
ちなみに、その4回のうちの1回はNZドルカナダドルの12月にも出ています。つまり、12月はNZドル買いの傾向があるということになります。したがって、月足傾向を基にトレードするのであれば、11月から年末にかけてはNZドルを買う中長期戦略を考えていくのが良いでしょう。
月初めはユーロ安、月末は円安の傾向あり
次は週足の為替傾向を探っていきましょう。表②は11月1週目のユーロに関する通貨ペアの週足統計データです。見てみると、ユーロドルの陽線確率が32%、ユーロポンドが28%、ユーロスイスフランが29%と低くなっています。この確率は陽線確率で表示していますので、確率が低いほど陰線になりやすいということになります。このことから、11月2日からの週はユーロが売られやすい傾向があるといえます。
さらに3週目に傾向がある通貨ペアを探し、表示したのが表③になります。11月16日からの週はドル買いの傾向があります。ユーロドルの陽線確率が34%、ポンドドルが31%、豪ドル米ドルが30%と低くなっています。このことから、11月3週目は豪ドル米ドルなどを売り方向でトレードする戦略を考えていく方が良いということになります。
次の表④は、5週目のクロス円に関する週足統計データになります。これを見ると、豪ドル円の陽線確率が71%、NZドル円が72%、スイスフラン円が78%と高くなっています。このことから、11月末から12月の始めはクロス円が上昇しやすいアノマリーがあるといえるでしょう。
24日はドルスイスフランが下落しやすい
最後に日足の為替傾向を解説していきましょう。表⑤はドルストレートの日足統計データで、過去20年間の日足が陽線になった確率を表しています。11月3日の欄を見ると、ポンドドルの陽線確率が81%と高くなっています。直近データでは、11年間全て陽線となっていました。掲載はしていませんが、ポンド円の陽線確率も81%と高くなっています。このことから、3日はポンドが買われやすい傾向にあることが分かります。
また、ドルスイスフランの陽線確率は11月5日が86%、20日が83%、27日が88%と高くなっています。これら三つの日はドルスイスフフランが上昇しやすい傾向があるようです。
逆に24日はドルスイスフランの陽線確率が10%と低くなっています。24日の日足データを確認すると、陽線がついたのは過去20年間で2回だけとかなり少なくなっていました。このことから、24日はドルスイスフランが下落しやすい日ということになります。
なお、27日はドル買いの傾向があります。ユーロドルの陽線確率が22%、豪ドル米ドルが26%と低く、米ドルカナダドルとドルスイスフランは88%と高くなっています。ユーロドルや豪ドル米ドルはドルが決済通貨となっているので下落する場合はドル買い、米ドルカナダドルやドルスイスフランは上昇でドル買いとなります。このことから、27日はドルが買われやすいアノマリーがあることが分かります。
このように、為替天気予報はその月日に相場が上昇しやすいのか下落しやすいのかを教えてくれます。このデータを参考にトレードするのであれば、月足・週足データはグルグルトレインなどのリピート系、日足データはデイトレードなどで活用すると良いでしょう。
例えば、24日はドルスイスフランが下落しやすいと紹介しました。ドルスイスフランを構成するのは米国とスイスの通貨なので、ロンドン市場とNY市場で動きやすい通貨ペアになります。したがって、24日の16時ごろからショートポジションを仕込んでいって、23時ごろに決済するという戦略が良さそうです。
為替天気予報は、あくまで傾向です。なので、損切りすることも考えながらトレードに生かしていきましょう。その他の通貨ペアの為替天気予報に関してはブログなどで紹介していますので、チェックしてみてください。
※この記事は、FX攻略.com2020年12月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
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