※この記事は、FX攻略.com2016年11月号の記事を転載・再編集したものです(文=蛯沢路彦・編集部)
【一目均衡表入門 連載記事】
・第1回 一目均衡表の原点[監修:細田哲生(三世一目山人)]
・第2回 三波動と時間関係①[監修:細田哲生(三世一目山人)]
・第3回 三波動と時間関係②[監修:細田哲生(三世一目山人)]
・第4回 三波動と時間関係、値段関係から分かること[監修:細田哲生(三世一目山人)]
・第5回 転換線と基準線①[監修:細田哲生(三世一目山人)]
・第6回 転換線と基準線②[監修:細田哲生(三世一目山人)]
・第7回 転換線と基準線③[監修:細田哲生(三世一目山人)]
・第8回 先行スパンと遅行スパン①[監修:細田哲生(三世一目山人)]
・第9回 先行スパンと遅行スパン②[監修:細田哲生(三世一目山人)]
・第10回 準備構成の「型」と9週足[監修:細田哲生(三世一目山人)]
・第11回 9週足と9か月足[監修:細田哲生(三世一目山人)]
・第12回 週間実線のB、Yと仲値線[監修:細田哲生(三世一目山人)]
・第13回 B、Yの活用方法[監修:細田哲生(三世一目山人)]
・第14回 『一目均衡表』原著の内容[監修:細田哲生(三世一目山人)]
一目均衡表の著作権は株式会社経済変動総研が有し、原著の出版販売をしています。原著のご購入については一目均衡表公式ホームページをご覧ください。
サービス|一目均衡表公式ホームページ|株式会社 経済変動総研
均衡が破れるとき上げや下げが発生
前回は、均衡表(転換線と基準線)の動きが予想できるということを解説しました。過去9日間、26日間の高値や安値の影響を受けながら、あるいは時間経過により脱しながら推移する。この時間関係を理解していれば、均衡表が「いつ、どのように」動くかを読み取れるわけです。
また、実際のチャート上で、均衡表と相場実線の関係性を確認し、①押し目や戻りとして機能する ②相場水準(もみ合いの中心)として機能する—その二つの性質を見てもらいました。
さて、一目山人は「相場は動かないか、動くか。動けば上げか、下げか」と述べています(※1)。その動かない相場とはもみ合いを指しますが、ここで注意したいのは動く相場の「上げ」や「下げ」においても変動によってはもみ合いを形成するということ。押しも戻りも、もみ合いであると捉えるのです。また、上げ相場が天井を、下げ相場が底を迎えるときも、同様に考えます。
このもみ合い(動かない相場)で重要なのが、相場水準です。相場が動き出すとき、相場水準から放れる、すなわち出発点となることが、極めて多いという特徴があります。「相場が完全に均衡を得ているのが保合いでありますから、均衡が破れる事によって騰又は落となるのです」と考えるのです(※2)。
※1 ※2 一目山人『一目均衡表』(経済変動研究所、1975年、3頁(※1)、136頁(※2))
相場は動かないか、動くか。動けば上げか、下げか
動く瞬間を見極める
動かない相場は、やがて上下いずれかに放れて動く相場を迎え、そして再び動かない相場に収まります。一目均衡表は相場が「動き出す」「動かなくなる」瞬間を見極めるのに役立ちます。
相場水準が出発点に
もみ合いとは、ある相場水準を中心に、同程度の高値と安値を形成する変動。もみ合いにおける均衡表は、相場水準を示唆、あるいはそのものとなります。そしてこのもみ合いを放れる際は、相場水準が出発点になりやすいといえます。
動かない、動く相場における均衡表の位置関係
均衡表から一目で分かること
転換線が基準線よりも上位にあれば上げ時代、下位にあれば下げ時代であるといえます。このように動く相場であると判断できる状態であれば、均衡表が押し目や戻りとして機能します。一方、転換線と基準線が交差する状態は、動かない時代=もみ合いです。
「米ドル/円」週足の大局で、もみ合い放れを確認
なじみ深い「米ドル/円」相場を見ると、もみ合い放れや均衡表の理解がはかどるかもしれません。2011年10月の大底を含むもみ合いから、上げ時代が始まったこと。上げ時代であっても押しを形成して動かない時代もあったこと。そして2015年6月の大天井を含むもみ合いから、下げ時代が始まったこと。いずれにおいても、もみ合いと、その相場水準から放れる様子が確認できるでしょう。
基本数値からもみ合いを想定
一目均衡表は、時間関係と半値関係を重視します。それらと相場実線を照らし合わせることで、押しや戻りの限界、相場水準からの放れを想定できるのです。
その時間の概念は、「9」「26」を“絶対数”とし(転換線と基準線の元となる数値です)、そしてこれらの組み合わせから得られる数値を「基本数値」と考えます。この基本数値は、以前に解説した三波動の時間関係をはじめ、もみ合いの時間関係においても機能する、一目均衡表の骨子ともいうべき存在です。
下図で示した通り、もみ合いの高値や安値、放れの位置は、基本数値から想定できます。これに、三波動や時間関係を合わせて考えることで、放れのポイントを絞り込むことが可能となるのです。
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もみ合いを理解するための「型」
相場水準を中心に考える
もみ合いを変動の中心に置いて考えると、Vで下げてきた(Wで上げてきた)流れが、もみ合いを経て、Xへ上げていく(Yへ下げていく)と、単純化できます。そのもみ合いは、相場水準②を中心に、同程度の値幅で高値①と安値③をつけた形と、こちらも単純化できます。
もみ合いの特徴(相場水準②の値段を初めてつけたAを起用)
・Aからの基本数値で、B、D、Fがもみ合いでの高値①となりやすい
・Aからの基本数値で、C、Eがもみ合いでの安値③となりやすい
・Aと同水準の位置(G)は、Aを起点とした基本数値になりやすい
・A〜Gまでを「26」と置けば、Gからの放れは基準線を起点にする
一目均衡表の鍵を握る基本数値とは「9」「26」を“絶対数”とし、その組み合わせから得られる数値
上記が基本数値となります。以前、三波動の解説をした際にも触れたように、9日間と9日間をつなぎ合わせる場合は、その接点の重複を除くために1を引く。よって「9×2−1=17」となるわけです。(接点が二つあれば「26×3−2=76」のように2を引きます)
一目均衡表 豆知識
原著の概要
『一目均衡表』(通称、第一巻)は一目均衡表の転換線、基準線、先行スパン、遅行スパンについて、『〜完結編』は三波動の考え方について、『〜週間編』は9週足の考え方について、記しています。
均衡表の性質①
I波動が上昇し続けると仮定した場合、相場実線>転換線>基準線の位置関係が保たれます。逆に下降し続ける場合は、相場実線<転換線<基準線という位置関係になります。
均衡表の性質②
均衡表は波動の中心(相場水準)を一目で明らかにするものです。上げ時代・下げ時代には均衡表と実線が交わることはありません。一方、それらが交わる局面はもみ合いであると捉えることができます。
※この記事は、FX攻略.com2016年11月号の記事を転載・再編集したものです(文=蛯沢路彦・編集部)
【次を読む】
・一目均衡表入門|第8回 先行スパンと遅行スパン①[監修:細田哲生(三世一目山人)]
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シストレ・自動売買 | 裁量取引とは別に自動売買のサービスがあるかどうか。 |
サポート体制 | サポート内容や対応可能時間の違いをチェック。 |
教育コンテンツ | 配信されるマーケット情報や投資家向けコンテンツの有無。 |
キャンペーン | 新規口座開設時や口座利用者向け各種キャンペーンの内容。 |