※この記事は、FX攻略.com2016年8月号の記事を転載・再編集したものです
ファンダメンタルズ分析で大きな方向性を確認
前回は、「第3の投資手法」で話題になっている「リピート注文」と、その進化形である「トラッキングトレード(FXブロードネット)」を活用する方法として、テクニカル分析を用いて売買タイミングを計るやり方を紹介しました。
【トラッキングトレード入門 連載記事】
第1回 暴落時は相場追尾型のトラッキングトレードで稼ぐ![斉藤学]
第2回 テクニカル分析の組み合わせでトレンド察知![斉藤学]
しかし、いくらテクニカル分析がうまくても、相場全体の流れを読み間違えてしまっていては、小幅な利益で終わってしまうことがあります。最近では、アメリカの利上げに注目が集まっていますが、世界経済全体に影響を及ぼすためテクニカル分析以上に重要な事項となっています。
そこで今回から、ファンダメンタルズ分析を用いて相場の大きな方向性を見極め、FXブロードネットのトラッキングトレードで追尾する方法を2回に分けて紹介します。第1回目は注目すべき経済指標を中心に解説します。
ファンダメンタルズ分析をしてみよう
ファンダメンタルズとは「経済の基礎的事項」という意味で、各国の雇用や生産、物価など経済活動の状況を示す基礎的な要因のことです。どの国も「経済指標」と呼ばれる経済活動を数値化したものを定期的に発表しており、この経済指標を分析することによって、各通貨の大まかな流れを知ることができます。
トラッキングトレードは、一般的なリピート注文と異なり「相場追尾型」なので、相場がボックスを抜けてしまった時も、リピート注文の設定がそれに合わせて追尾してくれるのですが、トレンドに沿った方向で注文設定すればより多くの利益を出すことができるため、相場の大きな方向性の見極めは重要です。また、トラッキングトレードの止めどきを察知するにも、ファンダメンタルズ分析は役立ちます。
ところでこの経済指標ですが、毎日数多く発表されているので、それらをすべて把握するのは非常に大変です。しかし、強い動きやトレンドを発生させやすいような重要な経済指標はある程度決まっているため、それらの経済指標を中心にチェックしていくと良いでしょう。
一番大切なのは政策金利と雇用統計
まず、最も重要な経済指標は各国の政策金利です。利上げが行われればその通貨は上昇、利下げされれば下降トレンドになりやすいです。
次に、毎月第1週金曜日の夜に発表される米雇用統計、続いて米GDPや米小売売上高となっており、世界の基軸通貨である「ドル」を中心に重要な経済指標をチェックしていくことになります(表1)。そして、経済指標は結果が良いのか悪いのかよりも、予想値と比べてどうなのかという点が注目されます。
政策金利に関しては、大きな政策変更となるため事前に中央銀行からヒントとなる声明が出されることが多く予想しやすいのですが、通常の経済指標となると前回までの流れをたどっていくしかないため予想は難しいです。
しかし、米雇用統計であれば、発表される2日前の水曜日に米ADP社が発表する雇用統計がその先行指標として利用できるため、ある程度予測が可能です。つまり、水曜日に発表されるADP雇用統計の数値が良ければ週末の米雇用統計(米非農業部門雇用者数)も良い可能性が高く、ADP雇用統計が悪ければ米雇用統計もあまり期待できないことになります。
もちろん、ADP雇用統計と米雇用統計の結果が連動しないこともあるのですが、ADP雇用統計が前回値からやや離れた結果となった場合は米雇用統計も同じ方向へ連動する可能性が高いので、ADP雇用統計が予想値付近だった場合は参考程度にとどめておいた方が良いでしょう。
ADPを基準にして短期的に利益を追う手も
米雇用統計の結果をもとに中・長期で相場の方向性を探っていくほか、ADP雇用統計をもとにすれば結果がある程度予測できることを利用して、短期的にトラッキングトレードで利益を追求することもできます。ADP雇用統計の結果が良ければ買い、悪ければ売りのトラッキングトレードを米雇用統計前に仕掛けておけば、米雇用統計後の大きな値動きで多くのリピート注文を短期的に約定させて利益を得ることが可能になるのです。
なお、今年発表された米ADP雇用統計と米雇用統計の一致率は80%、高確率で同じ方向の結果となっており、米雇用統計の結果を予測する際の大きな助けになっています(表2)。
他にも、米雇用統計は毎月第1営業日に発表される米ISM製造業景況指数の結果とも連動しやすいため、合わせて確認するとより効果的です。
もちろん、米ADP雇用統計と米雇用統計の一致率が今後も必ず80%というわけではありません。あくまでも予想として準備しておけば、発表後どちらに行ったとしてもすみやかに対処できるのではないでしょうか。
短期的な動きが落ち着いたあとは、いったんトラッキングトレードを解除しても良いですし、予想値からかい離したインパクトある数字が出たのであればもうしばらく動かして様子を見ることもできます。経済指標の数は多いのですが、相場に大きく影響を及ぼすものは数えるほどなので、トラッキングトレードを動かしつつ定期的にチェックしてみてください。
※この記事は、FX攻略.com2016年8月号の記事を転載・再編集したものです
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