トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。
米中協議は合意に向けて最終段階か
ドル円はじりじりと上値を切り上げています。その背景には米中貿易交渉への楽観論があり、昨夜もトランプ大統領が「米中は第1段階の合意に近づいている」と表明したことで追い風となっています。本日も米中協議に新しいヘッドラインが出るまではトランプ大統領のこの発言内容を追いかける形で大丈夫でしょう。米中協議に関しては引き続きヘッドラインに振らされますが、あしもとの米中高官発言を聞く限り、おそらくは合意に向けて最終段階に入っているものと推測しています。
また、米中協議以外でも今夜は、GDP改定値や個人消費、失業保険申請件数、PCEデフレーター、ベージュブックと米国の重要指標が多く発表されるため、指標結果には注目しておきたいところです。
テールリスクはダウンサイドに
ドル円のチャートを見ると先週の108円ミドルを中心とした狭いレンジを上抜け、200日移動平均線も再度突破しており、テクニカル面での改善も確認できます。スイングトレードであれば買いホールド、短期でも昨日の高値ブレイクする局面や、押し目を拾えるなら状況があれば積極的に買っていく方針です。
ただ、マーケットが米中合意をかなり織り込みつつあるため、ドル円が110円を上抜けてくるような展開は想像しにくいと言えます。一方で、米中貿易協議が中止や合意に至らなかった時のダウンサイドはかなり深くなるので、ポジションが捕まらないようストップは必須です。108.50円や108.00円など節目となる価格のやや下にはストップを置いておきます。また、明日から米国市場が感謝祭休暇に入るため、流動性低下による不規則な値動きにポジションをさらされたくない場合はポジションをスクエアにして週末を迎えるのも悪くはないでしょう。
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