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ドル円はレンジ内でうまく立ち回れるか[井口喜雄]

トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。

ヘビー級のリスク要因が散見

香港を巡り米中対立が冷え込むなか、ポンぺオ米国務長官は中国企業のByteDanceが運営するSNSのTikTokの利用を米国内で禁止する措置をとると述べ、新たな米中対立の火蓋となっています。TikTokは若者に絶大な人気を誇っており、米国内にも5000万人近いユーザーがいるとされており、米中関係への影響は軽微ではないでしょう。

また、米国の新型コロナウイルス感染者は引き続き米南部の州を中心に拡大しており、昨日7日には感染者が300万人を突破し、死者も13万人を超えています。さらには残り4カ月を切った米大統領選挙もトランプ大統領の再選に黄色信号がともっており、ヘビー級のリスク要因が散見しているマーケットです。

ドル円はレンジ内でうまく立ち回れるか

リスクオフのマーケットではありますが、NYダウを始め米主要3指数は大きく崩れてはいません。FRBの大規模金融緩和を背景に下落局面では押し目意欲は高く、底堅いとも言えます。為替は株価の顔色を窺いながらのトレードとなるだけにリスクオンとリスクオフの綱引きが続く限り、方向感が定まりにくい状況です。

ドル円も今週に入り、107円ミドルを中心に動きが止まっており、レンジ内で次のテーマを探る時間帯になっています。FRBの大規模な金融緩和を背景に中期的にドル円の下落余地は残されているとは思いますが、短期的には106.80円~108.20円のレンジでうまく立ち回っていくのが得策です。短期のポジションであればこのレンジで何度か売買できそうな気がしていますが、上下どちらも抜けた方向は速いので、損切りやドテンの準備は必要でしょう。

欧州通貨はヘッドライン相場を覚悟しながら

ユーロやポンドといった欧州通貨はヘッドライン相場を覚悟しながらになります。現在、英国はEU離脱に関しては自由貿易協定(FTA)を年内に成立させることを目指して集中協議を行っており、今回の交渉にて落としどころを見つけられるかが焦点です。また、EUも新型コロナウイルス復興基金をまとめられるかがポイントで、EU加盟27カ国の全会一致での承認を目指して、本日8日に復興基金の協議が行われる予定です。ユーロ、ポンドはコメント1つで流れが変わるヘッドライン相場なので偏った相場観は持たず、中立スタンスで臨みたいと思います。

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