ブローカー(FX会社)選びの重要なポイントを紹介
Expert Advisor(EA)を運用する上で、避けて通れないのがブローカー(FX会社)選びです。同じEAでも、稼働するブローカーによって、その運用成績は大きく変わってきます。そこで今回はブローカー選びの重要なポイントを解説します。
ポイント①|まず見るべき点はスプレッドの広さ
初心者にとっては、どのブローカーもほとんど同じように感じるかもしれませんが、実はブローカーごとにスプレッド、営業時間、取り扱っている通貨ペア、最低ロット数などが大きく異なります。
中でも、スプレッドの違いは非常に重要です。0.1pipsの違いなど、ほとんど関係ないと思うかもしれませんが、100回トレードすれば10pipsの差となります。これは、1ロット(10万通貨)でトレードしているのであれば、1万円に相当します。ロットを大きくすればするほど、スプレッドの影響も大きくなるので、本格的にトレードで資産運用を検討するなら、この差は決して無視できるものではありません。最低でも、ドル円とユーロドルのスプレッドは必ず確認しておきましょう。
ポイント②|指標時や早朝のスプレッドにも注意
米連邦公開市場委員会(FOMC)、雇用統計のような大きな指標が発表されるときや、朝6~7時前後の早朝の時間帯は、スプレッドが一時的に大きく開きます。瞬間的にスプレッドが平常時の数倍から数十倍になるので、このときにエントリーすると不利な価格で約定してしまい、バックテスト通りのパフォーマンスが出せなくなる可能性が高いです。EAのスプレッドフィルターを利用したり、EAを一時停止したりするのも一つの方法ですが、やはり普段からスプレッドが開きにくいブローカーを選ぶ方が賢明でしょう。
ポイント③|見えないコスト「スリッページ」
スプレッドが狭くても、実際にトレードするとなぜか不利な位置で約定したり、ストップロスを超えた価格で損切りされてしまうことがあります。このような注文時の滑りを「スリッページ」と呼びます。スリッページは全てのブローカーで発生する可能性があるので、ある程度はやむを得ないものですが、滑りやすいブローカー、滑りにくいブローカーというのはやはり存在するので、常に注意しておきましょう。
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ポイント④|複数のブローカーを使うメリット
資金に余裕のある方は、ぜひ複数のブローカーでEAを運用することをお勧めします。同じEAを複数ブローカーで稼働させれば、パフォーマンスの差が正確に比較できますし、ブローカーごとの微妙なエントリーの誤差による収支への影響も小さくすることができます。
加えて、あるブローカーでシステム障害などが発生した際のリスクを軽減することにもつながります。市販のEAは、一つの口座でしか稼働しないことが多いので、なかなか難しいかもしれませんが、大きな資金での長期間の運用を考えている方は、一考の価値があると思います。
ポイント⑤|海外ブローカーの注意点
高いレバレッジやゼロカットシステム(残高がマイナスになっても追証が発生しない)などが魅力的な海外ブローカーですが、利用にあたってはいくつか注意が必要です。
まず、出金拒否のリスクが国内に比べて高い点です。海外ブローカーはその立地上、トラブルが発生したときに交渉するのが難しいという側面があります。実際に、いくつかのブローカーで出金のトラブルが存在するという話も耳にします。
また、出金できたとしても海外FXで得た利益は雑所得扱いとなるため、累進課税が適用されます。国内ブローカーであれば、いくら稼いでも税金は20%ですが、海外ブローカーの場合は最大で半分近く課税されてしまいます。
そして、前述したスプレッドの広さも問題になります。例えばドル円の場合、国内ではほとんどのブローカーでスプレッドは1pips未満ですが、海外の場合は2~3pips程度あるのが普通です。キャッシュバックやナノスプレッドタイプの口座を使えば、条件は多少良くなりますが、それでも国内に比べれば劣る場合がほとんどです。
海外ブローカーを利用する場合は、こうしたデメリットを考慮しつつ、少額での運用をメインに利用することをお勧めします。ある程度まとまった資金ができたら、国内ブローカーへの移行も検討しましょう。
主要国内MT4ブローカー
外為ファイネスト
現在、最もお勧めできるブローカー。ロットの自由度が非常に高く、安定したスプレッドと約定力を持ちます。
OANDA JAPAN
東京サーバーはスプレッドが狭く、約定力も高いですが、最低ロットは1万通貨以上。通貨ペアが多く、営業時間も長いです。
ゴールデンウェイ・ジャパン(FXTF MT4)
上記2社に比べてややスプレッドが広いですが、初期に開設する口座としては有力です。
FOREX.com
スプレッドは広めですが、通貨ペアは非常に多いです。口座開設でEAがもらえるキャンペーンを多数行っています。
※この記事は、FX攻略.com2019年5月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
「これからFXを始めよう」と思ったとき、意外と悩んでしまうのがFX会社、取引口座選びではないでしょうか? でも大丈夫。ご安心ください。先輩トレーダー達も最初は初心者。みんなが同じ悩みを通ってきているんです。
10年以上にわたってFX月刊誌を出版してきた老舗FXメディア「FX攻略.com」編集部が、FX用語を知らない人でもわかるようにFX会社、取引口座のポイントを解説しました!
取り上げているFX会社は、金融商品取引業の登録をしている国内FX業者です。口座開設は基本的に無料ですので、まずは気になったところで2〜3つ口座開設してみて、実際に比べてみてはいかがでしょうか。
\FX会社によって違うところをチェック/
スプレッド | FX取引における取引コスト。狭いほうが望ましい。 |
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約定力 | 狙った価格で注文が通りやすいかどうか。 |
スワップポイント | 高水準かどうか。高金利通貨の取り扱いの数。 |
取引単位 | 少額取引ができるかどうか。運用資金が少ないなら要チェック。 |
取引ツール | 提供されるPC・スマホ取引ツールの使いやすさ。MT4ができるかどうか。オリジナルの分析ツールの有無。 |
シストレ・自動売買 | 裁量取引とは別に自動売買のサービスがあるかどうか。 |
サポート体制 | サポート内容や対応可能時間の違いをチェック。 |
教育コンテンツ | 配信されるマーケット情報や投資家向けコンテンツの有無。 |
キャンペーン | 新規口座開設時や口座利用者向け各種キャンペーンの内容。 |