一目均衡表入門|第3回 三波動と時間関係②[監修:細田哲生(三世一目山人)]

※この記事は、FX攻略.com2016年7月号の記事を転載・再編集したものです(文=蛯沢路彦・編集部)

【一目均衡表入門 連載記事】
一目均衡表入門|第1回 一目均衡表の原点[監修:細田哲生(三世一目山人)]
一目均衡表入門|第2回 三波動と時間関係①[監修:細田哲生(三世一目山人)]

三波動の骨子は時間と値段

まず「三波動と時間関係」を解説した、前回のおさらいから始めましょう。一目均衡表は、いかなる値動きも、結果的に三波動となるという考え方を基準とします。その三波動のうち、N波動は方向性を成す基本波動、P、Y、S波動はもみ合いにおいて現れる中間波動であると解説しました。

そしてN波動の構成について、第一、第二波動が、第三波動に時間的な影響を及ぼすという考え方も示しました。上げて(第一波動)→押した(第二波動)、それらの時間から、第三波動に要する時間が判明するわけです。

相場には目先の三波動だけではなく、中期、長期の三波動もあり、それらが現在に影響を与えていると考え、総合的に調べることで、相場の次の変動を読み取ることが可能となります。

なお、一目均衡表の先行スパンや遅行スパンを、現在よりも26日分前後にずらして表示するのには、時間関係を一目で読み取るための物差しにしようという側面もあります。そのように設計されていることからも、いかに一目均衡表において時間関係が重要視されているかが分かるでしょう。これについては、改めて別テーマとして取り上げる予定です。

三波動のおさらい

① 相場変動は、三波動を基本とする
② いかなる値動きも、結果的に三波動となる
③ 時間関係や値段関係をともなった三波動を重視する

時間と値段の関係から、重要な三波動を見付ける必要があります。

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値幅を考慮してN波動を分類

第一波動と、それよりも短い第二波動の組み合わせ(下見出し「重要な三種類の計算値」の図A→B→Cの動き)から生じた第三波動(下図D)は、最終的に方向性を成すN波動か、もみ合いのP波動となります。その分かれ目となるのは第三波動の長さ(値幅)で、第二波動よりも長くなればN波動となり、そこで初めて方向性を成したと判断できます。

さて、N波動が方向性を成すものであるとはいえ、第三波動の時間を余しながら短期間で鋭角に続伸する変動もあれば、時間をいっぱい使ってなだらかに推移する変動もあり、相場への影響力は異なります。 

それらをN波動として同一視するには無理があるので、値段関係の考えを組み込み、分類します。それが計算値という考え方の基本となります。

重要な三種類の計算値

計算値とは

計算値とは、第一波動や第二波動の値幅を基に、第三波動の目標となる値段を定めるという考え方です。E、N、V計算値という定型を持ち、それに照らして実際の変動がどうなるかを調べ、その合致あるいは相違によって、次の展開を読み取ろうとするのです。

Bを上抜いた後の値幅が重要

AB(第一波動)→BC(第二波動)の変動があった時点で、CD(第三波動)の時間①、②、③が判明します。この時間内に、CDがどう値幅を伸ばすかによって、三波動目をどのように評価するかを考察するのです。なお、Bを上抜けなければP波動であり、これはもみ合いの範ちゅうであると解釈できます。

計算値の達成から分かること

E計算値

AB<CDとなることから、CDの上昇そのものを上げの勢いが勝っていると評価できる

ということは……

CD、あるいはADを第一波動とする三波動につながりやすい

 

この三波動は、Bを中心(相場水準)としたもみ合い相場であるとも解釈できます。仮にE計算値を優に超えていくのであれば、もみ合いからの「放れ」と、CDの独立性(第一波動として働く可能性)を見いだせます。

N計算値

AB=CDであることから、CDはABの影響を超えるほどの上げの力を出していない

ということは……

N達成後の下落で中心まで戻すケースも珍しくない

 

BC(第二波動)の半値を中心(相場水準)としたもみ合い相場と解釈できます。この範ちゅうにあるということは、上げの勢いが強いとはいえません。なお、第二波動が長いほど、Bからの値幅は短くなります。

V計算値

・ABの上昇時間を、BC、CDでのもみ合いに使う
・Bを相場水準としたもみ合いの限界を超えていない

ということは……

その後の騰落が試される(天井圏、底値圏で重要)

 

Bを中心(相場水準)とした、CとDの間でのもみ合い相場と解釈できます。ABの時間を費やして、もみ合っていることから、決して上げの勢いは強くありません。なお、第二波動が長いほど、Bからの値幅は長くなります。

同じN波動でも解釈は異なる

上記にE、N、V計算値の定型と、それを達成した際に確認できる事柄をまとめました。

E計算値の達成からは、大きく方向性を成していく可能性を読み取ることができます。これが、大きな値動きの中核となるのです。一方、N計算値とV計算値は、達成したといえども、もみ合いの範ちゅうから抜け出せていません。そのため、もみ合いからの転換もあり得ることに注意しなければなりません。

時間関係の確認がそうであったように、計算値の確認においても、目先の三波動だけではなく中期、長期の三波動もくまなく調べることが重要です。そしてさまざまな箇所から、重複する計算値が求められれば、そこが重要視されるのは、いうまでもありません。

なお、計算値は、波動の中心(相場水準)と共に意識されるべきものです。その中心は、一目均衡表の各線から見いだすことができます。

計算値と同時に意識すべき相場水準は一目均衡表の各線により、一目で分かる

均衡表の交点が相場水準になる

相場水準とは、もみ合いの中心となる水準のこと。チャート内に書き入れた水色の枠は、その枠内で均衡表の各線が交わっていることを示します。枠から外に伸びる線は、相場水準の補助線ですので、それを枠内に伸ばしながら、各線の交わりを確認してください。

【相場水準の見付け方】

・転換線と基準線が交わる値段は相場水準になる
・遅行スパンと実線が交わる値段は相場水準になる
・2本の先行スパンが交わる値段は相場水準になる
……など

一目均衡表 豆知識

NT計算値

E、N、V計算値の他に、もう一つNT計算値があります。これはAC(第一波動の起点から押しまでの値幅)を、Cからとるもの。使う機会が限られるので、E、N、V計算値とは分けて解説することにします。 

均衡表は半値位置

転換線は過去9日間の、基準線は過去26日間の半値をつなげたものであり、一目で相場の中心を見付けることができます。

一目均衡表の各線①

「転換線」は、過去9日間の半値を転換値として日々記入し、それをつなげた線。「基準線」は、過去26日間の半値を基準値として日々記入し、それをつなげた線。一目山人はこの二つを均衡表と指しました。

一目均衡表の各線② 

「先行スパン(上限)」は、転換値と基準値の半値を26日先行させてつなげた線。「先行スパン(下限)」は、過去52日間の半値を26日先行させてつなげた線。「遅行スパン」は終値を26日過去にずらしてつなげた線。

※この記事は、FX攻略.com2016年7月号の記事を転載・再編集したものです(文=蛯沢路彦・編集部)

細田哲生の写真

細田哲生(ほそだてっせい)

株式会社経済変動総研。三世一目山人。一目山人の遺志を引き継ぎ、正しい一目均衡表の使い方を普及することに従事。経済変動総研主催の「一目均衡表倶楽部」にて、一目均衡表による相場解説、罫線講座を執筆。毎週月曜日ラジオNIKKEIマーケットプレスにて「日経平均一目均衡表から見たテクニカル分析」を放送。

公式サイト:一目均衡表公式ホームページ|株式会社 経済変動総研

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