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Q13. 中国経済の好調不調を判断する方法とは?
A. 中国共産党の動向を注視しつつ、不動産価格や貿易収支をチェックします
習近平国家主席の動向
中国が世界に与える経済的な影響は1990年代から大きくクローズアップされてきました。2017年には名目国内総生産(GDP)が11兆ドルを越え、米国の18兆ドルに次いで世界2位になっています。また大きな特徴として、中国は中国共産党の一党独裁制を採用した社会主義共和国体制になっています。そのため、共産党内での決定に基づき国家運営がなされています。
現在の最高指導者は習近平国家主席で、政治姿勢はリベラル、党員や官僚の不正に対して厳しい態度を取る一方で、政治的にも経済的にも開放的な姿勢を持った指導者との見方があります。今後、中国の経済がさらに発展するにあたって共産党内での影響力の大きさからもキーマンとなるだけに、習近平国家主席の動向は注視しておきましょう。
中国経済は不動産価格に注目
中国経済の実態について、多くの方は「製造業」が重要だと答えるのではないでしょうか。しかし、中国人の為替ディーラーに話を聞いてみると、一番注目しているのは「土地価格」だといいます。中国ではGDPに占める製造業の比率が各国に比べ高く、重要な指標であることは間違いないのですが、中国経済は製造業だけでなく土地価格にも秘密があります。
以前の中国では、土地が公有制になっており、個人や企業が所有することはできず、自由な経済活動を行うことが難しかったのです。ただ、1988年の法改正により「土地の使用権は法律の定めるところにより譲渡することができる」とされ、使用権という形で売買できることになり、都市部の住民は国から安価な値段で使用権を取得しました。そして広大な土地を保有していた国有企業は土地を開発し譲渡、賃貸することで莫大な利益を上げ、より多くの富裕層が現れました。
このように中国経済の急激な発展の裏には「土地」が大きく関わっていました。ただ、近年は土地の活用によって不動産投資が過熱した結果、記憶に新しい「チャイナショック」の引き金にもなりました。そのため、中国当局も不動産価格の動向には目を光らせています。例えば、不動産開発投資の伸び率が高い数字で数か月推移した場合にはバブルが意識され、投資家の不安心理から世界的なリスクオフになる可能性もあるため、不動産価格は常に注視しておく必要があるのです。
中国の経済指標の見方
中国経済の現状を紐解く上で、やはり基本となるのは経済指標になります。質問にもありましたが、情報源の基本は経済指標発表です。では、数ある中国経済指標の中で何を見ていけば良いのでしょうか。まず、一番先に思いつくのは消費者物価指数(CPI)やGDPの成長率で、これらは大きな注目を集めますが、中国経済の先行きをいち早く知る上では貿易収支に注目していただきたいです。
先ほどもいいましたが、中国は製造業が盛んな国です。製造業は資源や材料を海外から仕入れるため、景気が上向くには輸入の伸びが鍵になってきます。輸入が増えれば、製品ができる半年後に遅れて輸出が伸びてきます。逆に輸入量が減っている場合は要注意のサインと捉えることができます。先行指標となる貿易収支から、いち早く中国経済の好不調を見極めましょう。
中国経済を知る三つのポイント
- 中国は中国共産党の強い支配下にあるため、党内の経済政策や習近平国家主席の発言に注意。
- 不動産開発投資の伸び率をチェックし、高い数字で数か月推移した場合は要注意。
- GDP成長率が意識されやすいが、いち早く景気の先行きを予測するには輸入の増減を見る。
以上の3点を押さえて中国経済を見ると、新たな視点から為替取引に活かせると思います。
※この記事は、FX攻略.com2017年12月号の記事を転載・再編集したものです
第1回:気にした方がいい経済指標は?/FX会社のニュースとの付き合い方は?
第2回:プロトレーダーの取引環境を知りたい!/スマホだけでも勝てますか?
第3回:コツコツドカンの克服方法を教えて!/相場を一瞬で大きく動かすのは誰?
第4回:FXでお勧めの情報源は?/アノマリーをどう思いますか?
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