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ケッティーのFXテクニカル虎の巻|第5回 レンジはレンジでも質の異なるレンジの話

皆さん、こんにちは! 今回はレンジについて考察したいと思います。

※この記事は、FX攻略.com2017年5月号の記事を転載・再編集したものです

【ケッティーのテクニカル虎の巻 連載記事】
第1回 自分の勝ちパターンを選ぶために
第2回 手法探しの旅からの解放
第3回 トレンドの始まりと終わり、真の押し目・戻り目エントリー
第4回 真の順張りのエントリーとイグジットタイミング

相場環境の仕分け

私たちは、日々のトレードシナリオを想定するとき、必ずレンジ状態かトレンド状態かを把握していかなければなりません。この認識が曖昧であれば、まずエントリーシナリオがあやふやになります。そうなると、もちろんトレード自体も中途半端になってしまいます。これでは継続的にトレードで利益を上げることができません。

私は初心者のときに、レンジとトレンドという言葉を教えてもらい、分かったつもりで果敢に実トレに挑みしたが、全く勝てませんでした。

そんな経験から、「トレンドとレンジの仕分け」をこの虎の巻の冒頭から強く推奨しておりますが、そのレンジにも実は質の異なるものが存在します。

二つのレンジ 

この質の異なるレンジとは、「トレンドレス」と「トレンドの中段保ち合いのレンジ」の違いです。

トレンドレスのレンジ

トレンドレスはチャート①のような状態を指します。名前の通り、その時間足においてトレンドが全く出ていない状態をいいます。このような相場では、トレンドフォロー手法を使うことはご法度ですし、前回お伝えした真の押し目を狙うことを期待してはなりません。

もし、あなたがトレンドフォロワーなのであれば、こういった相場でサポレジ付近に値が来たときにブレイクすることを期待してしまうでしょう。何なら、ちょっと早いけどブレイク前に仕掛けてしまい、痛い目にあったこともあるのではないでしょうか。

このトレンドレス状態になっている時間足よりも上位の足、例えばトレンドレスが1時間足であれば、日足は陰線と陽線が混合しているような状態になっています。売りを仕掛けて24時間ポジションを保有していたら、建値まで戻ってきてしまうような相場ですので、短期的なトレードが向いている相場環境といえます。

このレンジも、いずれサポートラインかレジスタンスラインがブレイクされてトレンド発生となりますが、アップトレンドが発生するのか、ダウントレンドが発生するのかは容易に判断できません。トレンドレスを認識している時間足よりも上位の足を複数絡めながら判断することになります。

トレンドの中段保ち合いのレンジ

このトレンドレスのレンジとは全く質の異なる、トレンドの中段保ち合いのレンジが存在します。このレンジはチャート②のような状態を指します。

こちらのレンジはその名の通り、同一のトレンドが発生している間(中段)に形成されます。直近のトレンドを継続するために力をためている場面です。例えば、このレンジ形成が1時間足で出現したと仮定すると、トレンドレスのレンジ幅より比較的ボラティリティが小さくなります。

基本的にはどの時間足であっても、トレンドレスのレンジ幅より、トレンドの中段保ち合いの方がボラティリティは小さくなるという特徴的があります。

【関連記事】
実践編2|相場の動きを知る!トレンド・レンジ相場・トレンドフォロー

それぞれのレンジの特性を生かしたトレード方法 

同じレンジであっても、この二つは大きく違います。したがって、エントリーやイグジットにおいてはそれぞれの特性を生かさなければなりません。

レンジ相場なので、どちらの場合もエントリーは逆張り的に入っていきます。詳細については次号の解説をお待ちください。イグジットは、トレンドレス相場では利益確定のターゲットをレンジのサポレジ内に設定しますが、トレンドの中段保ち合いのレンジは、レンジブレイク後のトレンドの部分も狙うため、レンジ内で決済することはありません。

このように二つのレンジを見分ける一番の理由は、利益確定のターゲットが全く異なるためです。伸ばせるはずの利益が伸ばせなかったり、潔く利確をしておかなければならない場面でタイミングを逸し、利益が減ってしまうことをできるだけなくすには、この二つのレンジをしっかりと見分けられるようになる必要があります。

相場の多くはレンジ状態です。そのレンジ状態をどのように仕分けて見やすくするかも自分次第です。

まとめ 

本連載では、一番大切なのは「トレンドとレンジを仕分けること」と、繰り返しお伝えしています。さらにその上で、レンジも2種類に分けることで、より手法を使い分ける能力が高まります。

最も分かりやすくこの二つを見分けるには、今あなたが認識しているレンジの直前に、誰が見ても分かりやすいトレンドが発生しているかを認識することです。

ぜひ、その目線でチャートを見てみてください。

※この記事は、FX攻略.com2017年5月号の記事を転載・再編集したものです

【ケッティーのテクニカル虎の巻 連載記事】
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