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ビッグイベントを控えドル円はどう動く[井口喜雄]

トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。

米国は、中国との貿易戦争の激化が懸念されているなか、対中経済制裁第3弾が発動されるかに注目が集まります。また、カナダとも北米自由貿易協定(NAFTA)協議でも難航しており、本日協議が再開される予定です。週末には、8月米雇用統計も予定されており、ビッグイベント前にしっかりと準備しておきたいところです。

ドル円は買い!? でも突っ込めない

トランプ大統領は、対中経済制裁第3弾の導入に意欲をみせており、公式発表に注目が集まります。現時点では、発動回避の可能性も残されているので、もし発動されればリスクオフになります。また、本日21:30には米貿易収支の発表を控えており、対中貿易赤字が拡大していた場合、対中経済制裁第4弾の可能性もでてくるだけに、併せて注目しておきたいところです。

週末に予定されている8月雇用統計は、ポジティブになりやすい展開でしょうか。非農業部門雇用者数の増加幅で19.1万人増と前月の15.7万人からの増加が見込まれています。ポジティブとなった場合、FRBによる年内あと2回の追加利上げ確率が上昇し、ドル買い要因になります。しかし、トランプ大統領がFRBの利上げ路線に不快感を示しているなか、トランプ政権が、ドル売り介入で通貨安戦争に乗り出すのではないかと警戒感もあり、やはり買い一辺倒とはいきません。

さらにアルゼンチン、ブラジル、インド、トルコ、南アフリカといった新興国通貨は引き続き下落、債券も売られ利回りが上昇している状況です。新興国への不安から円が買われる地合いでもあり、ドルに妙味はあるものの、ドル円で見ると上昇は限定的かもしれません。

テクニカル面では一目均衡表の雲上限である111.58円を上抜けて値固めできるかがドル円上昇のポイントとなるでしょう。

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