疑問をぶつける相手はいないし、調べてもよく分からない…。そんな悩みがあったら、この企画にお任せください。トレイダーズ証券の井口さんが、あなたの質問を解決します!
Q12. 新人ディーラーはどうやって一人前になるの?
A. 新人時代に先輩ディーラーや上司から教わったことで印象に残っている三つをご紹介します
1. 銀行プライスをひたすらモニタリング
当時の上司から「チャートも情報端末も見なくていいから銀行のプライスだけをずっと見るように」と指導されました。「プライス(ティック)を見て自分の頭でチャートが描けなければディーラーじゃない」といわれて一日中、複数の銀行レートと睨めっこをしていました。
当時は毎日銀行のプライスボードばかりを見ていて、これが何かの役に立つのかと半信半疑でしたし、始めのころはモニタリングをしていてもレートがカチカチと動くだけで何も分かりません。ですが、毎日毎日プライスを見ていると何となくですが頭の中で徐々にチャートが描けるようになり、レンジやトレンドなどの状況を把握することも不思議とできるようになってきます。
また、銀行ごとの傾向も見えてくるので、単にチャートを眺めるより、需給そのものを感じられるようになります。さらに数年、経験を積むとプライスの変化から受ける感覚でどんなところにストップオーダーがあるか、買いが厚いのか、売りが厚いのかをイメージすることができるようになり、今では短期的な値動きの予測をする上で大きな武器となっています。巨大ポジションを持つ銀行がどう動くのか、どう動きたがっているのかを常に考えておく必要があると教わりました。
2. 同一銘柄で同一時間の取引を極める
同一銘柄、同一時間に毎日取引をすることが重要だと教わりました。通貨によって性質が違えば、時間帯によって値動きも全く違います。いきなり新人ディーラーが複数の通貨ペアを見ても収益を上げていくことは困難だということです。であれば、一つの通貨ペアに特化してスペシャリストになった方が収益に貢献できます。
このように毎日同じ通貨ペア、同じ時間に取引をしてスペシャリストになることで習得できるのがプライスアクショントレードです。値動きそのものがシグナルとなるプライスアクション最大の特徴は圧倒的なスピードです。瞬間的な判断を求められるディーラーは、テクニカルのインジケーターより早い判断が可能なプライスアクションでトレードできなければ使い物にはなりません。
毎日同じ通貨ペアを見て相場と向き合うことで、自分の頭の中に経験則が積み重なり、閃きや第六感といった感覚が鍛えられていきます。この“感覚”を磨くには同一銘柄で同一時間のチャートを毎日見ることです。仮にトレードしない日でもチャートだけは毎日見る習慣をつけておくと、とても上達します。大変ではありますが、効果はありますのでぜひ試していただきたいと思います。
- インジケーターより早いエントリー判断が可能
- 早めにエントリーすることで獲得値幅が大きくなる
- 経験を積むことによって誰でも身に付けられる
プライスアクショントレードとは、その名の通り値動きから優位性のある売買シグナルを見極める手法のことです。同一銘柄で同一時間のチャートを毎日見ることで、プライスアクショントレードに必要な感覚を養うことができます。
3. テクニカル指標のバックテスト
バックテストとは過去のデータを用いて、一定期間にどの程度のパフォーマンスが得られたかをシミュレーションすることです。新人のころは上司に勧められたこともあって、テクニカル分析にどっぷりとのめりこんでいきました。専門書を買い込んで、移動平均線のような有名どころの指標からマイナーな指標まで数多くのテクニカル分析を勉強したように記憶しています。有効なテクニカル指標を見つけるため、過去のデータを片端からバックテストしました。
バックテストをやっていくと分かるのですが、それなりの収益を上げるテクニカル指標を探すことは割と簡単にできます。しかし、期間を変えるとうまく機能しなかったり、変数を少し変えるだけで大きく結果が変わってしまったりするなど、どれも信頼性に欠けるものでした。あきらめの悪い私はどこかに必勝法があるはずだと深彫りしていきましたが、このテクニカルでトレードすれば儲かるといったような安易なものは存在しないとの結論に至りました。ただ、これはテクニカル分析がマーケットで通用しないということではありません。
万能なテクニカル指標こそありませんでしたが、一定期間で相性が抜群のテクニカルを見つけることは難しくありません。バックテストで優秀な戦略を見つけて実際に試してみるのはなかなか面白いものです。大事なことは、この手法は「いつまでも機能するわけではない」ということ理解することです。
また、マーケットには意識されているテクニカルポイントが存在します。幾度となく同じレートで相場が跳ね返されれば、そのラインは強固なサポートラインに変化します。このようにテクニカル分析の有用性はその使い方によって大きく変わってきます。テクニカル分析は使う目的や意思を明確にすることで、初めて有効なツールに変わるのです。
バックテストでは自分のトレード手法が通用するか否かを検証できる上、過去のトレード結果を客観的に分析できるため、行うことに大きな意義があります。有効なテクニカル指標を探し出すためにも、バックテストは欠かすことのできない作業といえるでしょう。
※この記事は、FX攻略.com2017年11月号の記事を転載・再編集したものです
第1回:気にした方がいい経済指標は?/FX会社のニュースとの付き合い方は?
第2回:プロトレーダーの取引環境を知りたい!/スマホだけでも勝てますか?
第3回:コツコツドカンの克服方法を教えて!/相場を一瞬で大きく動かすのは誰?
第4回:FXでお勧めの情報源は?/アノマリーをどう思いますか?
https://fx-koryaku.com/traderssec/service-main-13
【ご注意】
※記載の内容は投資判断の参考となる情報の提供を唯一の目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではございません。
※投資に関する最終判断は、お客様ご自身の判断でなさるようお願い致します。
※掲載されている情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性、完全性を保証するものではございません。
※当サービスに基づいて被ったいかなる損害についても、トレイダーズ証券及び情報提供元、関連会社は一切の責任を負いかねます。
※いかなる目的を問わず本情報の複製、転送及び販売を固く禁じます。
\新規口座開設キャンペーン実施中!/
「これからFXを始めよう」と思ったとき、意外と悩んでしまうのがFX会社、取引口座選びではないでしょうか? でも大丈夫。ご安心ください。先輩トレーダー達も最初は初心者。みんなが同じ悩みを通ってきているんです。
10年以上にわたってFX月刊誌を出版してきた老舗FXメディア「FX攻略.com」編集部が、FX用語を知らない人でもわかるようにFX会社、取引口座のポイントを解説しました!
取り上げているFX会社は、金融商品取引業の登録をしている国内FX業者です。口座開設は基本的に無料ですので、まずは気になったところで2〜3つ口座開設してみて、実際に比べてみてはいかがでしょうか。
\FX会社によって違うところをチェック/
スプレッド | FX取引における取引コスト。狭いほうが望ましい。 |
---|---|
約定力 | 狙った価格で注文が通りやすいかどうか。 |
スワップポイント | 高水準かどうか。高金利通貨の取り扱いの数。 |
取引単位 | 少額取引ができるかどうか。運用資金が少ないなら要チェック。 |
取引ツール | 提供されるPC・スマホ取引ツールの使いやすさ。MT4ができるかどうか。オリジナルの分析ツールの有無。 |
シストレ・自動売買 | 裁量取引とは別に自動売買のサービスがあるかどうか。 |
サポート体制 | サポート内容や対応可能時間の違いをチェック。 |
教育コンテンツ | 配信されるマーケット情報や投資家向けコンテンツの有無。 |
キャンペーン | 新規口座開設時や口座利用者向け各種キャンペーンの内容。 |