勝てるロジックでも連敗することはある
どんなに優れたEAであっても、一時的なドローダウン(資金の減少)は避けられません。多くの人は、毎月一定のテンポで着実に資産を増やしていくことをイメージしがちですが、実際には数か月単位での収支のダウンスイング(下振れ)は普通に起こります。そのため、一時的なトレードの不調に対して、あらかじめ心構えをしておくことが重要です。
不思議に思うかもしれませんが、実際に優位性のある(勝てる)ロジックでも、長期間負け続けてしまうことは十分あり得ます。例えば、勝率50%、勝ち金額150円、負け金額100円のストラテジーを想定します。この戦略のプロフィットファクター(PF)は1.5、リスクリワード比率は3:2です。この条件のもとで100回トレードしたときのシミュレーション結果を100セット分見てみましょう(画像①)。
大半のトレードはプラスですが、いくつかの結果では100回トレードした後もマイナスのものが見られます。PF1.5は決して低い値ではありませんが、運が悪ければ長期間にわたって成績が低迷することも十分あり得ることを、このシミュレーションは示しています。
勝ちと負けは交互にやってこない
ランダムな物事の結果というのは、私たちが考えている以上に偏るものです。例えば、コイン投げでは表と裏がそれぞれ50%の確率で出ますが、実際には表と裏が交互に出るのではなく、表か裏が連続して出ることの方が多いです。しかし、長期的に見ると確率は50%に収束します。
EAも同じで、一時的な連勝や連敗はよくあることですが、長期的にはバックテストの結果に収束していくことが多いです。一時的な結果の偏りは、ランダムな要素にはつきものだと思っておいた方が良いでしょう。
短期間のEAの収支は気にしない
EAを動かしていると、どうしても日々の収支が気になりますし、毎日の取引結果に一喜一憂してしまうのが人間というものです。しかしながら、数日~数週間単位での成績は、ほとんどが運で決まるため、短期間でのトレード結果からEAの性能を評価することはできません。EAの実力を見極めるためには、最低でも数か月~半年程度のトレード結果が必要です。直近の成績が悪いからといって、すぐにEAを止めないようにしましょう。
ロットは控えめにする
ロットを大きくしてしまうと、短期間の取引結果によって大きく資金が増減します。これは、短期間で大きく資金を増やせる可能性がある一方で、不調期には一気に資金を減らしてしまうことを意味します。投資の目標は人によって異なるため、ロット設定に絶対的な正解はありませんが、1回のストップロスで資金を大きく減らしてしまうような無理なロット設定は避けた方が良いでしょう。ロットを小さく保つことで、長い目で取引結果を見られるようになるというメリットもあります。
\GogoJungleで売れ筋投資商品を探そう!/
頻繁にロットをいじらない!
既に述べてきたように、EAは長期ではバックテストの結果に収束しますが、短期間では運の要素が大きいです。そのため、いたずらにロットを増減させてしまうと、収支がより不安定になり、成績の上振れ・下振れが起こる可能性が高くなってしまいます。直近の勝ち負けはあまり気にせずに、淡々と運用していきましょう。証拠金に余裕が出てきたときは、一気にロットを増やすのではなく、徐々に上げていく方法がお勧めです。
過去のドローダウンを稼働停止の目安とする
長期目線での運用が大事とはいえ、EAが不調なときには、やはり不安になってしまいますよね。そんなときに参考にしたいのが、バックテストにおける過去の最大ドローダウンです。現在のドローダウンが過去の最大ドローダウンを超えない限りは、あくまでも一時的な不調にすぎないと考えられるため、稼働停止の目安として使えます。フォワード期間が長いEAの場合は、フォワードにおける最大ドローダウンも参考にできます。
フォワード期間が長いEAを運用する
これはそもそも運用以前の話ですが、EAを選ぶときはフォワード期間が長いものにしましょう。具体的には、最低でも半年以上、できれば1年以上のフォワードテストでプラス推移しているものを選ぶと安心です。また、その間の取引回数は1ポジションに換算して100回以上あるものが良いでしょう。これらの条件を満たすEAは、長期の運用に耐える実力があると考えられるため、今後も結果を残してくれる可能性が高いです。
※この記事は、FX攻略.com2019年11月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
「これからFXを始めよう」と思ったとき、意外と悩んでしまうのがFX会社、取引口座選びではないでしょうか? でも大丈夫。ご安心ください。先輩トレーダー達も最初は初心者。みんなが同じ悩みを通ってきているんです。
10年以上にわたってFX月刊誌を出版してきた老舗FXメディア「FX攻略.com」編集部が、FX用語を知らない人でもわかるようにFX会社、取引口座のポイントを解説しました!
取り上げているFX会社は、金融商品取引業の登録をしている国内FX業者です。口座開設は基本的に無料ですので、まずは気になったところで2〜3つ口座開設してみて、実際に比べてみてはいかがでしょうか。
\FX会社によって違うところをチェック/
スプレッド | FX取引における取引コスト。狭いほうが望ましい。 |
---|---|
約定力 | 狙った価格で注文が通りやすいかどうか。 |
スワップポイント | 高水準かどうか。高金利通貨の取り扱いの数。 |
取引単位 | 少額取引ができるかどうか。運用資金が少ないなら要チェック。 |
取引ツール | 提供されるPC・スマホ取引ツールの使いやすさ。MT4ができるかどうか。オリジナルの分析ツールの有無。 |
シストレ・自動売買 | 裁量取引とは別に自動売買のサービスがあるかどうか。 |
サポート体制 | サポート内容や対応可能時間の違いをチェック。 |
教育コンテンツ | 配信されるマーケット情報や投資家向けコンテンツの有無。 |
キャンペーン | 新規口座開設時や口座利用者向け各種キャンペーンの内容。 |