一目均衡表入門|第6回 転換線と基準線②[監修:細田哲生(三世一目山人)]

※この記事は、FX攻略.com2016年10月号の記事を転載・再編集したものです(文=蛯沢路彦・編集部)

【一目均衡表入門 連載記事】
第1回 一目均衡表の原点[監修:細田哲生(三世一目山人)]
第2回 三波動と時間関係①[監修:細田哲生(三世一目山人)]
第3回 三波動と時間関係②[監修:細田哲生(三世一目山人)]
第4回 三波動と時間関係、値段関係から分かること[監修:細田哲生(三世一目山人)]
第5回 転換線と基準線①[監修:細田哲生(三世一目山人)]
第6回 転換線と基準線②[監修:細田哲生(三世一目山人)]
第7回 転換線と基準線③[監修:細田哲生(三世一目山人)]
第8回 先行スパンと遅行スパン①[監修:細田哲生(三世一目山人)]
第9回 先行スパンと遅行スパン②[監修:細田哲生(三世一目山人)]
第10回 準備構成の「型」と9週足[監修:細田哲生(三世一目山人)]
第11回 9週足と9か月足[監修:細田哲生(三世一目山人)]
第12回 週間実線のB、Yと仲値線[監修:細田哲生(三世一目山人)]
第13回 B、Yの活用方法[監修:細田哲生(三世一目山人)]
第14回 『一目均衡表』原著の内容[監修:細田哲生(三世一目山人)]

一目均衡表の著作権は株式会社経済変動総研が有し、原著の出版販売をしています。原著のご購入については一目均衡表公式ホームページをご覧ください。

サービス|一目均衡表公式ホームページ|株式会社 経済変動総研

均衡表はなぜ動く?グラフを書けば理解が進む 

前回は、均衡表(転換線と基準線)の概要と、その作り方を解説しました。おさらいすると、均衡表は、当該期間(9日間、26日間)の高値と安値から半値を求めるという計算により導かれる値を結んだ線、ということでした。

そして、均衡表の算出やグラフへの記入を、実際に自分の手で体感してもらうべく、簡単な例題を用意しました。試していただけたでしょうか。

この例題をこなすことで、均衡表の動きについて、理解が進んだでしょう。すなわち、「なぜ均衡表が上下に動くのか」「いつまでは、このように動く」といったことがつかめるようになったはずです。

この感覚は、均衡表を手書きした人にしか、得られません。パソコンのチャートツールで一目均衡表をいくら見続けたとしても、手書きの経験には追いつくことはできないのです。

以下では、例題の答えを掲載すると共に、均衡表の動きが予測できるというポイントについて、例を挙げながら解説しています。

一目均衡表入門|第5回 転換線と基準線① 「均衡表作図の例題」正解グラフ

9日間(26日間)の高値と安値を見つけて、半値を求め、グラフに記入する。この一連の動きを繰り返していると、「次はどの値になるか」という法則性が分かるようになります。重要になるのは、時間の経過という概念。これについては下の図表でポイントをまとめます。

とある9日間の変遷と、その後の転換線の考察


時間の経過に着目することで、均衡表の動きは予測できる!

【向こう3日間】
・高値Aと安値Bの影響を受け続ける
・変動がAB間に収まる限りは、高値と安値に変化はない=転換値は変わらない=転換線は横ばいを続ける
・高値か安値を更新したら、転換線はその方向へ動く

【4日後】
・安値Bの影響が消失するタイミング
・必然的に転換線は上昇する(安値Bを更新しない限り)

【6日後】
・高値Aの影響が消失するタイミング
・必然的に転換線は下降する(高値Aを更新しない限り)

【まとめ】
・均衡表は下記の変化があるときに動く
・「均衡表算出に用いた高値と安値の影響が、時間経過により消失する」
・「均衡表算出に用いた高値か安値を、当日値が更新する」

いつ、どうなるか?予測可能となる

さて、均衡表とはいわば、小勢(9日間)と中勢(26日間)の半値を追いかける線のことです。その半値は、当該期間の高値や安値の影響を受けながら、あるいは時間経過によりその影響を脱しながら、推移していきます。

この時間経過という観点が、均衡表の動きを予測するための鍵となります。「いつまでは、Xの影響下にある」「いつからは、Yの影響がなくなる」といったことが想定できるため、均衡表が上に向かうのか、下に向かうのか、横ばいを続けるのか、といったことが分かるようになるのです。

そしてこの均衡表の向き(動き)を予測する能力というのは、今後解説していく均衡表を活用する段階において、生きてきます。解説すべき事柄を少し飛ばしてその例を挙げると、転換線と基準線(および相場実線)が交わる箇所=位置を入れ替える箇所は、上げ相場や下げ相場の出発点として機能しやすいという性質があります。その交わりを予測することが、可能になるというわけです。 

相場の経験則「押しは2分の1」

特定期間における半値を追いかける

古くから、日本に限らず世界のチャート分析でも、押しや戻りの目安を2分の1(あるはい3分の1)と考える経験則がありました(上画像左図)。一目均衡表は、騰落そのものの半値ではなく、特定の期間における半値を調べ、それをつなげることで、押しや戻りの目安を推し量りながら追いかけるという点に特徴があります(上画像右図)。

均衡表は半値戻しの水準、相場水準を示唆

9日間(26日間)の半値をつなげた均衡表は、押しや戻りとして機能しやすい傾向があります。また、上げ相場では相場実線>転換線>基準線の位置関係、下げ相場ではそれとは逆の位置関係となることも、相場の流れを一目で判断するのに役立ちます。

上の図は、相場水準の概念を理解しやすいよう、5日上げて5日下げるという単純な変動を繰り返したもの。均衡表が重なる箇所はもみ合いの中心として考えられ、また見方を変えれば均衡表が横ばいのときはもみ合う可能性があると読み取れます。

押しや戻りともみ合いが一目で分かる

上の二つのチャートでは、転換線と基準線が押し目や戻りとして機能している箇所が多く見て取れるでしょう。煩雑になるため、敢えて図表には書き込みませんでしたが、どこで機能しているかは皆さんで確認してみてください。

一方、そうした働きをしていない箇所では、転換線と基準線が交わる水準を中心にもみ合っていることも確認できるはずです。図に示したもみ合いの箇所と、その相場水準を、こちらも確認してみてください。

特定期間の半値を追求する均衡表は、このように直観的に相場の状況を把握することを可能とします。そして重要なのは、「押しも戻りももみ合いである」と考えることです。これについては、次回解説します。

一目均衡表 豆知識 

原著の概要

『一目均衡表』(通称、第一巻)は一目均衡表の転換線、基準線、先行スパン、遅行スパンについて、『〜完結編』は三波動の考え方について、『〜週間編』は9週足の考え方について、記しています。

均衡表の性質①

I波動が上昇し続けると仮定した場合、相場実線>転換線>基準線の位置関係が保たれます。逆に下降し続ける場合は、相場実線<転換線<基準線という位置関係になります。

均衡表の性質②

均衡表は波動の中心(相場水準)を一目で明らかにするものです。上げ時代・下げ時代には均衡表と実線が交わることはありません。一方、それらが交わる局面はもみ合いであると捉えることができます。

※この記事は、FX攻略.com2016年10月号の記事を転載・再編集したものです(文=蛯沢路彦・編集部)

【次を読む】
一目均衡表入門|第7回 転換線と基準線③[監修:細田哲生(三世一目山人)]

細田哲生の写真

細田哲生(ほそだてっせい)

株式会社経済変動総研。三世一目山人。一目山人の遺志を引き継ぎ、正しい一目均衡表の使い方を普及することに従事。経済変動総研主催の「一目均衡表倶楽部」にて、一目均衡表による相場解説、罫線講座を執筆。毎週月曜日ラジオNIKKEIマーケットプレスにて「日経平均一目均衡表から見たテクニカル分析」を放送。

公式サイト:一目均衡表公式ホームページ|株式会社 経済変動総研

Twitter:https://twitter.com/Tessei_Hosoda

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