前号では、エリアの値幅が許容範囲よりも大きい場合に引きつけてエントリーしていく方法を学びました。今回はそれとは異なる考え方で、より簡単なエントリーを可能とする「エリアを自分の許容範囲まで絞り込む方法」についてレクチャーしてもらいます。
※この記事は、FX攻略.com2018年1月号の記事を転載・再編集したものです
【エリア手法の極意・実践編[FXプランナー]】
・第1回 チャートの中から優位性の高い場所を見つける方法
・第2回 ローソク足からチャートを徹底的に分析する
・第3回 ローソク足からチャートを徹底的に分析する〜エリア手法解説〜
・第4回 許容範囲の考え方と決め方
・第5回 設定した許容範囲をエリア手法で使う方法
【テクニカル分析の極意[FXプランナー]】
・第1回 買い手と売り手の心理をつかめ!
・第2回 大きな流れで目線をつかめ!
・第3回 独自のエントリー基準を定めよ
・第4回 分からないと判断できる力を持つ
・第5回 目標到達した後にするべきこと
長期足から短期足に絞り込んでいく
前号で、許容範囲よりもエリアの値幅が大きい場合はロスカットラインを基準として「許容範囲まで引きつける」必要があるといいましたが、今号ではエリアの値幅を「許容範囲まで絞り込む」というもう一つの考え方について見ていきたいと思います。
この考え方には複数の時間足が必要になります。時間足の違いによってチャートを分析する方法は変わりませんが、波のサイズやエリアの値幅は大きく変わります。この特性を利用して値幅を絞り込んでいくことになります。エリアの値幅は時間足が大きければ大きいほど広くなります。つまり許容範囲が小さければ長期足のエリアはほぼ間違いなく許容範囲を超えてくることになります。では長期足のエリアに対してどのようにアプローチしていけば良いのでしょうか。
図①を見ると、長期足のロングエリア(以下ロングエリアA)が描かれていて、その値幅は100pipsあります。仮に許容範囲を20pipsとした場合、エリアの値幅が大きく上回ることになります。前号でお伝えしたように許容範囲まで引きつけても良いのですが、その上の値幅80pipsの間に押し目買いが入る可能性がかなり高い確率で考えられます。
その場合、引きつけるまで待つだけでは指を加えて押し目買いを見ていなければなりません。特にエリアの値幅と許容範囲が大きく離れていたらそのケースは多くなります。そこで、そのような動きに対応するために時間足を小さくして短期足に絞り込んでいきます。この絞り込みについては二つの方法が考えられます。
短期足でロングエリアの形成を待つ
まずは最初のケースですが、短期足のロングエリア(以下ロングエリアB)を利用してエントリーを狙う方法です。先ほどのように長期足で許容範囲外の80pipsにチャートが到達した後に短期足のチャートの動きを確認していきます。その中で短期足のロングエリアBを引くことができるような動きが出た場合には、そのロングエリアBの下限をロスカットにしてエントリーをします。
エリアができるということは、短期足に買い手が下に抜かれたくないレートができたことになり、ロングエリアBの下限を下抜けることによって短期的には状況が変化します。つまり、長期足の押し目買いの候補に到達した後に短期足で買い手が仕掛けたという根拠でロングを狙っていく戦略です。
ただし、ここで注意したいことはロングエリアBを下に抜けてもまだ長期のロングエリアAは下に抜けてはいないということです。もしも図②のロングエリアBを下に抜けても、まだ長期目線はロングのまま変わってはおらず、買い手がチャートを作り直して上昇に転換する可能性は十分あります。つまり、ロングエリアBを下に抜けてしまった場合は再びロングエリアAの中で短期足のロングトリガーを待たなければならないということになります。
ショートエリアの上抜けがトリガー
二つ目の方法は、下降で作った短期ショートエリアの上抜けをトリガーとしてロングを狙っていく方法です。ロングエリアAの値幅は100pipsあり、どこで押し目買いが入るのかはチャートができてみなければ分かりません。押し目買いが入ったであろうと判断する基準としてこの方法を使います。
長期のロングエリアAに到達した場合、短期的には下降の流れになっており、その中でショートエリアを形成している可能性は高くなります。ショートエリアは売り手が抜かれたくないレートを含んでいるので、その上抜けは買い手の勝利も意味しています。つまりサポート後にレジスタンスの上抜けというロングの強いサインと判断することができます。
図③のように、ショートエリアの上抜け後に短期でロングエリア(以下ロングエリアC)を設定して押し目買いを狙っていきます。この場合も先ほど同様にロングエリアCを下に抜けてもまだ長期目線はロングのまま変わっていないことを忘れてはいけません。
このようにエリアの値幅が許容範囲外の場合は、短期足を利用してなるべく自分の許容範囲に近い値幅まで絞っていくことでエントリーを狙うことができます。相場の変動が激しく、最小単位足の1分足まで絞っていってもエリアの値幅が大きく許容範囲を超えているような場合は引きつける方法しかできず、値動きに対してエントリーができないといった歯がゆい思いをすることもあるかもしれません。しかし相場が続く限り、大きなリスクを取らなくてもチャンスはいくらでも訪れます。
ルールを守らずに大きな損失を出すくらいであれば、エントリーしない方が資産を守ることができますし、結果的に安定したパフォーマンスにつながっていきます。自分の許容範囲を把握して、エリアの値幅を見ながら基準をしっかりと守ったトレードを繰り返していただきたいと思います。
※この記事は、FX攻略.com2018年1月号の記事を転載・再編集したものです
【テクニカル分析の極意・実践編[FXプランナー]】
・第1回 チャートの中から優位性の高い場所を見つける方法
・第2回 ローソク足からチャートを徹底的に分析する
・第3回 ローソク足からチャートを徹底的に分析する〜エリア手法解説〜
・第4回 許容範囲の考え方と決め方
・第5回 設定した許容範囲をエリア手法で使う方法
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・第2回 大きな流れで目線をつかめ!
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